女子ソフトテニス部


DREAM FACTORY 2017 盛夏(会津インターハイ)

会津IH
団体2年連続5位入賞!

1年かけて和歌山信愛にリベンジ!

H29 会津IH 01
H29 会津IH 04H29 会津IH 15H29 会津IH 07

平成29年度 会津インターハイ (7月26日~29日 あいづ総合運動公園)
団体戦
1回戦 シード

2回戦 ③-0 星野(埼玉)
 鈴木・保科 ④-2 渡辺・伊藤
 前山・阿部(瑞) ④-2 神庭・榎本
 水澤・田辺 ④-0 田中・佐藤
3回戦 ②-1 和歌山信愛(和歌山)
水澤・田辺 ④-1 朝倉・中井
 前山・阿部(瑞) 2-④ 松井・戸根
 鈴木・保科 ④-1 下江・浦口
準々決勝 1-② 修大付属鈴峯女子
 水澤・田辺 ④-3 白木・広沢
 前山・阿部(瑞) 0-④ 笠井・奥田
 鈴木・保科 3-④ 吉田・森本

2009年、夏の甲子園決勝で起こったドラマを覚えている方がどれくらいあるでしょうか。
史上最多7度目の日本一を目指す中京大中京高校と、それまで夏の甲子園勝率が都道府県最下位の新潟県代表 日本文理高校との決勝戦。日本文理は堅実な野球で新潟県勢初の決勝戦へ駒を進めましたが、最終回は10対4で6点のビハインド。マウンドにはその後広島カープでプレーするエース堂林がマウンドに立ち、すでに2アウトでランナーなし。ところが、ここから、ドラマが起こります。そこから、なんと10対9の1点差に詰め寄るのです。
テレビのアナウンサーの絶叫。異様な歓声が甲子園を包みます。
あと1点届きませんでしたが、サイレンがなる中ホームベースを挟んで整列する二つのチーム、青ざめた中京大中京の選手たちと、最高の笑顔を見せて仲間を讃えあう晴れやかな日本文理の選手。そのコントラストの違和感をよく覚えています。
・・・まさか同じようなことを、うちの選手たちが、インターハイの舞台で演じることがあろうとは、想像だにしていませんでした・・・

1年前の岡山インターハイ、初の団体入賞を果たしたチーム北越は、準々決勝で和歌山信愛に敗れました。完全な力負けでした。
「地方区」の学校でも頑張れば全国ベスト8までは行ける。けれど、その上を目指すとすれば、全国から優秀な選手(全中優勝クラスの選手たち)を集める「全国区」の学校を倒す力、つまり「日本一」の実力をつけなければ、その夢は叶わないということを実感させられた敗戦でした。
それから1年、「次は絶対!」をスローガンにチーム北越は着実に一歩一歩力をつけてきました。ウサギと亀の寓話のごとく、前をぴょんぴょん走る「全国区」チームを追って、雪国のハンデを背負いながらも会津の夏を目指して亀の歩みを進めてきました。北越の選手たちはエリートではありません。このDream Factoryでも綴ってありますが、秋には県でも負けました。冬の北信越選抜でもエースが力を出せずに全国選抜にも出られませんでした。あらゆる面で力不足でした。トップに届く力がないのならつけていくしかない。今年のチーム(特に3年生)は誰も「そんなこと無理だ」とは思いませんでした。やはり岡山での悔しさをチームが共有していたからだと思います。会津で「次は絶対!」、チームの意志が揺らぐことはありませんでした。

H29 会津IH 61H29 会津IH 62H29 会津IH 63

そして臨んだ会津インターハイの団体戦。
初戦の相手は、埼玉県大会の決勝をドラマチックな逆転勝利で優勝してきた星野高校でした。チーム力があります。十分警戒して戦いました。
この試合、全国大会初出場の阿部瑞希(2年)が自己ベストを大きく超えるパフォーマンスを見せて、星野高校のエースを破りました。阿部は県総体でも北信越総体でも団体戦には出ていない選手です。まだまだ技術は未熟ですが、誰にも負けないガッツがある選手です。団体戦では「誰にも負けない」何かが強みになる。それを実証してくれたような戦いでした。チームに勢いをつけてくれました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAH29 会津IH 02

3回戦で第2シード和歌山信愛との勝負です。全国選抜に出ていないため、北越は15シードでした。それで3回戦に信愛と激突です。
ベースラインに並んだ時、1年前の試合後の整列を思い出しました。実力の差が歴然で相手にならなかった準々決勝、敗戦の挨拶。うなだれる選手たち、挨拶の後、選手たちと握り合った手。その手の力から、選手たちが「次は絶対!」と誓ったあの日。あれから1年、雪国育ちのチーム北越が、全中個人優勝、団体優勝選手をそろえた「全国区」チームに挑みます。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

対戦は2面展開で始まりました。
向かって左コートに第一対戦、水澤奈央(1年)・田辺なつき(3年)ペアが全中メダリストペアの朝倉・中井ペアと、右コートでは「ガッツ」の阿部瑞希と昨年の悔しさを知る前山愛の2年生ペアが平行陣の布陣で、前日の個人戦ベスト8の後衛 松井選手と前衛 戸根選手のペアとプレーボールです。
挑むチーム北越は、スタートダッシュに勢いがあり、どちらのコートも怒涛の攻撃で序盤をリードします。その勢いを持続して中盤に入りましたが、右側のコートでは、阿部にボールが集められ、さすがに「ガッツ」のみでは苦しい展開になってきました。ただ、阿部も前山もよく戦いました。特に阿部は練習では見たこともない正確な中ロブと長いシュートボールを何本も打ちつづけ、松井選手をかなり苦しめました。最後はシード校の意地を見せて長いラリーを制した信愛が④-2で逆転勝利。
一方、左側のコートでは、中盤に入っても水澤の正確なラリーは揺るがず、田辺の得点力と機動力でポイントを重ね、一度も主導権を渡さずに④-1で勝ち切りました。
H29会津IH 03OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

1-1で3番勝負。キャプテン同士の戦いとなりました。

和歌山信愛は、下江・浦口ペア。3年前の全中、このペアで個人日本一です。対するチーム北越は、全中個人でベスト8に入り「全国区」からの誘いを受けましたが、それを断って地元に残り北越のキャプテンとしてチームをつくってきた鈴木、そして高校になってから前衛を始めた保科のペア。3年最後のインターハイで「ウサギ」と「亀」が最終決戦を迎えました。
遡ること1カ月半前、6月のハイスクールジャパンカップでも、鈴木・保科は下江選手と対戦しました。小雨が降り続く中、④-0で勝利しましたが、あの悪コンディションでは本当の力が出せないままだったと思います。
そして、会津インターハイ、前日の個人戦、4回戦で鈴木・保科は下江・戸根ペアに④-1で敗れました。
初日の3回戦で、下江・戸根ペアは文大杉並高校の小林・西東ペアと凄まじい戦いを繰り広げていました。実際、3年ペアとしての意地、責任、気迫がコートから溢れるばかりの戦いに、僕も心から感動しました。そして深い敬意を覚えました。次の日に当たる相手に「感動と敬意」を覚えている場合ではないのですが、感じてしまうものは仕方がない。それほど素晴らしい戦いでした。
4回戦で鈴木・保科も、気迫を前面に出して戦ったのですが、下江選手の気魄が上回っていたと思います。そして戸根選手の迷いのない機動力にも翻弄されました。戦い後の握手をした時、下江選手は鈴木に「ありがとう。頑張るからね。」と言ってくれたそうです。言われた鈴木も「遥花(下江)は、私が日本一を本気で目指しているのを知っていたから、ああ言って私の夢を受け取ってくれたんだ。」とその日のノートに書きます。もう、これだけでも感激です。この二人の心の交流、そしてお互いへのリスペクトは高校生同士の戦いの域を超えていると思います。
ですから、団体戦、この二人をもう一度対戦させたかったのです。
(チーム北越の挑戦と和歌山信愛の下江さんのドラマ等の記事が「ソフトテニスマガジンポータルのWEBサイト」に載っています。右上の「2017インターハイ特集」をクリック)

個人戦の時より、鈴木・保科に勝利への執念がありました。ゲームの鍵になるポイントを鈴木・保科は確実に押さえていきました。サーブレシーブでも強さを発揮して④‐1で勝利。
H29 会津IH 08OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

チーム北越が、1年かけて積み上げてきた全国トップへの階段は確かなものでした。
鈴木・保科が強い気持ちで戦えた条件の一つに、1番と2番が自己ベストで戦ったということがあったと思います。決してハイジャパ銀メダルの鈴木・保科だけのチームではない。全員が自己ベストで「全国区」の学校へ挑んだ、そのチームとしての気魄が、団体でエースペアの勝負魂に火をつけたと言えると思います。
これだけでも、十分なDreamであり、北越として新たなDreamを刻んだと言っていいのですが、この後に、とんでもないドラマが待っていたのです。

準々決勝は、修大付属鈴峯女子高校(以下、鈴峯女子)との対戦でした。
鈴峯女子は、3年前の全中団体優勝メンバーがそろっている強豪チームです。このメンバーを中心に昨年の岩手国体でも準優勝。今年の春の全国選抜でも準優勝。優勝候補に挙げられる強敵です。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAH29 会津IH 05
スタートダッシュは完全に鈴峯女子が上。とにかくテンポが速い。小技も上手です。向かって右側の水澤・田辺は、敵のテンポについていけずに、相手の得点が続きます。サイドパッシングのテンポとスピードに田辺が遅れます。何とか一つ返してゲームカウント1-2。チェンジサイズのベンチアドバイスで修正点を確認したのですが、焦っていたのか水澤に伝わりません。ゲームカウント1-3。
一方、左のコートでは、前山・阿部の2年生ペアが和歌山信愛戦とは違って、粘りのないテニスでミスを連発し崩れていきます。前山の我慢がききません。阿部にも神がかったラリーは見られず、0-④で敗退。
このままでは、鈴木・保科に託す前に、0-②で敗れ去ってしまう。そんな空気が濃厚でした。3番対戦に向かう鈴木・保科に「大丈夫。絶対にお前たちに回すから、自分の戦いに集中して!」と言って送り出したものの、状況は非常に厳しいものがありました。
その状況を変えたのは、3年田辺なつきがペアの1年生水澤へぶつけた強い想いだったと後で知ります。

3年前の春、中学校の地区大会でふと目にした小さな前衛のバックハイボレーのしなやかな身のこなしと間合いの取り方がとても美しくて印象に残りました。田辺は田辺で、中学3年時に参加した県STEP2の大会で、北越高校の選手たちが明るく元気に、そしてどんなボールでも諦めずにひたむきにプレーする姿に憧れ、自分もあんな風にコートで自己表現できたらいいなと思っていたのだそうです。
入部してからの田辺は、まさに亀の歩みを地で行くような日々でした。当初はとても身体が固く、股関節と肩甲骨が使えない。そして自分自身を前に押し出すことが苦手な選手でした。ただ、田辺の最大の長所は「ひたむきさ」です。納得いくまで練習する。妥協しない。毎日の全体練習が終わった後に自主練習の時間になるのですが、ナイターをつけてとにかく納得がいかない状態では決してやめない。継続的なフィジカルトレーニングで身体も進化していきました。今ではチームのフィジカルリーダーとして、下級生に身体の使い方を教える師範役です。そしてもう一つ、「心」が深いのです。だから信じる力があります。信じる力が強いから団体戦に極めて強い。どこからその粘りと強気と勇気が出てくるんだ、と何度も驚かされました。実際、田辺は3年間インターハイの団体戦に出場して全勝なのです。(1年時:2勝、2年時:3勝、3年時:3勝)
ところが、この鈴峯女子戦で窮地に立たされます。ベンチワークの後の4ゲーム目の落とし方も最悪で、0-4で落とします。水澤のミスが3本、そして自分のWFでゲームオーバーです。かつての田辺なら、そこで退いたでしょう。自分のWFでゲームを落としたのですから、「ごめんね」と言って下を向いたと思います。しかし、もう田辺にはアスリート魂が育っていました。
水澤の目をまっすぐに見て、こう言います。
「しっかりしよう!」

G1-3、超流れが悪かった。
「しっかりしよう!」
試合中にあんなに強く言ったことはない。生まれて初めてのことだ。
タッチも強くして、「これじゃダメだ!」って想いを奈央(水澤)にぶつけた。
言葉じゃなくて、想いを。

こういう二人の強い想いのやりとりがあったのです。
実際5ゲーム目からの二人の動きも気魄も格段に変わりました。まるで、2人の背後に何か強気の音楽が流れているかのように、二人の攻撃にリズムが生まれました。鈴峯女子のテンポの速いアタックはもう通りませんでした。水澤のラリーが正確さを増し、田辺は俊敏な動きでアタックを止め、移動攻撃で得点を重ねます。
G2-3でベンチワーク。二人に生まれたリズムを止める何の言葉も必要ありません。強い想いを共有して送り出します。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA
G3-3でファイナル。
ファイナルは一進一退。とってとられて、でも田辺も水澤も攻撃をゆるめません。全く退かない。田辺の積極的な移動攻撃のハイボレーがアウトして敵にマッチポイントが行きましたが、二人は動じませんでした。確かな攻撃でデュースに戻すと、ラッキーも味方してゲームセット。
「言葉じゃなくて、想いを」ぶつけた田辺の行動がターニングポイントを生みました。あの瞬間に、彼女の3年間が凝縮されていたのだと思います。だから水澤はエネルギーをもらったのです。そしてチームは戦う心を取り戻せたのです。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA
言葉って不思議です。
言葉そのものは知性に働きかけることはできても、人間の心を大きく動かす情動に作用することは難しい。けれど、そこに込められた想いが確かで強ければ、ありきたりの言葉であっても、人を動かし、勇気を生み、場合によっては人の運命さえ変えることができる。

その時、左のコートでは序盤の有利な流れを保科の悪い面が出て失いかけていました。2人のゲームの入りは完璧で、G2-1。4ゲーム目も北越に主導権はありましたが、小さなミスから追いつかれ、逆転されていく。そのような展開から、鈴木のテニスは慎重になっていきました。流れが敵にいきかけている。そこで1点を安易に取りにいって何度も地獄を見ています。大きなテニスにして長いラリーの中から、失いかけてた主導権をもう一度取り戻そうとしているのです。鈴木の心の中のせめぎ合いが痛いほど伝わってきます。しかし、敵に行った流れは戻りません。G2-3で逆転されて、マッチゲームを迎えます。
ですが、ベンチに戻ってきた二人は、意外と落ち着いていました。今は流れが悪いが、このまま終わるわけにはいかないし、終わるはずもない。そんな感じです。
6ゲーム目、二人はベンチや応援団の思いも強さに換えてきっちりと戦い、ファイナルへ。
ところが、ファイナルは、ゲームの入りでミスが続き、あれよあれよという間に、ポイント0-6の相手マッチポイントを迎えてしまいます。
このまま終わってしまうのかな、と一瞬思ったのは事実です。
でもそれは諦めているというのとはかなり違います。
「運」とか「天」とかいう流れが敵にあり、如何ともし難い。全力で戦っているのですが、なぜかうまく事が運ばず唇をかみしめている状況です。

北越のドラマは相手のシュートがネットしたところから始まります。
1-6、2-6、3-6、1本1本、長いラリーで追いついていく、まさに亀の歩みでした。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA
ベンチで思っていたことは、ただ一つです。
「エースを信じるだけ」
4-6、5-6。あと1点…
ここで鈴峯女子は、ファーストサービスを入れ、レシーブをしてそのまま前進する保科にアタックして来ました。
こういう時に保科は強さを発揮します。目の覚めるような中間ポジションからのミドルボレーが相手のラケットを弾き飛ばしました。
ついに6-6。
追いつきました。本当に追いつきました。
0-6から6-6に至るまでの心境について、鈴木は試合後のインタビューでこう答えています。
「(ファイナル0ー6マッチからの緊張感は)意外とそうでもなくて。自分のプレーをしようと思って1点だけに集中してやれたし、絶対負けないで次につなぐからと思ってできました」(ソフトテニスマガジンポータルのサイトから引用)
「無心」ということだと思います。
試合の方ですが、最終的にはファイナルのスコアは12-10です。6-6の後、さらに4回のデュースアゲインが続きます。しかも、そのすべてがアドバンテージ鈴峯なのです。
ということは、10回の相手マッチポイントを鈴木・保科は跳ね返したことになります。水澤・田辺の敵マッチポイントの1回を合わせると、チームとして11回の絶体絶命を乗り越えた。
翌日の地元新聞(新潟日報)には「驚異の粘り!」という記事で大きく取り上げられることになります。
この試合、保科の敵のマッチポイントでの強気のプレーは観ている人に勇気と希望を与えたと思います。
深いロブを追ってスマッシュミスで相手のマッチポイント。でも、退かずにもう一度スマッシュを追ってデュースに持ち込む。そんなプレーが何度もありました。
長いラリーの中、相手後衛がシュートを打ちこんでくる気配を察して、何度ポーチボレーを決めたことでしょう。
以前の保科は違いました。ミスが出ると心が浮ついて連続ミスを犯す。もしくはミスを怖がってフォワード魂を失ってしまう…。
その保科が、あの苦境、あの土壇場の剣が峰で、あれほど冷静に、そしてどんな状況にも動じない勇気をもって、戦う意志を表現できた。それをひたすら嬉しく思います。
6-7、7-7、7-8、8-8、8-9、9-9、9-10、10-10と信じられないスコアが続いていく… 時間が流れているのか、止まっているのか、その中でスーパープレーが何度も繰り広げられる、夢の中のシーンなのか、現実なのか、とても不思議な感覚でした。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

最後は、10-11から短くなった鈴木のロブを森本選手がたたいてゲームセット。
北越の日本一への夢は終わりました。
見方を変えれば、鈴峯女子は10度マッチポイントを握りながら追いつかれ、それでも1度もマッチポイントを渡さなかったのです。その強さもこのドラマのもう一方の主役であるはずです。
泣き崩れる北越の選手たちと、勝利で泣きながら抱き合う鈴峯女子の選手たち。
勝者と敗者が分かれた整列でしたが、去年とは明らかに違う感慨を選手たちも抱いたはずです。「力がなくて負けた」ではなく「互角の力をつけて戦いきって負けた」のですから。

1年間、「次は絶対!」を合言葉に力を紡いできた選手たち。
「全国区」の一角を実力で倒し、全中団体優勝メンバーが中心で春の選抜2位の学校を劣勢から驚異の追い上げで追いつき、信じられないドラマを繰り広げることができました。
今年のチームカラーはイエロー。会津でヒマワリを満開にしようと言い合ってきました。
咲きませんでしたか?
満開ですよね。
ありがとう。みんな。
お前たち、最高だよ。
H29 会津IH 13H29 会津IH 09OLYMPUS DIGITAL CAMERA
そして、今年も力を貸してくれた様々な人たち、丁寧なお礼もできずすみません。
この場を借りて、御礼申し上げます。
ありがとうございました。

最後にキャプテン鈴木のノートを載せます。
今回、みんな結構あっさりしたノートでちょっと拍子抜けなのですが、それは国体があるからでしょう。
今年の新潟県少年女子チームは選手も監督もチーム北越で構成します。
もう、心は国体です。
今度こそ!
その思いは、会津前より強いのです。

会津IH日本一の夢、終わってしまった。
もう一つは勝ちたかった。
なつき、つないでくれて本当にありがとう。そしてごめん。
でも、みんなのおかげで鈴峯戦、頑張れたよ。
苦しい時、ベンチを見て何度も救われた。
ここで負けられっか!って踏ん張れた。
新潟県の他校の人や新潟から応援に駆けつけてくれた人たち、あんなに大勢の人たちに応援されて試合ができて幸せでした。
先生、最後まで自分がベストを出せるように、いろんなことをしてくれて、ありがとうございました。
先生がいなかったら、今の自分はありません。先生のおかげでここまで来れました。
正直、2年生のころまでは先生を信じ切ってなかったのかもしれないな、と今になって思います。
アドバイスやヒントをもらいながら自分で何とかしようと思っていました。
でも、3年になってから本当に苦しくて、逃げ出したくなって、先生を頼るようになった。
そして、その結果、最後は信じ切って戦えた。本当に全国レベルと戦えた。
たくさん悩ませてしまったと思います。
でも、自分のことを信じてくれてありがとうございました。
去年と同じ結果(団体5位)だけど、去年と違う嬉しさがあり、悔しさがある。
和歌山信愛を倒せたのは本当にうれしかった。
1年前は歯が立たなかったけど、あの時、先生は言った「1年後に追いつけない背中じゃない」。
そして私たちはやり切った。
下江にこの大会でリベンジできた。
昨日の個人戦の負けは決して無駄じゃなかったと思う。
「あらゆることから力を集めて光を放て!」
全中チャンピオンの下江・浦口。
北越を選んで、ここで3年間地道にやってきて、3年生で追いつけて良かったなあって思う。
北越に来て良かった…改めて心の底から思う。
鈴峯女子には勝てた。
あと2ポイント。
その2ポイントが取れなかった。
悔しいな。
でも、苦しい場面を何度も乗り越えながら思ったことがある。
3年間の練習って、こういう試合で2ポイントをとるためにやってきたんだなって。
一番苦しい時に頑張れた。
それは自分と向き合ってきたから。そのことは自信を持って言える。
P0-6でも、なんか行ける気がしてた。
怖くもなかった。
ラケットも振れていた。
少しは観ている人に感動を与えられたかな。
地元からも、応援していたよ。見ていたよ。感動したよ。っていっぱい連絡をもらった。
国体ではもっとプレーの幅を広げたい。
このままでは限界がある。
今日のリベンジ、絶対国体でするからね。
みんな見ててね。
今日の試合を見てて「愛香先輩のようになりたい」って言ってくれたけど、国体でもっと強い試合するからね。
国体で勝ってから言ってね。
今日のはダメだよ。だって負けたから。

今日より明日。
おやすみなさい。
(3年 キャプテン 鈴木愛香)

今年のサプライズ旅行は、「裏磐梯の大自然と鍾乳洞の神秘」がテーマでした。
H29 会津IH 25H29 会津IH 21H29 会津IH 23

最後に、会津インターハイで自己ベストを出せたチーム北越を支え続けた3年生3人を紹介します。
冨樫美咲は北信越の記事で紹介しました(Dream Factory 2017初夏)。阿部玖瑠実と猪俣佳矢乃は、県総体で自己ベストで戦いましたが、巻高校のエースペアに競り負けて3年間の選手を終えました。2人は3年間の様々な経験を経て人間的にも精神的にも大きく成長しました。選手としての活動が終了しても、3人は朝練習から放課後の自主練習の時間まで、この会津インターハイの夢のため、そして後輩たちの指導のために、全力で力を貸してくれました。立派な3年生です。団体戦は3年生がチームを作れないと厳しい戦いでチームとしての力を発揮できません。この3人の支えがなかったら、今回のドラマはありえませんでした。
すべてが終わって、新潟へ帰る前、表彰式で首にかけてもらったメダルを、試合には出なかった1,2年生が、この3人に贈りました。
H29 会津IH 24

H29 県総体 24H29 県総体 22H29 県総体 21


DREAM FACTORY 2017 初夏

北信越総体 団体初優勝!
鈴木・保科は個人冬・夏連覇!

H29 北信越01
  
団体戦
1回戦 ③-0 福井商業(福井)
準々決勝 ②-0 七尾(石川)
準決勝  ②-0 高岡西(富山)
決 勝   ②-0 高岡商業(富山)

個人戦
1 位  鈴木愛香・保科葵
3 位  水澤奈央・田辺なつき
ベスト16 阿部瑞希・木村美月、前山愛・冨樫春菜
2回戦 庭野真李・冨樫美咲

H29 北信越06H29 北信越05H29 北信越04
 
北信越団体制覇、長くかかりました。今までは県で勝っても、高岡西高校という日本一を常に狙って鍛えているチームの壁、ジュニアが盛んで優秀な選手が毎年揃う石川県の壁、その二つの壁をなかなか越えられませんでした。3ペアの力が結集できないと北信越の優勝旗を持ち帰るのは難しいのです。
準々決勝からは、過去3年間、北信越で負けてきた学校に一つひとつ借りを返していったような対戦になりました。3年生主体の今年のチーム、強くなっていました。1,2年生の前へ向かっていく強さもチームとして引き出しながら、戦いを重ねるごとに「圧倒する強さ」をようやく表現できたように感じました。
さあ、残すはインターハイの団体。
今年のチームカラーはヒマワリ色です。
でっかい向日葵を会津のコートで満開にする。
さらに強くなって、夏を目指します。
H29北信越02
個人戦では、鈴木・保科が、県勢としては田辺(恵理)・岡村以来の冬・夏連覇。田辺なつきは1年生の水澤と組んで、鈴木・保科以外には完勝でした。同士討ちで、県総体も北信越総体も敗れましたが、「前へ向かっていく強さ」の絶対値が、勝利or敗北という剣が峰のポイントで鈴木・保科には敵わない。ゲームの要となる場面で、鈴木・保科は相手の心にも踏み込んで「ギアを入れる」。田辺は「受ける」。その差だと思います。田辺にはもっともっと大きな力が眠っています。全国レベルでもっと戦うことができる選手です。Push Yourself Forward At Key Points!  会津で、でっかく咲く花をみたい。いままで会ったこともない自分と、会津のコートで出会ってほしいです。
阿部瑞希・木村美月の2年生ペアは、県総体の個人戦、インターハイ決めの試合で、これ以上はないような「弱さ」を表現してしまい(ファイナル 5-5から、阿部の手打ちロブをスマッシュされ、木村はセカンドサーブのレシーブを重圧から当てにいってネット下段でゲームセット)ましたが、上位大会である、北信越総体で、その弱い自分を乗り越えるチャンスをもらいました。初戦の相手は、石川県の金沢東高校。しっかりしたテニスをするペアでした。自分を超えていく時、いかねばならない時、「神様」はイニシエーションを課す。本当にそうとしか思えないシーンに毎年のように出会います。今回もリードしながら追いつかれ、逆転され、ファイナル5-6で敵マッチポイントのセカンドサーブ。レシーバーは木村。県総体の「あの」シーンと全く同じ状況。「神様」うますぎます。木村は二度目のイニシエーションに向かう直前、ペアの阿部に向かってとびっきりの笑顔でこう告げました。「よし、振り切るからね!」
そして、深く逆クロスに突き刺さったレシーブに、相手は対応できずアウトミス。その勢いに阿部も乗じて再逆転勝利。その後、福井のシード選手にも勝利。さらにベスト16をかけた戦いで、高岡西の選手との競り合いにも勝ち切りました。二人は来年のチームの主力になってもらいたい選手です。2年生の県総体で見せてしまった弱さと向き合い、それを上位大会で乗り越えたという経験を自信にして、さらにレベルアップしてほしい。
最後に、2回戦で準優勝した第2シードの選手に敗れはしましたが、3年生の冨樫美咲は2年生の庭野を精神的にも戦術的にもリードし、自己ベストで有終の美を飾りました。
冨樫美咲01冨樫美咲02
冨樫はチーム北越になくてはならない存在です。チームの太陽のような存在です。1,2年生のころは幼くて失敗を繰り返しました。大きな怪我もありました。そういう負の経験を通して、自分のあるべき生き方をこのチーム北越で見出した。そして最後の県総体~北信越総体で自己ベスト。素晴らしい3年間だったと思います。

鈴木・保科 ハイジャパ銀メダル!
ようやく全国デヴュー!

H29 ハイジャパ03
ダブルス
予選リーグ
 ④-1 藤 ・ 為 藤 (佐賀県:佐賀清和)
 ④-1 片 野 ・ 小 松 (宮城県:東北)
決勝トーナメント
 ④-3 小 林 ・ 福 田 (長崎県:大村)
準々決勝
 ④-0 下 江 ・戸 根 (和歌山県:和歌山信愛)
準決勝
 ④-1 原 口 ・ 久 保 (福岡県:中村学園女子)
決勝
 1-④  林 田 ・ 宮 下 (東京都:文大杉並)

降り続く雨の中、神経戦、消耗戦の戦いが続きました。我慢の場面でよく我慢し、攻める場面でよく攻めた。悪コンディションにおいて、そのシンプルな戦いの精度が高かったと思います。
本人たちは、全く納得していませんが、文大、三重、中村学園、信愛という全国区の学校が順当に勝ち残る中で、地方出身地方育ちの鈴木・保科が札幌で残した戦いの軌跡は、十分に誇れるものだと思います。
鈴木・保科は昨年の大会では予選敗退。技術的にも戦術的にも精神的にもまだまだ未熟で、敗退した後、応援に駆けつけてくれた保護者の方に「未熟の一言。また鍛えなおします!」と言った記憶があります。
そして、その1年後、鍛えられて育った二人は、堂々の戦いぶりで決勝まで勝ち上がりました。努力は嘘をつかない。Dream Factoryチーム北越で自己向上に努力してきた日々は確かなものでした。
ただ、決勝は「ごめんなさい」の試合。全国の決勝を幾度も経験してきている相手に対して、その相手に負ける前に、自分たちが駆け上がってきた舞台の高さに初めて気づいた感じで、雰囲気に負けてしまいました。
錦織選手が、全米オープンの決勝で自分を表現できずに敗れた時に「ここまで硬くなったのは久しぶりで、試合に入り込めなかった。」と話していましたが、同じ精神状態になってしまったのかもしれません。
日本一のチャンスが目の前にありながら、純粋にそのチャンスに挑めなかったのは残念ですが、二人が積み上げてきた日々の結果として、全国の決勝の舞台に立てたのは間違いない事実ですから、二人は自信を持っていい。
夏の会津で、また挑めばいい。そのための大事な経験ですよ。

H29 ハイジャパ01H29 ハイジャパ02H29 ハイジャパ04

決勝は戦わずに負けた。ほぼ自分たちの自滅で終わった。
攻める!と言ってコートに入ったが、ディフェンス的なプレーでのミスから始まってしまった。
会場の雰囲気をとても気にしてしまった。
文大が勝って当たり前的なムードの中、私たちがミスをすると「やっぱりね」って言われているような気がして、心が真っ直ぐに集中できなかった。
人の目を気にした。
始めて立った全国の決勝。あれだけ大勢の人に囲まれたセンターコート状態での試合。
小さく縮こまって、負けていった。
敵に負けたのではない。決勝という雰囲気に負けた。小さすぎる…
でも、そういう経験ができて逆によかった。インターハイの決勝だって、たくさんの注目を浴びて試合をする。
あと1ヶ月、今日起こったことを絶対に忘れずに生きる。
みんな、エネルギーをありがとう。
次は、絶対! 北越が優勝する!
(保科葵)

決勝、全然戦えなかった。
初の全国決勝の舞台。大勢の観客。
ただ向かって行くだけだとは思っていた。
けど、序盤にミスが続き、それからはその悪いイメージが抜けずに、自分のテニスができなかった。
本当に、情けなくて恥ずかしい試合をしてしまった。
葵は全国レベルにまで達したと思う。自分が変わらない。
葵が変わったみたいに、自分も変わりたい。
今まで自分たちが超えられなかった全国の壁。その壁はブレークスルーできた。
目標は達成した。初の全国メダル。
いろんな人からパワーをもらった。
ありがとうございました。
それでも決勝は戦えなかった。悔しさの方しかないし、情けない思いでいっぱいだ。
チームのみんなも、ありがとう。みんなが頑張ってくれているから、自分も苦しい場面で頑張れたよ。
IH、絶対日本一だよ!
(鈴木愛香)


DREAM FACTORY 2017 春(県総体 )

県総体 団体6連覇!

H29 県総体01

  
団体戦
準々決勝 ②-0 三条東
準決勝  ②-0 中越
決 勝   ②-0 巻
 前山・冨樫(春) ④-3  古澤・藤田
 鈴木・保科    ④-1  小林・石山
 水澤・田辺         蓮沼・阿部

H29 県総体06H29 県総体11H29 県総体12

高い集中で、会津インターハイへの切符を勝ち取りました。
6連覇と言っても、毎年いろんな条件の中、たった一つの挑戦権をかけたドラマがあります。
今年は、昨年の岡山インターハイベスト8というスタートがすべての起点でした。
1,2年生主体で勝ち取ったIH5位入賞。それゆえに県内大会では勝って当たり前という空気が、まだまだ成長期にある高校生には重荷としてのしかかります。
一方で「敵は全国5位。私たちは失うものなんか何もないから、ただ向かっていくだけ」こうした開き直りのパワーを相手に与える条件にもなります。
昨年の10月の県新人戦での惨敗。そして冬の県選抜決勝では、目の前の勝利にこだわりすぎて戦う心を見失ってしまいます。相手の悲鳴にも似た歓声。うなだれる北越の選手たち。重い日々が続きました。
北信越選抜では個人戦1位と3位。実力的には十分優勝を狙えるのに、団体では勝負所でエースが敗退。全国選抜を逃してしまいます。
このような「重荷」は、他方、自分らを強くしてくれる「負荷」でもあります。
僕は繰り返し実感するのですが、3年の夏(県総体~IH)に自己ベストを出せるかどうかは、この種の負荷としっかり向き合ってきたかどうかにかかっていると思います。
前年の実績という重荷だけではなく、学年が上がるにつれチームの中では責任という負荷がかかってきます。チームをまとめる責任、後輩を指導する責任、チームの問題を自らの問題として逃げずに背負う責任。どんなチームにあってもエースであったり、リーダーであったり、上級生であったり、責任のかかる立場にある者は、秋~冬、そして冬~春と季節が移り行く中で、自分の責任と向き合う場面が数多くあるはずで、その一つひとつとどう向き合ってきたか、逆に向き合わずにきたか、それが最後の大会での強さになり、弱さになっていく。
「負荷」は実際重いですから、できれば脱ぎ捨てたい。身軽になりたい。身軽で戦える1年生~2年の夏までは、この「負荷」がないので伸び伸びと戦えても、2年の秋からは、「負荷」をあえて背負う覚悟が必要なのだと思います。その覚悟を日々の取り組みの中で育ててやるのは、我々指導者の大切な仕事です。選手も苦しいし指導者も苦しい。その苦しい時期を共に歩む。その日々から、アスリートが誕生する。そう信じています。

昨年の秋~冬にかけて、チームの敗北の「現場」にいつもいたのが保科葵です。
保科は能力の高い選手です。高校に入ってから前衛になったのですが、飲み込みが早く、ポイントを伝えてやるとすぐにできます。半年あまりで県のトッププレーヤーになり、2年目には北信越代表として宮崎で行われる全日本最終選考合宿に参加するまでに成長しました。しかし、性格が(よく言えば)おおらか、(悪く言えば)大雑把。これはトップ前衛にはむしろ必要な資質でもあると思っているのですが、本物のアスリートとして全国トップの選手に近づくには、この大雑把で緻密性に欠ける自分と向き合う必要がありました。

さて、今回の6連覇、そして個人戦の鈴木・保科の大会連覇、その「ど真ん中」には保科葵がいました。
個人戦、向かってこられる重圧からか、当日の空模様のようにペアの鈴木は重苦しかった。それを支え、苦境を切り開いていったのが保科でした。
団体戦では、常にチームを鼓舞し、後輩を励まし、自分自身もほぼ完ぺきなパフォーマンスで全勝しました。
今回のDREAM FACTORYは、昨年12月、県選抜で長岡商業に敗れた日から、保科が自分と向き合ってきた日々を振り返ってみたいと思います。

遡ること半年、県選抜団体決勝。鈴木・保科のペアを崩して、保科は下級生の前山と組んで戦いました。
第一対戦に出て相手の長岡商業のエースとの対決になりました。
序盤、保科の雑なネットプレーが続いてリードされていきます。前山も走らされて強引なプレーがミスになり、G0-3まで追い込まれました。
インドアの平行陣の安定に対して、北越の雁行陣の攻めが正確性を欠きます。
ここから、こちらも平行陣にして戦いました。苦肉の策です。1本1本、かみしめるようにしてポイントを重ね、ファイナルまで追いつきました。
長いラリーが続き、隣のコートでは2試合が終了。1-1となって、この第一対戦が3番勝負の形になりました。
お互いが追い込まれた状態でのミス待ちラリーが果てしなく続きましたが、最終的には保科が狙われてゲームセット。

自分の薄っぺらさでチームを負けに導いた。悔しい…。本当にごめんなさい。
長商のW後衛にファイナル負け。G0-3から、こっちも平行陣にしてファイナルまで追いついた。
P2-0、逆クロスへのボール、面が薄くて吹いてアウト。その後スマッシュがアウト。
ここから小さくなってラケットを振れなくなる。
吹くのが怖くてほぼ返球。お互い返球しあってミスを待っているラリー。
デュースまでいって、果てしなくアゲインは続いた。
こっちのマッチポイントは4回あった。
愛(ペアの前山)のツイストがネット。そして次はWF。
だけど、3回目と4回目のマッチポイントは私のストロークが薄くてのアウトだ。
マッチを握っても、雁行陣で攻める選択はできなかった。序盤のようにネットについて狙われたら…という不安に勝てなかった。
「インパクトでの面の薄さは人間の薄さ」前に先生から言われたことがある。
それがチームを負けに導いたんだ。
変わりたい。この負けは絶対に忘れない。
変わらないと、来年の県総体、同じように私がチームの夢を終わらせる。
これから毎日、朝6:45からギャラリーを走る。
少しでも厚い人になって、勝利を導ける人になれるように。
(12月17日 保科葵)

翌日、みんなで日本リーグを観に行きました。
日本リーグにはDreamFactoryの卒業生がたくさん活躍しています。
アドマテックスの成田さん小林さん、太平洋工業の小林さん、ダンロップの岡村さん。
セミプロのアスリートが、チームの夢、会社の誇りを背負って、それでも思いきり戦う姿を保科にも感じてほしいと思いました。

日本リーグは、私みたいなクソ試合する人なんて誰もいない。いるわけがない。
相手のマッチポイントだって、当然打ち切るし、点を取りにいく。ミス待ちなんかじゃない。戦いだ。
点を取り合う戦いだ。
見ていてもハートを感じる。絶対負けられないと強く思っているから、だから絶対点を取りに行く。
それだけのことだ。
私は、絶対負けられないと思って無難に引いてしまう。攻める気持ちを失ってしまう。
この差だ。勝ちたい勝ちたいと思っているけど、自分自身の勝つための準備が薄っぺらなんだ。
葵先輩(ダンロップ岡村葵;北越の卒業生)は私とは全然違った。
ペアの安藤さんの引退試合。負けられない戦いだ。
相手の強打を敢えてポーチボレーに行く。後衛前の深いロブを追いに行く。
あんなに深いロブ、「ミスするかも…、決まらないかも…」という雑念は当然あるだろう。
でも、その雑念を振り払って決めに行く姿。
「厚い」人だ。ハートが強い。思いが強い。
この二日間のこと、決して忘れないで北信越でリベンジする。
選抜の切符、全国への切符、必ずつかむ。
(12月18日)

それから約1か月。新潟県2位校として、北信越選抜に出場しました。
2位校は、各県からの2位校のリーグで1位となり、1位校リーグの3位チームと全国への第3代表の切符をかけて争います。要は全勝しなければならない。
2位校リーグの中では、石川県の七尾高校との試合がキーになりました。その戦いで、エース鈴木・保科は力を出せずに敗れ、チームも全国選抜への出場を逃してしまいました。
鈴木に精彩がなく、そうなると保科は冷静な判断を欠き、ペアとして踏ん張りがきかなくなります。
次の日の個人戦では、団体を負けに導いた悔しさから、鈴木・保科が圧勝。しかし、保科は決勝のチャンピオンシップポイントでイージーなミスを連発します。

全国選抜に行けない…
また、自分が終わらせた…
ここ勝負、って場面にいつも私がいる。
そして勝てない。県も、北信越も。
背負う場面で耐えられない。
うまくいかないと顔がこわばっていく。ミスが出ると振り切れない。いつもこうだ。
ペアとしても問題があると思う。
それは愛香(ペアの鈴木)にいつも試合をつくってもらっていることだ。
主体が愛香にいつもある。
良いチームになってきたって自信もあったけど、やっぱり核となるべき自分が弱すぎる。
努力はしている。でもまだまだ弱いんだ。
今日の試合ではっきりわかった。
愛(後輩の前山)がミーティングで勇気出して言ってくれたように、
失敗から学ぶのはもうたくさんだ。成功を積み上げるチームに!
私って本当に懲りない人間だなってつくづく思う。
今度こそ、今度こそターニングポイントにしないと、日本一どころか、IHにさえ出られない。
(1月14日)
個人戦、優勝した。
嬉しいけれど、正直悔しい。
また馬鹿なことをした。優勝を決めるマッチポイントから4本連続クソミス…
負けそうな土壇場にも弱いし、あと一歩で勝利という土壇場にも弱い。
どっちにしても、ギリギリの場面で1点がほしくなる。それが力みになったり、馬鹿な判断につながる。
ペアの意志疎通にも問題ありだ。
私たちのペアは二人で何かをする時間がほぼない。
愛香は一人で全部する。私は二人でする時間を増やしたい。
最近の愛香はなんか怖い。もっとコミュニケーションとりたいけど、どうしても一歩引いてしまう。
自分でもわかっている。怖いと思っている自分が最悪だ。ペアとして一緒に前へ進もうとしていないということだ。
次、団体で戦うのは、もう春のインターハイ予選だ。
自分の弱さから逃げず、ペアからも逃げず、1日1日を大切にしていこう。
ペアとしても本気で話をしよう。
チームとしても、ペアとしても、本物になりたい。
(1月15日)

向き合っているはずの自分の薄っぺらさがなくなりません。メンタル的にも自信をなくし、ペアとの関係もしっくりいかなくなります。
この頃が、保科のボトムポイントだったかもしれません。自分の薄っぺらさを自覚し、そこと向き合い取り組んでいるのに成果が出ない。部長としてチームをまとめ、メッセージしつづけなければならないのに、自分自身がありえないプレーを大事な場面で犯してしまう。
保科は誠実な人間です。失敗すれば、その失敗から逃げずにきっちり反省できる人です。ただ、それが長続きしない。簡単に言えば「子供の反省」の域を出ないので、そこを根気強く指導しつづけました。反省をするのではなく、日々の姿勢を変えるのだ。試合のない普段の時に、自分の夢に立ち戻り、自分をコントロールし、後輩たちをきっちり指導し、時には仲間とぶつかりあうこと。
実際、今年のチームはそこが弱い。ぶつかり合えないのです。お互いが気を使ってぶつかり合うことを回避する。去年の岡崎のような存在がいません。それもまた追い込まれた時の弱さにつながっている。
ただ、保科、鈴木を中心に、徐々にチームはメッセージを心で受け取り、リーダー改革、チーム改革に取り組み始めます。保科の本気の姿が練習中も練習外でも見られるようになってきました。

リーダーミーティングを持った。
テーマは「リーダー同士がぶつかれないことについて」
私たちの一番の問題は、ぶつかった後の関係を気にしてしまうことだ。
嫌われたくない。っていう気持ちがあるから、強く言えない。全員一致だった。
そこが下北沢との違いだ。(前にバレー女子の下北沢成徳チームを追った番組をみんなで見た)
下北沢のキャプテンは嫌われても大事なことをメッセージし続けていた。
それから、伝えられた側の態度も重要だ。
逆ギレ、言い訳、他の人への愚痴、そんなのはもっての外。
仲間が勇気を出して言ってくれたことをちゃんと受け取ってあげること。
「〜していこう」とか「〜しよう」じゃなくて、「〜して」ってズバッと言う。
そして、部員みんなの人間性の理解。誰が 何に取り組んでいるのか、リーダーは把握していないと 、的確なアドバイスができない。
その三つを主に話した。
部長の私が人の目を気にするからダメだ。
もう小さな殻に入るのはやめにする。
結局それは人の評価を気にすることだし、大事なポイントで不自然なことをすることにもつながるんだ。
(2月13日)

今日、おばあちゃんの家に行ってきた。そしたら親戚の叔母さんが来て一緒に話をした。
幼い頃以来なので、初対面みたいな感じだった。いつもなら、そこで引いてしゃべらなくなる自分。
だから、敢えて自分から昔のこと聞いたり、話したりするようにした。
昔からこういう時に口数が少ない方だったから、叔母さんに変わったねって言われた。
全然そうじゃなくて、話題が出てこなくて困っているのに…
もっと堂々とした人になりたい。
自信を持って発言したり、自分の意見をはっきり言える人に…
(2月15日)

今日は都道府県対抗に出る中学生が練習試合に来た。
冬の間、ずっと続けて来た雑ミス撲滅の取り組みの成果を見るチャンスだ。
1試合目の雑ミスは2本。
何もない場面での雑ミスはゼロだが、勝敗に関わる大事なポイントで出る。
相手が中学生だろうと関係ない。わかって準備していなければ必ず出る。
・大事なポイントをどういう心で迎えるか。
・そういう時の集中力の作り方はどうあるべきか。
まだまだ追究が足りない。
2試合目の雑ミスは序盤なし。
ゲームカウント2-0からWFをきっかけに3連続のクソミス。
ギリギリのポイントでも出るし、余裕がある時も出る。
余裕がある時のパターンは、心に余裕があって、そこでWFとかスマッシュミスとか、イージーな ミスが出ると、「ああー、やってしまった…」って考えてしまう。その考え方が連続ミスの始まりなんだ。
3試合目も同じだった。序盤のミスはなし。リードしてから始まる。
これも自分の中の「負けないっしょ」って考えからだ。なんか落ち着かなくなって、圧勝してしまいたくなる。
簡単なプレーの雑さ。何度言われても変われない自分がいる。
午後に先生が時間をかけてメンタルの講義をしてくださった。
それを聞きながら、自分は本当に日本一を狙っているのかと思ってしまった。
メンタルって心のことだと思っていたけど、考え方や行動までもが深くメンタルに関係していた。
私は普段から何気にマイナス発言をしていた。小さいことかもしれないけど、「疲れた…」なんて普通に教室でも言っている。
こういうマイナス発言を続けていれば、自分の中の心も感情もマイナスなものになっていく。
部長がこんなじゃあ、チームがチャレンジしていけるわけがない。
ただ、いきなり「疲れた」「ああ…」とかって、それを思わないところから始めるって難しいと思う。
だから、まずは口に出さない。
思ったとしても、これは日本一への道って考えて、口に出さずに思考を変えていく。
それを毎日振り返る。
あと96日で県総体。100日を切ってることにドキッとした。
本物のエースになりたい。
どんな場面にも揺るがない、頼りになるエースになりたい。
(2月26日)

このようなノートを見ていると、保科が自分の心に向ける眼差しが深くなっていることに気づきます。
ぺらっと自己弁護してしまう自分へも客観的な眼差しが向けられるようになってきました。
日々の練習の、イージーミスを一つひとつ振り返ると同時に、自分の心のマイナス思考を、保科は毎日チェックするようになります。

マイナス発言をチェックし始めて10日。今日も1回してしまった。
どういう時にしてしまうのか?
場面とか自分の心の状況とかじゃなくて、話してる相手だ。
マイナスな空気や言葉で同調を求める相手に合わせてしまう。
こうやって自分の思考パターンや発言に注意するようになってから、周りの心がわかるようになってきた。
野球部、バレー部、いろんな部活の人の心が態度や発言からわかる。
最近、男テニ(男子ソフトテニス部)が、勝利を積み重ねているのもわかる気がする。いつも前向きだ。本当にインターハイベスト8をとるために何が必要かを考えてる。
かつては全然だったのに、リーダーが変わった。やっぱり日ごろの自分とコート上の自分ってしっかりつながっている。
今日のリーダーミーティングで、なつき(田辺)はほとんど無言。
愛の問題も進めたのは愛香で、愛もなつきの方を向いて話すことはない。
しっかり伝えたら泣いてたけど、昨日もそのことで伝えられて泣いたんじゃないの。
変われよ。悔しくて泣くくらいなら変われよ。
日本一への道だと思って頑張れよ。
本気になれよ。
寮に戻って、「自分がチームを変える!」机の上に大きく書いて貼った。
「愛香と」じゃない。自分が、だ。
(3月8日)

マイナス発言、今日はゼロ。
でもマイナスに思うことはやっぱりあるんだな。
ただ、そのマイナス思考が始まった時に「違う!」ってことを強く言い聞かせる。
そうしないと、マイナスの渦に巻き込まれる。
チームにもマイナス発言のこと伝えつづけて、部員同士のマイナス発言はほとんど聞かれなくなった。
これがチーム全体の気を上げることになればいいな。
練習中も、マイナス思考との戦いだ。
1本のミスに対して「また~してしまった…」って思ってしまう。
自己嫌悪は悪いことじゃない、と先生は言う。自己向上へのスターティングブロックになるから。
でも、試合中そんなことは考えていられない。ミスを修正することは大切だけど、「~してしまった…」というような思考は自分を下向きにさせるからNG。
ミスをした。「じゃあ次はどうする?」「どうやって挽回していく?」
それを瞬間瞬間に考える。思考は前へだ。そうすると連続ミスはなくなる。
(3月11日)

今日は練習を早めに切り上げて、みんなで「チアダン」(映画 福井商業高校チアダンス部が全米選手権で優勝するまでを実話をもとに映画化したもの)を観た。
軽いショックを受けた。
自分らと「やりたい! なりたい!」の強さが違う。
チアダンの部員たちは、思いを直接言うし、思いを共有する。
ミーティングなんてわざわざ持たなくたって、言うべきことは言うし、そして受け止める。
全く受け身ではない。自らの行動。
私もひかり(主人公)と同じく「仲良くまとめようとする」。
でもチアダンの部長は違う。
敢えて嫌われ役に徹する。
みんなの夢をかなえるため、あえて嫌われる存在になる。
この覚悟が自分にないんだ。
全然優しすぎる。気ばっか使いすぎる。
リーダーの覚悟が足りなさすぎる。
本当に強いところ、本当にでっかい夢をかなえるところってこうなんだろうな。
ぶつかりあって、お互い本音を伝えあって。
私は一つにしようとするから逆にまとまらないんだ。
メンバーの心が開けば一つになるのか。
だとすれば、私たちが口を閉じていたり、心を開いていかない限り、何も始まらない。
私も、ひかりの「夢ノート」作ってみよう。
本当に自分が思ったことを全部書き込むノート。
このテニスノートにも思いを書いているけど、文章になるから長くて見にくい。
ひかりのように、赤ペンで短く、ズバッと書くのもありだ。
(3月18日)

こうして冬が終わり、春を迎えます。
鈴木・保科は、全国私学大会、全日本選抜に出場しました。
ところが、格上との戦いになると、まず鈴木が臆してしまいます。県内では無敵であっても全国のトップと戦うと挑戦者魂を貫けない。
保科も悩みます。
ただ、この全国での「腰引け敗退」は、このペアに強い課題を与えてくれることになります。
自分の内側の心技体の充実だけではなく、外に対して強く自分を押し出す力への自覚です。

全国私学、全日本女子選抜、収穫はあった。けど負けた。自己ベストではない。
また失敗。また、また。
ペアとしても失敗。
何だろう…。自分がやっぱり愛香に対しての気づきが浅い。
今回、愛香自身になんか迷いがあって、気迫があるときの「思いきり」がなくなる。
「かわさないで、しっかり打って!」何度も言った。けど変えられなかった。
格上になると、愛香は別人になる。表情も固くなり、何よりまず目が死ぬ。そしていつものボールじゃなくなる。
どうしたらいいんだろう。愛香がチキンになったとき、私は何ができるんだろう。
愛香は頭もいいし、うまいし、技術や戦術も高い。けど、やっぱり、責任や勝負がかかった試合になると重くなる。その重さを吹き払うような気魄がなくなる。
試合前の準備も、やっぱりどこか気が足りなかったと本人も認めた。
日ごろからのペアとしての取り組みも、でっかい夢をかなえるためには甘いんだ。
私の本気が足りないから、ペアの心に届かないんだ。
チアダンを見てから、チームに対して考えを変えてやっていることはあるけど、それまでが甘かったから結局こういう全国レベルで出てしまう。
愛香が全国レベルで戦えなくなる、この問題は自分もかかわるべきだ。エースとして格上と当たってすぐ負けるようじゃダメだ。
こうして、また「変わらなくちゃ」なんて言ってるから、ダメなんだけど、でも、今回は今までと違って「こんな自分を…」というより、今取り組んでいることを本物にしていくこと、そう思える。
私自身は、この私学大会、メンタルがおかしくなったというよりも、すべきことの整理をさぼっていて負けた。雑だ。
自分への全国大会からのラストヒントは、
・技術、戦術の整理
・相手の心を読み切るタクティクス
まだまだ勉強が足りないんだよ。本当に。
自分の雑ミスは、心の問題ももちろんあるけど、テニスの勉強、技術、戦術の日ごろのメンテナンスが大きいんだよ。
県総体まで、あと70日。
自分にできること、ペアとして取り組むこと、チームに対してやること。今の取り組みを充実させる中で、進化しよう。
(4月1日)

5月の連休の最後に、今年のインターハイ会場の会津総合運動公園で研修大会がありました。
予選を終え、決勝を文大杉並高校と戦うことになりました。昨年3冠、王者の文大です。
真夏にここで咲くでっかい向日葵の種をこのコートに蒔いてこい、そう言って送り出しました。
砕け散りました。木っ端微塵とはこのことです。
スピード、力強さ、正確性、そして何よりも気の強さが桁違いでした。
エース鈴木・保科はオーダーで、文大の3番手、1年生ペアと当たりましたが、またしても鈴木が戦わずにリードされ、その後開き直って打ち合いますが、怯えた保科が気持ちで負けてしまいました。

今年のインターハイ会場に、私はヒマワリの種を蒔けなかった。
決勝、文大の1年生に戦わずに終わった。しかも1年生だ。
序盤・中盤は、また愛香が打ち切れない。
それでも、G1-2から生き返ったのに、自分は全くなにもできない。ただただ、それまでの相手とは全く違うスピード、ボールの力、テンポの速さ、それに怯えた。小さくなった。
抜かれているわけではない。なのに気持ち的に自滅した。レシーブミス、WF、サーブレシーブが乱れ、もう戦いじゃなかった。
私は何に怯えているのか。
準決勝までの相手だってインターハイ常連だけど、全く問題なかった。
決勝の文大、トップ校のテニスにひるむ。
文大という名前にひるんでいる、先生はそう言う。
私の中の薄っぺらな部分、自分に甘いところ、すぐ言い訳するところ、人の目を気にするところ。
相手が強ければ強いほど、向かっていった田辺・岡村先輩のような、フラットな心がほしい。
もう一度、自分を見つめなおそう。
「自分と契約しているコーチを変えろ。」先生にはそう言われた。
選手は指導者のほかに、自分の中だけにいる「個人契約コーチ」を持っているという。
OKラインの低いコーチ。厳しさを課さないコーチ。言い訳を流してくれるコーチ。
私が契約しているコーチは、私に優しく、ぬるいコーチだ。
あと80日後には、ここでインターハイだ。
自分の薄っぺらさをもっと自覚しよう。
(5月7日)

なぜ、向かっていかないのか。トップに対してのこのひ弱さはどこからくるのか。
2年前のエース、田辺・岡村は違いました。相手が強ければこちらのエネルギーレベルも上げて挑んでいきました。格上との戦いを楽しんでさえいるようでした。
小技やかわすテニスで勝機を見いだすのではなく、真っ向勝負で戦う心、それを「フラットな闘志」と名付けました。
「フラットな闘志」が君たちには欠けているのだよ。
チーム北越で向き合ってきた日々は本物だ。
文大にもどこにも負けない。誇りをもっていい日々だ。
それなら、なぜ臆する?
自分の培ってきたすべてをフラットにぶつけて戦ってみろよ。
自分や仲間やチームを信じて、大きなものに挑みきってみろよ。
その結果、勝っても負けても清々しいじゃないか。

ただ、保科がこうして向き合ってきた「薄っぺらさ」、その日々は決して薄っぺらいものではありませんでした。
秋~冬~春、季節が移りゆく中、保科の心も技術も磨かれていきました。何よりもリーダーの自覚が確かなものとなりました。

県総体直前、鈴木のノートにはこう書かれてあります。

チーム全体に「本気」が感じられることが多くなってきました。
先生も言っていましたけど、私も教室で遠く離れたコートからハッキリ二人の声が聞こえてきました。
葵(保科)となつき(田辺)です。
文大戦の負けから、少しずつ変わりはじめていると思います。
県大会が近いから、ではなく、文大に惨敗したから、葵やなつきの心はきっとそうだと思います。
葵はミーティングで、チームはまだまだ気が足りないと強く伝えてくれた。
球出しであっても、あれほど気を込めて一球一球ボールを打つ部長を見て、私も頑張らなきゃと思います。
まだまだ、キャプテンの私も足りないなと思いました。
「逃げずに!」「堂々と!」「正面からフラットに」ぶつかっていく!
(3年 鈴木愛香)

H29 県総体03H29 県総体02H29 県総体04

県総体を見ていた方から、こんなことを言われました。
「今回、鈴木は保科に助けられたな。苦しい時に、保科は基本的なことをミスなく完璧にやった。あんなテニスをやられたら、敵はどうしようもない。」

H29 県総体13H29 県総体05H29 県総体10


DREAM FACTORY 2016 冬

1年生が真冬のドームに蒔いた種
全国選抜連続出場ならず
H29.1.13〜15 石川県小松市こまつドーム

<団体戦>
北越 ②-1 武生(福井)
北越 1ー② 七尾 (石川)
北越 ③ー0 高岡商業(富山)
北越 ②-1 上伊那農業(長野)
3勝1敗で2位校リーグ2位

H29 北信越選抜04

負けた夜、2年生が口々に「この負けから何を学ぶか」「失敗からまた強くなるしかない」と話している自主ミーティングを遮ったのは、1年生の前山でした。
「負けから学ぶ、負けから学ぶ、って、もう十分負けてきたじゃないですか。今回の大会はこのチームで戦う最後の北信越だったんですよ。今回は負けられない戦いじゃなかったんですか。もう失敗はいらないです。私はもう、負けから学ぶチームじゃなくて、勝利を積み上げていくチームを作りたい。」
上級生たちの顔色が変わりました。そこからミーティングは大きく流れを変えました。
清々しい勇気ある発言だったと思います。

前山はこのチームが好きなのです。誰よりもこのチームで最後まで戦いたいと思っている。
実際、彼女は団体戦に強い。この1年間、前山がこの一年間団体戦で負けたのは、暮れの県選抜の決勝ただ1試合だけなのです。ベスト8に入賞した岡山インターハイでも全勝。和歌山信愛にゲームカウント2-2と互角に競り合いながら、途中で先輩たちが敗退して途中打ち切り。負けた県選抜も終盤は高い集中力を維持して戦いながら、ペアの保科の方が耐えきれずにゲームセット。
前山は鈴木を尊敬しています。アスリートとして、人間として、ライバルとして、自分が追いつくべき目標の人です。だからこそ、エース鈴木・保科が勝負所で、敵に、夢に、向かっていけない姿が口惜しくて仕方なかったのだと思います。
隣でエースが敗れてチームの七尾戦敗退(全国選抜出場の自力出場が消滅)が決まった後、彼女は涙を振りしっぼって戦いました。敵チームが自分にぶつけてきたエースに怯むことなく、逆転で1勝をもぎ取りました。
「私たちだけでも意地で絶対に勝とうね。」
そうペアの田辺と誓って戦ったのだそうです。

H29 北信越選抜01H29 北信越選抜02

歴史を作った去年の夏。それゆえマークされてもはね除ける強さが求められる今年の戦い。
チーム北越が初めて経験する道です。
「失敗から人は一番多くのことを学べる。」
「一度も失敗したことのない者は、一度も成功することはない。」
多くの格言は失敗の重要性を強調しますが、それを弱い自分のエクスキューズ(言い訳)にしているのではないか。1年生の前山は直感的に今のチームのヌルさに気づいたのかもしれません。
昨年の全日本皇后杯で3位になった成田さんが、暮れに挨拶に来て伝えてくれたこと、もう一度かみ締めてごらんよ。
「夢を叶えたいのなら、それが周りから見たらあり得ないと思うような夢だとしても、絶対に叶えたいって誰よりも強く思うこと。そしてすぐに結果が出なくても諦めないで努力しつづけること。」

1年生が意地で勝ち取った1勝、そしてその夜に勇気を出してチームに伝えたこと。
それが、凍てついたドームに蒔かれた、夏花の種だと信じたい。
チーム北越、チーム鈴木、針路を東へ! 真っ直ぐに夏へ!

北信越個人は鈴木・保科で2年ぶりの優勝杯奪還
前山・田辺が3位入賞
H29 北信越選抜05H29 北信越選抜06H29 北信越選抜07

県選抜団体 逃げの心で優勝逃す

<団体戦>
準決勝 北越 ②-0 中越
決 勝 北越 1-② 長岡商業
    
<個人戦>
優 勝 鈴木愛香・保科葵
2 位  前山愛・田辺なつき
ベスト8 阿部瑞希・木村美月 

団体では恥ずかしい決勝を演じてしまいました。第1対戦の前山・保科が長岡商業のエースと長い試合になりました。第2対戦と第3対戦が先に終わり1勝1敗の三番勝負の形になりました。雁行陣でうまくいかず、平行陣に下げて挽回していきましたが、最後は持久戦になりました。ただ相手のコートにボールを返球し続けるミス待ちテニス。
たとえそれが100球続こうが200球続こうが、同じことです。
あれは戦いではない。チーム北越が培い、目指している方向とは真逆のテニスになってしまいました。
心が奪われていました。もうああなってしまうと、攻めることが自滅になります。
最後は1年生の前山ではなく、保科が狙われました。
ストレスが強くかかる場面で、いかに冷静にファイトできるか、自己ベストを発揮できるか、アスリートの強さとはそこに尽きると思います。
地道に、誠実に、戦う心を毎日養いなさい。
最後の1年、妥協することなく自分を高めること、コツなどありません。近道もありません。真っ当に着実に歩みなさい。
3年の強さは、決して自らに妥協しない責任感の強さですから。それが重荷を背負った時に発揮できる強さですから。
それを最高の笑顔でやりきること、それが北越らしさだったよね。

1月3日 初打ちと恒例のお雑煮会
1月3日に新年お雑煮会を初打ちの後、北越高校ランチルームで保護者会の皆さんが開いてくださいました。
今年も県内各地域のお雑煮の食べ比べを楽しむことができました。味噌仕立てのお雑煮、初めてごちそうになりました。
保護者会の皆さん、ありがとうございました。
今年も自家製のお餅を提供してくださった小林さん(卒業生小林すみれさんのご実家)、ごちそうさまでした。
在校生のお笑い芸で初笑い。即興にしては中々だったよ。
卒業生からの言葉は、毎年深いですね。心が洗われます。
風邪による発熱で参加できなかったどんぐり北広島の田辺恵理さんも、夕方、練習ラストがかかってから「気迫で熱を下げて」駆けつけてくれて、鈴木や前山と全力乱打してくれました。
さすがです…
H29 初打ち02H29 初打ち01H29 初打ち03

今年も、DREAM FACTORY 北越高校女子ソフトテニス部、精一杯のドラマを創りますので、よろしくお願いします。

年末のGREAT TOPICS
鈴木愛香 全日本U-17選手に、そして卒業生 田辺恵理さん ナショナルチームのメンバーに、それぞれ選出!

さて、昨年の暮れに北越高校全体のトピックとしてニュースにしていただいたものをここに再掲します。
田辺恵理さんに続く北越からの全日本選手です。同じ巻出身で恵理さんに憧れて北越に来た鈴木ですが、先輩と同じ高みに鈴木も登ることが出来ました。その同じ時に、目標の恵理さんはナショナルチーム入りを果たしました。先輩の切り拓いてくれる道、それが後輩の目指す道になる。確かに登っていってほしいと思います。

本校二年 鈴木愛香さんがソフトテニス競技の全日本U-17選手に選ばれました。
 鈴木さんは、11月末に宮崎市で行われた最終選考合宿に於いて高い技術と優れたフィジカル能力を認められ、日本代表の一員として選出されました。
同合宿は4日間の日程で行われ、基本パフォーマンスの精度、フィジカルの強さ、そして実際のミニ大会(ジュニアJAPANカップ)を通じて、シングルス及びダブルスのゲーム展開能力を精査されました。
 今後一年間、鈴木さんはアンダーJAPANの代表として年に数回の強化合宿に参加し、国際大会への出場も見込まれます。頑張ってください!!
皆様、応援をよろしくお願い申し上げます。
鈴木愛香 01

また、本校を2年前に卒業した田辺恵理さんが、同じくソフトテニスの最終選考合宿を経て、ソフトテニス ナショナルチームのメンバーに選出されました。
 田辺さんは現在広島県在住。「どんぐり北広島」チームに在籍し、全日本社会人大会2位全国クラブ選手権優勝と社会人2年目にして輝かしい活躍を収め、今回の最終選考合宿での高いパフォーマンスを評価されて、ナショナルチーム入りを果たしました。
 来年のアジア大会で大活躍して欲しいですね!
 田辺さん、北越魂で夢の金メダルを!! 応援しています!
田辺恵理 シングル1位


DREAM FACTORY 2016 秋

二つの秋のGREAT NEWS!
その1 日本代表最終選考合宿に北信越ブロックより
U-17女子 北越から3人独占選出!

・・U-20代表として、松浦明彩加も参加決定!

ステップ3入賞
石川県で行われた「ソフトテニス競技 競技者育成プログラムSTEP3 北信越ブロック代表選考会」において、U-17女子のカテゴリー(中学三年生~高校二年生)で、北越高校から、3名(鈴木愛香、保科葵、田辺なつき)が選出されました。11月末に宮崎で行われる日本代表最終選考合宿及びジュニアジャパンカップに参加することになります。
北信越ブロックからは、日本代表最終選考合宿(STEP4)へ3名の枠があるのですが、ソフトテニス王国石川県や強豪選手を有する富山県の代表を退けて、枠のすべてを北越高校の選手が独占することになりました。これは、この制度が始まってから新潟県として初の快挙です。
参加者の中には、中学時代に全中に出場したり、全国大会で入賞したりした選手が何人もいる中で、保科は高校に入ってから前衛に転向した選手、田辺も中学時代は県内でもほとんど無名の地区大会レベルの選手で、このように中学時代に全国で活躍できなかった選手が、チーム北越で力をつけて日本代表になるチャンスを得ることができた、ということを何よりも嬉しく思います。(鈴木は全中ベスト8)
この日本代表選手を全国から発掘する競技者育成プログラムにおいては、単に大会で結果を残すだけではなく、ソフトテニスの基本プレーの的確さ、身体の正しい使い方、フィジカル(体力、敏捷性)の強さ、組んだペアとのコミュニケーション力、そして敵の特徴を読みゲームに生かす力が試されます。
チーム北越から、田辺恵理(H27卒業)に続く日本代表が生まれることを楽しみにしています。
また、U-20のカテゴリーに3年の松浦明彩加も参加できることになり、卒業後もテニスを地元で続ける意志を持っている松浦には自分のテニスの幅を広げることができるチャンスになりますね。臆することなく精一杯自分を表現してきてほしいと思います。

その2 DREAM FACTORY(TEAM TSUNO)の卒業生、
成田悠・小林優美ペアが全日本選手権で銅メダル獲得!

narikoba 01
narikoba 02narikoba 03
感動しました。素晴らしい戦いぶりでした。「タクティクスで勝つ」その典型のような勝利の連続でした。実績も実際の打球力や運動能力も敵の方が上、という相手との対戦が続きましたが、成田さん小林さんは、緩急をつけ、弱点や隙を見抜いて攻め続け、日本リーグ上位の実業団選手を次々と倒していきました。
成田さん小林さんは、僕が北越に来る前に勤めていた時の巻高校の卒業生です。二人は高校時代(成田さん3年時、小林さん2年時)、青森で行われた全日本皇后杯でベスト8に入りました。大きなニュースになりました。実際に全日本を戦った人ならわかるのですが、全日本ベスト8に高校生が入るというのは、ある意味インターハイ個人優勝より難しいかもしれません。8年前のあの時も、無名の公立高校生が大学生や実業団ヨネックスのレギュラー選手を破る番狂わせを演じ、2日目最後の試合は実業団東芝姫路のキャプテンペアを倒しての堂々たるベスト8入りでした。戦術力を駆使して戦う二人には9ゲームの方が合っており、格上の選手たちとの戦いを楽しんでいるかのようでした。二人はその後、関東の大学に進み、社会人になってからペアを再結成して、今年から愛知のアドマテックスさんにお世話になっています。
「チーム北越」にも毎年顔を出して選手達を応援、指導してくれています。
長く新潟の国体チームの中心選手としても活躍し県にも多大な貢献をしてくれた新潟県の宝です。
二人に送った「おめでとうメール」の返信に、「準決勝で負けて二人で悔しくて涙を流しました」とありました。「もっともっと努力してテニスの幅を広げないと頂点には届かないのですね」ともありました。
素晴らしいアスリートだと思います。
こういうアスリート魂を持った選手が県外へ出ずに育ち、全国のトップを目指して努力を続けているという事実は、我々にとても大きな勇気と希望を与えてくれます。
成田さん、小林さん、改めて、おめでとう!
そして、これからの活躍を楽しみにしています。
また、北越のコートにも是非遊びにくてくださいね。

北越高校の卒業生、どんぐり北広島の田辺恵理さん(田辺さんは今年の西日本選手権で2位、全日本社会人でも2位という素晴らしい成績を残し、来年1月の全日本インドアに出場が決まったそうです。おめでとう!)、ダンロップの岡村葵さん、太平洋工業の小林すみれさん、そして現北越高校のコーチ山本さんも頑張っていました。納得のいかない部分も多かったと思うけれど、まだまだこれからだよ。応援しています。
現役高校生として出場した、3年:松浦明彩加・大原未来、2年:鈴木愛香・保科葵の2ペアは初戦敗退でした。こっちも、まだまだこれから。全日本に出場することでしかわからないこの競技の最高峰のスピリットを君たちは感じ取ってきたのだから、それも自分の目指すテニスをバージョンアップさせる力にして、これからまた、ここDREAM FACTORYで磨いていこうな。
全日本03全日本01全日本02

さて、全日本にほぼ毎年参加させてもらって思うことがあります。
この競技には「ノーブレスオブリージュ」という意識は全くないのか、と毎年がっかりします。ノーブレスオブリージュ=地位や実績が上の者はその高さに応じた責任がある、と言えばそれほどズレないでしょう。
まずベンチワーク禁止の件です。天皇賜杯・皇后賜杯 全日本選手権大会、本物の日本一を決める大会と競技団体は位置づけています。社会人、大学生、高校生、中学生のトップ選手が集まる最高峰の大会で、ベンチワークは禁止されていますが、どれだけの監督・指導者、選手が守っているのでしょう。コート主任は完全に見て見ぬふりですし、実業団と高校生が試合をしていて実業団選手が堂々とベンチワークを受けてうなづいています。一方で高校生が選手二人だけでコートで先に待っているケースさえある。僕はこの件に関しては、競技団体がルールとしてそれほど重視しないのであれば、ベンチワーク可とすればいいじゃないか、と思います。バドミントンや卓球のオリンピックをみてもセットの合間のベンチワークは認められています。ソフトテニスもダブルスを中心に指導者と三位一体で戦うというスタイルで発達してきたわけですから、国内大会については「可」としたらいい。どうしても国際大会の個人戦に準ずるというのであれば、「最高峰の大会」ですから、マナーではなくルールとしてきちんと守らせるべきです。ルールを守っている方が馬鹿を見る、そういう競技はスポーツとして駄目でしょう。
次に前日の会場練習について。毎年、前日にすべてのコートをフリー開放していますが、地方の高校生が1ペアか2ペア参加して、なかなか練習できないのが実情です。「譲り合って」と主管は言うのですが、譲らない譲らない(笑)。去年はうちの選手は「交代お願いできますか」と丁寧に申し上げたのですが、その社会人の女性から「ダメ」と言われたそうです。また、JAPANの選手や実業団選手が固まって練習しておれば、そこに勇気を出して「交代お願いします」とは普通は言えないでしょう。連盟は中学生や高校生にマナーブックを配ってマナー向上を呼びかけていますが、「実績が上の選手」のふるまいはとても「お手本」にできるものではない。どの選手も会場で可能な限り練習したい。だとすれば平等性について主催者が配慮し工夫できることはいくらでもある。ただ「前年踏襲」でやっているから、選手のためによりよい環境整備ができないのではないでしょうか。
「最高峰の大会」ならば、技術やだけでなくルールやマナーも最高峰、そう言える大会にするために、競技団体はもっと創意工夫が必要ですし、競技者も特に「大人」がノーブレスオブリージュの精神でこれからこの競技の未来を背負う「若者」に確かな姿を示すべきでしょう。
しっかりしようぜ、ソフトテニス!

さて、秋も深まってきました。
来年の会津インターハイに向けた新チームの、秋の諸大会の結果を報告します。

第3回AIZUカップ 10月8日~9日 会津若松市総合運動公園テニスコート
団体 優勝
この大会は、来年の南東北インターハイのソフトテニス競技において開催県や近隣県の代表選手の活躍を期して3年前から行われているものです。北越高校は毎年招かれていましたが、今回が初優勝となりました。秋の未完成なチーム状況がくっきりと出る大会で、とても有意義な団体戦の大会です。近隣の県上位の学校が集まる中で、鈴木・保科、前山・田辺の安定と3番手の強化を目的として戦いました。3年生が抜けた後、チームの柱としての2ペアは力強く全勝で戦い抜きました。これは決勝の緊張感漂う対戦を3番手に経験させたいというチームの願いを4人がはっきりわかっていたからだと思います。3番手には1年生の阿倍瑞希と木村美月のペアを試しましたが、阿倍の戦術力不足と木村の基本プレーの精度の低さから、まだまだ各県の上位と戦うレベルまではいきませんでした。チームとしても大きな課題をもらって来ました。

県新人選抜大会 10月15日~16日 上越市総合運動公園テニスコート
シングルス
優 勝  鈴木愛香
2 位  保科葵
3 位  前山愛
28 県新人
今年の県新人は、1日目のダブルスで力を出せず、2日目のシングルスは心を引き締めて上位独占でした。
ダブルスは上位2ペアが下位シードに敗れ去りました。
鈴木・保科、前山・田辺には「今回はベンチコーチに入らないので、自分たちで状況を読み、ピンチには適切な対応を考えて対処して戦ってごらん」という課題を与えました。次の週に参加する全日本選手権ではベンチアドバイスが禁止されています。実業団や大学の一部リーグの選手たちと戦う以上、ベンチコーチが当たり前の高校の試合から自立していないとピンチにおけるリスクマネージメントができないのです。最終的には力のある選手は全国で勝てる力をつけてやる、特に全日本で勝てる選手を高校生の時から意識して育成していきたいと考えています。チーム北越が大事にしていることの一つに「自主性」があります。これまでも、この大会においては力のあるペアをあえてバラして下級生と組ませて負荷を与えるというようなトライを試みていましたが、今回は「ピンチにおいてベンチワークをしない」という負荷をかけてみました。
2ペアとも前週のAIZUカップでの戦いぶりもあり、また9月の秋の地区大会で前山・田辺ペアが県内大会1年以上無敗の鈴木・保科に土をつけるというドラマがあって、両ペアとも決勝での再戦に燃えていました。そこが落とし穴です。県内だからこそ、打倒北越で皆向かってくるのです。
いい学びをさせてもらいました。
勝って学び、負けて学び、喜びの中から学び、悔し涙の中から学ぶ。
人生、学びの旅です。
「学ばせていただいた」この気持ちを大切に、また1年、さらなる「本物の強さ」を築いてほしいと思います。

秋季新潟地区大会 9月8日~9日 新潟市庭球場
ダブルス
優 勝  前山愛・田辺なつき
2 位  鈴木愛香・保科葵
3 位  庭野真李・木村美月
※ 1年生庭野・木村 高体連の公式戦、初賞状! おめでとう!
28 秋地区0228 秋地区01

シングルス
優 勝  鈴木愛香
2 位  前山愛
3 位  保科葵


DREAM FACTORY 2016 盛夏(岡山インターハイ)

岡山IH 団体5位入賞!
ようやく見えた団体の頂上
「次は 絶対…」

IH01
IH36IH27IH34

平成28年度 岡山インターハイ (7月28日~31日 岡山県備前テニスセンター)
団体戦
1回戦 ③-0 大村(長崎)

 松浦・大原 ④-3
 鈴木・保科 ④-3
 前山・田辺 ④-1
2回戦 ②-1 白鴎大足利(栃木)
 鈴木・保科 ④-2
 松浦・大原 2-④
 前山・田辺 ④-2
3回戦 ②-1 須磨学園(兵庫)
 鈴木・保科 ④-2
 松浦・大原 2-④
 前山・田辺 ④-3
準々決勝 0-② 和歌山信愛(和歌山)
 前山・田辺 (途中打ち切り)
 鈴木・保科 1―④
 和田・猪俣 1―④

困難で急峻な上り坂が目の前に続いています。
真夏の太陽が容赦なく照り付け、息も上がって心拍数も限界を超えて、それでも急な坂は果てしなく続いています。
3回戦、インターハイ団体ベスト8まであと一つ。1-1で3番勝負。相手は運動能力の高いベースライン平行陣。こちらは2年の田辺なつきと1年の前山愛のペア。前山はフィジカル面でまだ強化しきれておらず、動かされ続けるとミスが目立ちます。頑張ってラリーを続けるのですが、G1-3、追い詰められました。その時、不思議なことに、僕の脳裏には砂漠の中の白くてまっすぐな上り坂のイメージが現れて消えません。戦っている二人、ベンチ、応援団、その中の誰か一人でも、「苦しすぎるから、この辺でもういいんじゃない」って思ってしまったら、負けていたんだと思います。
春の選抜や秋の国体では上位入賞を果たせても、夏のインターハイで勝てませんでした。夏に勝つことを目標にしてチームを作ってきました。
ようやく、その壁を乗り越えることができました。
諦めずに1球1球戦い尽くしてくれた選手たち、このチームの夢に力を貸してくださっている全ての方々に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
IH12IH18IH19

終わってしまった。
でも、去年と違って悔いはない。
やり切った。やり切ったけどかなわなかった。
私は1年ぶりに皇子先輩(去年の卒業生)と一緒に戦った。
1年前の悔し涙(2015盛夏 参照)を忘れずに、この1年間を生きてきた。目標は決勝で文大と戦って勝って日本一、だったけど、その前に和歌山信愛に負けた。
団体戦、苦しい戦いが続いた。本当に今日の戦いは苦しかった。1回戦、2回戦共にエース対決だった。相手にも意地がある。意地と意地のぶつかり合い、それがエース対決だ。
「苦しかったら、今までやってきたことを思い出して!」それは私がチームに言ったことだ。だから、苦しい時、思い出した。今まで弱い自分と向き合い続けてきた日々を。
この1年間の日々が私を強くしてくれていた。去年は1勝もできなかったIH団体で、何度も苦境を乗り越えて勝利できた。
信愛戦、3面展開で行われた。エース対決、よっしゃ!って思った。
1G目、P3-1。でも取り切れない。アゲインでWF。中盤、高速中ロブでバックを攻められた。返すのがやっとだった。あっという間にG0-3。チェンジサイズのベンチで先生から「エースが一番先に負けんな、コラ!」って言われて、ハッとした。左右はG1-2。粘っている。戦っている。このまま終わるもんか!って気合を入れなおした。P4-0で1G返してG1-3。でもそれまでだった。
前山・田辺はG2-2。互角に戦っている最中だった。最後まで試合をさせてあげられなかった。それが一番悔しい。
来年は、4人が核になって、今度こそ日本一取りに行こうね。
戦いが終わって、気が付くともう夕暮れだった。
丸1日、このチームで全国を戦えたんだ。
嬉しかった。
みんなついてきてくれてありがとう。3年生、1回戦のファイナル勝ち、今までとは違いましたね。姿見せてくれてありがとうございました。
今はっきりと言える。私たちチーム北越が今までやってきたことは苦しい道のりだったけど、確実に日本一へ近づいている正しい道だ。
絶対に何事からも逃げないぞ。先生、チーム、先輩を信じて、この「誠実な道」を貫いていこう。
さっき、皇子先輩に報告しました。
私たち、これからです。
さあ、1年後、福島インターハイで、今度こそ日本一!
(2年 鈴木愛香)

IH14IH08IH07

愛(前山)は、個人戦とは別人のようだった。(前々日の個人戦ではリードしながらも二人の単純なミスで戦いを降りて敗退)
今までと違って愛が自分からたくさん声をかけてくれた。「ここ取りきろうね」「力抜いて。大丈夫。」「よっしゃ、挽回ね!」
でも、ミスが続くと全然目を合わせなくなる。また子供が出る。だから、「こっち見て」って言って、愛の目の奥を見る。
ミスへのイラ立ち、でも負けたくないという気持ち、複雑な感情がそこにある。
まっすぐに目の奥を見続けて、そこへ言葉をかける。
「みんなついてるから。二人で一本とりにいこ! 気持ち一つにして攻めよ!」
強気な言葉をかけ続けた。
苦しい場面でも、今日の愛はALL攻めを貫いてくれた。
愛、一緒に戦ってくれてありがとう。
準々決勝の信愛戦は3面展開。
鈴木・保科との試合前のハイタッチはあえて最後にした。目標の「決勝で文大と勝負する」までに、ここが一番厳しい戦いになると思っていたから。
二人とはハイタッチして、手を強く握り合った。
「信愛に勝ちに行くよ」そう誓い合って、それぞれの戦場に向かった。
信愛戦でも愛は互角に戦い、二人で一本の得点が多かった。
G2-2になった所で、他の2面がほぼ同時にゲームセットになり、私たちの試合は打ち切りとなった。
去年とはまた違う悔しさを残して、戦いは終わった。
信愛、負けたけど、そんなに差はない。
チーム力、チームとしての誠実さは、負けた信愛よりも優勝した文大よりもある。
私は誓える。私たちのチームは、どこのチームよりも誠実だ。本当に誇りに思う。
苦しい場面では、何度もベンチ見た。みんなうなずいてくれる。大丈夫、みんなついてるって思う。心一つにして戦うってこういうことも言うんだな。
試合が終わって、「なつき、愛、ごめん…」そう言われた。
私も悔しくて悔しくてたまらない。
最後の挨拶に並んだ時、先生が近寄ってきてくれて、ギュッと強い握手をした。
言葉は何もなかったが、先生の「次は絶対…」って思いが伝わってきた。
私は今まで、3年生と組んで、3年生の最後の大会という大会をすべて私のせいでつぶしてきた。本当に、今までごめんなさい。
今回の団体戦で、少しはその恩返しができたかなと思う。
今年の日本一を目指した戦いは5位で終わった。
とうとう、私たちのラスト1年が始まるんだ。
今日の悔しさもエネルギーに換えて、次こそ絶対…
(2年 田辺なつき)

IH11IH09IH10

1,2年生で県大会を勝ち切り、岡山インターハイに臨みましたが、2ペアだけで勝ち切れるほど、インターハイは甘くありません。どうしても3年生の奮起が必要でした。監督としてできることは全てやりつくして後は選手を信じて一緒に戦うだけ、となった夜のこと、宿舎の床についてまどろみかけた時に携帯が光りました。こんな深夜に誰からだろうと開けてみると、3年の松浦からです。
「先生、外に出てイメトレ(イメージトレーニング)してたら、玄関の鍵閉められちゃったんです。すみません。何とかなりますか…」
消灯時間を過ぎても、自分で納得いくまで外の暗闇でラケットを振っていたのです。
配宿は播州赤穂でした。去年の自分、県大会やブロック大会の自分へのリベンジ、そして恩師や親への思い。ここにも赤穂浪士がいたか…、と胸が熱くなりました。

2回戦、シード校の白鴎大足利。
去年はこの段階で負けて終わった。
去年のリベンジということもあり、みんな燃えていた。
だけど、自分たちはまた勝利に貢献できなかった。
1回戦で1勝できたことで、また少し安心した。
だから、クソ試合をした。
応援席はどんな雰囲気だったんだろう。みんなががっかりするようなミスの連発。心が引けて腰が引けてゲームセット。
本来ならここで自分の3年間は終わりだった。こんなクソ試合で終わりだった。
実際、もう交代だろうって思っていた。
だけど先生は、またチャンスをくれる。
ベスト8をかけた須磨学園との試合前、岡崎に喝を入れられた。
また、人から言われてなのか…
でも、実際ぐっとくる。目覚める。
もうやり切るしかない。本当のラストチャンス。
覚悟決めてコートに立った。
相手は敵のエース。
勝てた試合だった。
G2-2でアドバンテージ。そこで自分がWF。勝ち急いだ。自分はここだったと思う。それから未来(ペアの大原)の固執。「そのコースは敵が張ってる」そう伝えたけどストップかからなかった。かけられなかった。
チームとして自分たちがここを勝ち切れていたら、どれだけチームは盛り上がり、一つになれただろうか。そう思うと本当に悔しい。
ただ、自分としてはあのWF以外はベスト出せたと思う。
負けた後、隣のコートで勝利して応援してくれていた愛香(鈴木)がハイタッチしてくれた。何を思ってしてくれたのだろうか。そして3番勝負、なつきと愛はG1-3からの大逆転でチームをベスト8に導いてくれた。
朋恵先生には、自分たちが敵のエースと互角に戦ってくれたから、敵の2番3番を倒せた、チーム全体の勝利につながっているんだよって言ってもらえて、少し自信持てた。
準々決勝、最後の信愛戦は栞璃(和田)にバトンタッチ。私がベスト出すまで声をからして応援してくれてありがとう。今度は自分が全力で応援する番だ。
5位の表彰式。立派な表彰式だった。やっぱりこのチーム最高だった。
そして何より、最後まで信じつづけてくださった先生。もうさすがにないよなって、自分が諦めかけているのに先生は私の復活を信じてくださった。今回も自己ベスト出すまで出させていただいた。本当に、今まで、何度も何度も、自分のために、自分を見捨てずに、何とかしようとしてくださった。クソ試合をしても、がっかりさせるような行動やプレーをしても、先生は最後まで…。本当に感謝しています。
きっと、他の強豪校とかだったら、絶対に途中で替えられて終わっていたんだろうな。
朋恵先生にも本当に感謝しています。
団体戦の前日、夜行で岡山に来てくださって、鈴木・保科の個人戦の応援ではなく、別コートの私たちの練習にエネルギーを注いでくださった。たくさんの言葉をかけていただいた。
こんな弱い自分に、いろんな人が力を貸してくれた。家族だって、自分が出るかどうかもわからないのに岡山まで応援に来てくれた。厳しい場面で自分に負けずにポイントして、ベンチやお父さんお母さんに向かってガッツポーズをする、そうやって戦うイメージを前の日の夜から何度もつくった。お父さん、お母さん、家でも厳しかった。でもだからこそ力になった。そしてIHの最後の舞台で一緒にガッツポーズを何度もできたこと、幸せでした。
今、振り返ってみると、本当にたくさんの人に支えられ励まされ続けた3年間だった。最後は、そうか、こんな気持ちなんだ。ここまで自分の夢を支えてもらっていたんだ。本当に感謝しかありません。
3年間が夢の舞台そのものでした。
ありがとうございました。
(3年 松浦明彩加)

IH16IH15IH02

今日一日、日本一目指して、一つになって戦った。
1~3試合目は、ベンチだった。
私たちの戦いはただの勝ち負けじゃない。
大事なのは、皇子先輩のようなガッツある元気・気迫、常に攻め続ける一歩も引かない姿勢、そういう北越らしさを貫くということだ。
ベンチから見ていて、みんなそういう姿で日本一を取りにいっていたと思った。
そして和歌山信愛戦。先生に「和田、行くぞ」と言われた。
私たち、貝瀬たちとやっと戦えるところまで来た。
3年かかって、地道に力つけて、大会でしっかり勝ち上がっていって、貝瀬と勝負する所まで来たんだ。
県外から選手を集めるエリート集団。私の相手は、全中チャンピオンの2年生の下江、3年生エース前衛の古田。
絶対に負けるもんか、そういう気持ちでコートに入った。
序盤はお互いの小さなミスもあり、G1-1。中盤も長いラリーが続く。決してかなわないというわけではないが、自分の何でもない一つのミスが大きかった。そして後半は猪俣がスマッシュを狙いに行くがそれを逆にフォローポイントされたり、中間ポジションの甘い所を突かれたりして、少しずつリードを広げられていく。
本気で勝ちに行って自己ベストで戦ったけど、結果はG1-4で敗退。とても悔しいけれど、信愛相手に自分はすべてを出し切った。
猪俣は得意のスマッシュをどんどん狙いに行った。アプローチのミスはなし。サーブも100%。自己ベストだろう。ありがとう。
私はIH直前でストロークがおかしくなった。当日朝の練習でも決して本調子ではなかった。でも本番の試合では先生やボール出しをひたすらしてくれた柳先生、昨日駆けつけてくれて練習に付き合ってくださった朋恵先生を信じてラケットを振り切った。面が薄いとか、フラットじゃないとか、1本もない試合、3年になって初めてかもしれない。だからといって勝ったわけじゃないけど、面厚く、ボールに魂を込めて打ち切れたこと、最後の最後で、私人間的に成長できたかなと思う。そして北越らしさ。信じる心、誠実に一球一球に魂込める。これが全国の舞台でもこうして立派に通用するんだ。
Child、チームを作れない3年…いろいろあったけど、北越に来て後悔したことは一度もない。
そして今日も思う。
一人ひとりのことをちゃんと考えて最後まで成長させてくれる。それがチーム北越だ。
こんなチームで3年間過ごすことができて、本当に幸せだった。
お父さん、お母さんにたくさん心配もかけた。
たくさんの人からもらった「恩」、それをこれから一つひとつ返していきます。
今までありがとうございました。
(3年 和田栞璃)

IH20IH21IH22

選手たちは今回の5位に満足していません。
3面同時展開で、一番競って戦っていた前山・田辺の試合を途中打ち切りにさせてしまったこと、キャプテンの鈴木はそこを一番悔やんでいます。
来年の夏へ向けた歩み、この和歌山信愛戦の負けがスタートです。
「雪国から地元選手で団体日本一」長年のチームの夢、また頑張ります。これからもよろしくお願いします。
IH23IH24IH25

※番外編

今年のサプライズTRIPは、瀬戸内海に浮かぶ小豆島へ行ってきました。
「二十四の瞳」って言っても、誰もわかりませんでした(笑)。テニスも人格も、そして教養も深めような。
IH28IH29IH30IH31IH32IH35


DREAM FACTORY 2016 初夏

3年生 深い絆で戦った北信越
北信越総体 団体・個人ともに銅メダル

H28.6.17~6.19  富山県 高岡市スポーツコア

北信越02

<団体戦>
1回戦  北越 ③-0 七尾(石川)
2回戦  北越 ②-1 高岡商業(富山)
準決勝 北越 0-② 金沢学院(石川)

個人戦は 2年鈴木・保科が3位!
新潟県として3年ぶりのベスト4

北信越01
<個人戦>
【大原・岡崎】
 1回戦 シード
 2回戦 ④-1 高岡西(富山)
 3回戦 2-④ 金沢学院(石川)
【前山・田辺】
 1回戦 シード
 2回戦 ④‐2 岩村田(長野)
 3回戦 ④-3 七尾(石川)
 4回戦 1-④ 能登(石川)
【鈴木・保科】
 1回戦 シード
 2回戦 ④-2 松本蟻ケ崎(長野)
 3回戦 ④-0 高岡西(富山)
 4回戦 ④-2 金沢学院(石川)
 5回戦 ④-1 高岡西(富山)
 準決勝 3-④ 金沢学院(石川)

うちの部にはマネが一人います。いや、正確には、かつていました。
そのマネは選手としてインターハイを経験したマネです。

岡崎楓は、新津第五中出身の選手です。
同期の和田、松浦、大原はジュニア時代から活躍していた選手(トップは全中優勝の見附の子たちでしたが)で、一人だけ無名の中学選手として北越に来ました。きっかけは、冬に北越高校で実施している新潟市内の中学生強化練習に参加したことだそうです。こういう明るく一生懸命な雰囲気の部活で自分を高めたい、そんな素朴な憧れで入部した子です。その無名選手が入学してから2か月後にはインターハイ出場を決めるのです。これがそもそもの「ボタンの掛け違え」でした。ペアとして組んだのが、去年リーダーとして炎のチームを作り上げた吉藤でした。でもあの頃は吉藤もまだ未熟な2年生、岡崎は入学したてでチーム北越が大事にしていることも、自分と向き合う厳しさもその価値も何もわからないうちにインターハイ出場を果たしてしまったのです。全国の高校生テニスプレーヤーが憧れてやまないインターハイ出場という栄誉をさしたる苦も無く手に入れてしまった。これではこの世界をなめてしまいます。こういうことは人生でもよくある話です。そしてこのような棚ボタ大ラッキーはその後の道のりを狂わせることが多い。悪い予感はやはりその通りで、その1年後の県総体で、吉藤・岡崎ペアはまさかの3回戦敗退。それでも出場を決めたインターハイ団体で花を咲かせてもらいたくて、岡崎には多くの宿題を課しましたが、岡崎はその試練に応えることなく、逃げ出してしまいました。ひと夏ぐるぐると彷徨いましたが、お家の人の我慢と温かい見守りで、なんとかドロップアウトだけは踏みとどまって、2学期からマネとして復帰しました。当初はマネとしても自己中心的な部分が多くありましたが、後輩たちとかかわりながら、岡崎は人間として少しずつ成長していったと思います。
今年の3年生は1年次から、多くの全国大会へ代表選手として出場してきました。ただ、1,2年の時はイノセントでいられるので思い切って挑んでいけばいいのですが、2年の夏以降は、最上級生としてチームをまとめあげていく責任が生じます。この1年間、責任あるリーダーシップがとれる人間となるよう、3年生にあらゆる場面で指導してきたのですが、なかなか思うように育てきれませんでした。このDREAM FACTORYでも紹介したように、今年の県総体は1,2年生で団体優勝旗をもってきました。
ですが、3年生がこれで終わっていいわけはありません。奮起を促し、あるべき自分と現実の自分とを向き合わせ、さらに一歩上の自分を追究させたい。3年生という期間はとても短いですが、僕は3年生が3年生の間に成長することは、彼女らのためにもチームのためにもとても大切なことだと考えています。
今回の北信越は、県総体で実力を発揮できなかった3年生をあえてメインに据えて戦いました。
ほぼ自己ベストで戦えた3年生、その核になったのが岡崎でした。

春季地区大会の直前まで、マネをやっていた岡崎が、急遽選手として出場し、インターハイをかけた県総体個人戦、ギリギリの勝負に競り負けはしたものの、大原の自己ベストを引き出し、そしてこの北信越大会で松浦・大原の力を発揮させるまでの軌跡を彼女のテニスノートを中心にたどってみます。

遡ること数ヶ月、3年生になる春休みの岡崎のノートから。

今日は、朋恵先生が来られた。それぞれの課題をメニューにしたような応用練習がたくさんできた。先生がセンバツでいない中、マネの私がもっと発想力と提案力をつけられたらいいのに。
練習後、竹内先生と話す機会があった。最近思っていることを話してみた。「自分、マネージャーになってよかった。」ってこと。自分が物事を客観的に見れるようになったキッカケは、マネージャーになったことだと思う。選手として、自分の課題に追われていた時は自分のことで精一杯だった。今はもっと全体を見る余裕が生まれた。
先生が言うことすべてが本当にその人のため、その人の幸せのためなんだって気づいて、私の中に深い尊敬の思いが生まれた。そういう風に見方が変わったら、ほんの些細な一言でも、すごく幸せになれる時がある。以前の私には何も見えなかった。目の前の幸せを逃してきたのが、すごくもったいない。大原、松浦にも気づいてほしい。インターハイの前に気づいてほしい。
自分は2年生の夏に逃げて、選手をやめ、今はマネージャーやってるけど、もううしろめたさはなくなった。今までは1年生とBチームを見てきたが、これからは同じ学年の3年生とどう関わっていくかが自分の大事な仕事なんだな。(3月26日)

なぜ3年生が本番で力を出せないか。先生が考えるキッカケになる話をしてくださった。北越が代々受け継いできたもの、それは自主自立の精神だ。いも虫の話…。いも虫はいも虫でいる方が絶対に楽だ。目の前にある葉っぱをむしゃむしゃ食べて寝て、起きてまた食べてまた寝て…。でも似ても似つかない蝶になぜ成ろうとするのか。あえて自分をグチャグチャにぶっ壊して、全く違う形に変態して、危険な空に残り少ない自分の「人生」をかける。蝶はそれが本能だ。けど、人間だって「変態」する必要があるはずだ。今までの居心地の良い自分を捨てて自分を変える。先生は絶対に変われると言う。でもすごく勇気のいること。変われたら、きっと「あの時の自分は…」って人に話せる。
私は入学したての頃は、人間性がコートで出る、なんて言われても、正直、よくわからなかったし、実際のところ、信じてもいなかったかもしれない。でも2年目にして良くわかる。大原、松浦なんか見ていると本当に良くわかる。全部コートに出る。先生はよく言う。3年はチームを作れ。3年生の試合は必ず責任感が強さになる。逆に言うと、責任感の伴わない3年生は1,2年の勢いに負ける。
今日だって、大原、松浦はチームに何をした? もう忘れたのか。この前の遠征帰りにバスで伝えたこと。田辺、岡村の代の先輩たちから教えてもらったこと。皇子先輩から伝えられたこと。もうチームに興味ないのか。もう仲間に興味ないのか。後輩はどうでもいいのか。3年生の力は技術だけじゃないんだって。チーム作り、後輩に任せっきりでいいのか? 私は嫌だよ。だって私たち4人って、1年生の時Aチームで伸び伸びとやらせてもらってきたじゃないか。何の責任も考えず、そういう部分は全部先輩がかぶってくれてたんだよ。少なくとも、1年生にはインハイまで伸び伸びやらせてあげようよ。それ、うちらの責任だよ。(3月30日)

これからハイジャパ予選、地区大会と続いていく。先輩方のドリームファクトリー読んだ。まずは石井・依田先輩、命先輩の「普通の子3人で叶えたインターハイ」の所。
私はもう選手ではないけれど、こういうペア力に憧れていたなと思い出した。先輩たちは最後の県大会直前でも、ペアのこと、チームのこと、そして自分がチームやペアのためにするべきことを書いている。常にペアとチームとぶつかっている。本気でぶつかり合って、本音で言い合って、最後はペアと自分を信じて戦う、という感じだ。
私も大原、松浦ばかりに力を注いでいてはだめなんだな。チームが最後に底力を発揮できるようにチーム作っていかなくちゃだな。先生はいつも誰かのために戦え、という。だから苦しい時に頑張れるんだよ、と。
私が本気でチームに力を注いだら、いつかコートの外にいる私から選手が力をもらえる時がくるだろうか。(4月18日)

この4月の予感めいた岡崎の想いが今回の北信越大会で現実になろうとは本人も全く予測できなかったと思います。その上、まさか自分が北信越のコートに立つなどとは夢にも思っていなかったはずです。運命は面白い。
大原未来という3年生がいます。小学生からテニスをしていて、とても恵まれたセンスをもっています。ところが感情コントロールがきかず単純ミスから自己崩壊していくタイプの選手で、メンタル面を中心に改善を図ってきたのですが、なかなか指導が身につきません。ただ、この大原がなぜか岡崎と組むとメンタルがいい状態でいられるということに気がつきました。長くペアを組んできた和田や松浦ではコントロールが効きません。僕が指導しても納得いかない顔をしているのに、岡崎と話すと素直な表情になって戻ってくるのです。不思議な関係です。この二人、普段から特別に仲がいいというわけではないのです。ですがテニスコート上で一緒になると、お互いのいい所が出てくる。1,2年生がぐんぐん伸びてきた結果、3年生4人で2ペアを組むこととし、思い切って大原・岡崎で最後の県総体にかけてみようと決心しました。ペアというのは本当に不可思議です。エース前衛とエース後衛を組ませても必ずうまく機能するというわけではありません。このあたりが二人で戦うことを基本とするソフトテニスの面白い部分でもあります。もちろん、岡崎は春までマネでしたから、ペアとして考えた時に技術的なマイナスは生ずるでしょう。ですが、岡崎にしかできないこともあります。特に大原と組む場合は、大原が自己コントロールを失わないで戦い抜けるかどうかが最大のポイントです。力のある選手です。しかし敵と戦う前に自分の中にいる敵に食われてしまう、そこが大原の最大の問題でした。岡崎と組むことによる技術的な減ポイントが-3だと仮定して、岡崎と組むことによる心理的な加点ポイントが+5だとすれば、技術的減ポイントがないペアと組んでも心理的に崩れる可能性が-5なら、岡崎と組む方がチャンスはあるでしょう。そして、僕にその勝算もあったのです。
県総体、ベスト8決めで長岡商業のエースペアとあたることになりました。大原が崩れないのなら、互角で戦うと踏みました。

H28県総体開幕。
大原・岡崎ペアは、順当に4回戦まで失ゲームゼロで勝ち進みました。序盤~中盤に必ず雑なミスが重なる大原が勝負となる決戦まで失ゲームゼロというのは、それだけ心技体が充実しきっていたことを意味します。そして勝負の5回戦、長岡商業のエース平行陣との対決です。
序盤、岡崎のミスが入り苦しい場面もありましたが、大原は自己ベストで戦い抜きました。最後まで自分のストロークを笑顔で貫き、岡崎とコミュニケーションをとって、何本もエースを取りました。
G3-2リード、第6ゲームでは陣形が崩れた時のフットワークが乱れ、ファイナルに突入しました。ファイナルも一進一退の攻防でしたが、あと一歩及ばず、二人のトライはベスト16=北信越大会出場で終わりました。

県総体14県総体13県総体15

大原は自己ベストで戦った。負けて泣いてから、「大原、自己ベストだったよ」って声かけた。私と組んで、自己コントロールを失わなかったのは、3試合目。そして今回が自己ベストだ。先生に「(相手が)もってくるボールだけ止めろ」と言われた時、正直、そんなに全部任せて大丈夫なのかと思った。でも、そんな心配は不要だった。あれほどナイスボールを何十本も打ち切れるものなのか。練習では絶対にない姿だった。それから、いつかの遠征の帰りにバスで「試合中にも大原からのコミュニケーションがほしいんだ」って伝えたことがある。大原、今日はたくさん声をかけてくれた。私の単純なミスは相変わらずあったが、それでも戦いは最後まで互角だった。私はファイナルの4ー6からなんとかしなくちゃと思って動いた。でも4ー6からじゃ遅いんだ。リスクを負うプレー、先生の指示がなくても勇気出して勝負したらわからなかった。もしかしたら、それで負けていたかもしれない。もしかしたら、それで勝ってインターハイへ行けていたかもしれない。それは誰にもわからない。でも私はリスクを負わなかった。そして負けた。
この悔しさは、ここで終わらせてはいけない。まずは明日の団体戦だ。
敗者は心で泣いて、潔くチームのために笑顔で力を注ぐ。団体スタート!(5月27日)

このDREAM FACTORY「2016 春」でお伝えしたように、今回の県総体は1,2年生の成長と強い自覚で勝ち抜きました。結果として、3年生が自己ベストを出せなかった。特に、和田・松浦は3回戦敗退というまさかの番狂わせで敗退しました。
北信越を前にして、3年生には、自分を見つめ、弱さと向き合い、本気でぶつかりあうことで、自分の限界をぶっ壊し、それを強い意志で超えていってほしいと願っていました。

昨日、松浦といろいろ話せた。松浦の思いも聞いた。悩みも聞いた。大原がどう言おうと、松浦には「私」を目の前の「私」として見てほしい。ありのままで見てほしいって伝えた。
そして今日の練習後、3年生4人で本気でぶつかった。いろんな本音が出た。最初は私の言うことに反発していた大原も最後にこう言ってくれた。「岡崎、今まで誤解してた。岡崎が私にしてくれていたこと、それが何のためなのか、先生に言われてやっとわかった。今までヒドイこと言ってごめんね。私、岡崎と頑張りたい。」大原が誰に言われたわけでもなく、自分の意志で私を呼んで涙で顔くしゃくしゃになりながら話してくれた。嬉しかった。わかってくれたんだ。「よろしくお願いします。頑張ろう。」って、二人とも涙の笑顔で握手した。(6月5日)

3年生は絆を深めながら、北信越大会を迎えます。
北信越、個人戦前夜のミーティング。

ミーティングで先生が前山(1年)に本気で心から伝えているのを見ながら、「自分、気付くのが遅かったんだな。」って悔しい思いで聞いていた。先生は夢を叶えるためにはどうしても今のままじゃダメなんだって、必死に伝えようとしている。先生は前山に成長してほしいって強く願っているんだ。
本当は、自分も1,2年生の時、こうして何度も伝えてもらっていたんだよな。あの頃はまだガキで考え方も幼くて、先生の伝えようとしている真意がわからなかった。目の前の壁をつらいこととしかとらえられなかった。
自分、3年になってもう一度選手やることになって、練習中の1本のミスを流せなくなった。1,2年の時はわからなかった。口じゃ色々言ってても、正直ミスを深く気にかけてなんていなかった。ありえない…。なんで今更わかるんだよ…。
悔しいけれど、自分が選手として日本一を目指すには、もう遅い。
でも、日本一のためにできることがある。
明日の個人戦が私と大原の最終戦だ。この大会にすら参加できなかった和田と松浦の分まで戦い抜く。(6月17日)

大原・岡崎の最終戦。
1回戦 シード
2回戦 ④-1 高岡西(富山)
3回戦 2-④ 金沢学院(石川)
団体優勝することになる石川1位の高校のレギュラーでした。
ゲームカウント2-2と互角にわたり合いましたが、フットワークの甘さから失点につながり突き放されました。
岡崎は、自己ベストでしょう。1年生でインターハイを決めた時でさえ、ほとんどはペアの吉藤がゲームを作り、おいしい所だけいただいた勝利でした。3年の県総体、大原のベストを引き出したメンターの役割はすばらしいものでしたが、自分で勝負して戦ったわけではありません。今回は勝負しました。県総体の悔いをこの戦いに活かし、何度も勝負しました。その時、岡崎がどこから力を得ていたのか、彼女のノートを見て初めて知りました。
そして、次の日の団体戦、3年が4人で心を一つにして戦っていたことも。

北信越03北信越06北信越05

北信越、個人戦。
3回戦、金沢学院の秋本・山森に2-④負け。
序盤、相手はセンターから入ってきた。それを私は読んで2本きれいに止めた。G1-0リード。でも簡単にゲームをとれたことで少し安心した部分があった。その小さな緩みが大原にも伝染したような気がする。相手は二つのコーナーを有効に使って攻めてきた。中ロブにも苦しめられた。G1-2で逆転される。そこでのベンチワークで、朋恵先生に「座布団!」って言われて、自分に喝を入れた。相手の最大の武器であるクロスボールを狙いにいったがフォローされて得点にならない。P1-3だが勝負に出た。県大会で、リードされていながら勝負できずに負けた、そんな試合だけはしたくなかった。クロスシュート、ポーチ! 相手は気にしてネットした。そこから流れがきて、G2-2に追いついた。だが、そこからこっちの攻めが甘い。前衛に仕事され、大原もアタックにいくが、その2次攻撃に足がついていかず失点。それが3本あった。そしてゲームセット。
ただ、大原は前にバスで私と約束したこと、ちゃんとやりきってくれた。私がミスしても「大丈夫、私が全部取る!」すごいことを毎回言ってくる。でも嬉しかった。
そして、3年全員で戦えたのが何より嬉しい。苦しい時、自然とベンチの後ろに目が行った。そこには和田と松浦がいる。二人ともすごい声で応援し続けてくれている。敵の応援団が30人くらい、うちは二人。それでも二人の声はしっかりと届いた。リスクを負って勝負に行こうと思う時、二人を見る。そして勝負してポイント取った時も二人を見る。二人とも両手を突き上げてガッツポーズしてくれている。松浦、和田、ありがとう。
もちろん、悔いがないわけじゃないが、私は最後、自分のすべてを出して、3年4人で戦えた。
明日は、私の番。
先生が、もう一度3年生にチャンスをあげたい、とおっしゃってくれた。
それなら、明日は私たち、この会場のどの3年生よりも濃く充実した1日を生きなければならない。
3年間の想い、どこよりも強く!
(6月18日)

北信越09北信越10北信越11北信越12
北信越、団体戦3位。
準決勝で、優勝した金沢学院に負けた。
チャンスをもらった3年 松浦・大原は、準々決勝の高岡商業戦で、ひどい試合をした。
応援しながら本当に悔しかった。普段言われていることをやっていないミスの連続。それがどれだけ応援する者をがっかりさせてしまうのか。
2番3番が勝って、準決勝に進むことになった。選手交代はなし。先生は3年を最後まで信じてくれてる。
試合に行く前、松浦と大原を呼んで伝えた。
「ねえ、やることやろうよ。私の分までリベンジして! 私はフェンスの外だけど、一緒に戦ってるんだよ。自分らだけが戦っているわけじゃないんだって!」
そしたら、大原が泣きながら「ごめん、岡崎。背中たたいて!」って。
背中に想いを込めて、握手もして、「よし!」って心一つにしてコートに送り出した。
松浦・大原の相手は、敵のエースペア。3年同士の戦いだ。
あいつら、やってくれた。本気で敵のエースを倒しにいってくれた。
数え切れないくらい、大原は私の方を見て目を合わせてくれた。そして強くうなずき合えた。ガッツポーズもどれくらい一緒にやっただろうか。欲を言えば勝ちたかった。勝って1,2年生につなぎたかった。
心を熱くさせてくれる試合だった。でも負けた。
先生も言う。
確かに戦った。そして競った。
でも負けだ。
勝ちきるには不足している部分がいくつもある。
できないのではなく、やることを怠っている部分が必ずある。
やっぱり、私は3年には自己ベストで戦ってほしい。
大原は私と組んだ時と松浦と組んだ時の心の違い、もうわかるはずだ。それを自分の言葉で明彩加(松浦)に伝えてほしい。そして明彩加はそれを受け入れること。そしてペアを作っていくこと。
3年、岡山インターハイまで残り40日、「苦しい充実」精一杯明るく生きよう!
(6月19日)

先日、国体2次選考会があり、岡崎は和田と組んで、北越選手としての最終試合に臨みました。
運命ですかね。同じリーグに、また長岡商業のエースペアがいます。
戦いは選手に任せました。自ら考え、判断し、苦境においても状況を読んで作戦変更し、なんとか勝利につなげていく力を信じて戦ってほしかったからです。
結果は負けですが、岡崎は県総体とは全く違う選手として戦いました。
相手の心を読み、自分の判断でどんどん勝負しました。リスクも負ってスマッシュを狙いに行きました。
当然ミスも多くありましたが、フォワードがフォワードとしてポイントを取りに行く姿勢をゲームセットのコールまで貫きました。立派な戦いでした。
みなさんのチームには、途中でドロップアウトしていく仲間はいますか?
北越でもあります。
岡崎もその道へ行く可能性がありました。
でも、「その道」ではなく、「この道」に帰ってきて、こんな素晴らしいエンディングを迎えることができました。
温かく見守ってくれたお家の方に感謝しましょう。
未熟な人間がより確かな人間になるために、この場で自分を磨いていく。挫折はあって当然です。むしろあった方が良い。でも、その挫折した時に、「その道」に行ってしまうのではなく、「この道」で泣いて、苦しんで、もがいて、仲間とともにまた「この道」を歩み始める。その意志が動くこと、それが一番価値のあることではないかと思います。
どこで目にしたのかは忘れました(本だったか、曲だったか…)が、印象に残っている一節があります。

乗り越えられない時には、乗り越えなくていいんだよ。
乗り越えられないなら、ただそこにいればいいんだ。
その場から逃げ出さなければ、それでいいんだ。
いつか、乗り越えられる日が来るかもしれないじゃないか。

選手、引退しました。
最後、泣いたのは、選手じゃなくなることが悔しかったのではなくて、先生とギュッと心のこもった握手ができたことが嬉しくてなんです。
大原と組んで県総体で負けた相手にリベンジしたかったな。
でも、あれが自分なんだ。
今回は、どんどん得点を取りに行った。でもミスになる。
ただ、北信越から自分、リスクを負って思い切り勝負するようになった。遅かったけど、勝負する前衛として最後戦えてよかった。
津野先生、朋恵先生、竹内先生、柳先生、セルシーの村上先生、医科学センターの皆さん、西野さん、整骨院の先生、鍼灸院の先生、そしてお母さん、たくさんの人に支えてもらった選手生活でした。
ものすごく濃い充実した月日でした。
ありがとうございました。
先生、これからもよろしくお願いします。
私は他の3年生、このままで終わらせません。
(7月9日)


DREAM FACTORY 2016 春(県総体)

県総体 団体5連覇!
2年生 フォースの覚醒
「今までとは違う自分が確かにそこにいた」

県総体01

平成28年度 新潟県総合体育大会 (5月27日~29日 新潟市庭球場)
個人戦

1 位  鈴木愛香・保科葵
2 位  前山愛・田辺なつき(以上、IH出場)
ベスト16 大原未来・岡崎楓(以上、北信越大会出場)
4回戦 阿部玖瑠実・冨樫美咲
     阿部瑞希・猪俣佳矢乃
     庭野真李・木村美月
3回戦 和田栞璃・松浦明彩加

団体戦
準々決勝  ②-0 中越
準 決 勝   ②-0 新潟産業大学付属
決  勝    ②-0 巻
 前山・保科 ④-0 蓮沼・石山
 鈴木・田辺 ④-2 古澤・藤田
 大原・岡崎 1-2  宮下・田中(途中打ち切り)

1~2日目の個人戦で、金銀メダルを手にしました。決勝の同校対決は何年ぶりでしょうか。
しかし、個人戦で決勝同校対決を果たした学校は、僕の記憶では団体で優勝できなかったケースの方が多いように思います。
それほど、県総体本番中の個人⇒団体の調整は難しい。
結果から見れば、個人戦金銀。団体戦も全勝で優勝と危なげなく見えるでしょうが、実際は全く違います。

3日目最終日の団体戦、2面に開かれた決勝戦は流れとして非常に危ない方向へ向かっていきました。

2年生保科と1年生前山が組んだ第1対戦は、保科が力強く前山をリードし、前山も自己ベストの戦いでまっしぐらに勝利しました。
完勝でしたが、責任感の芽生えた保科は、その重さゆえ、朝の練習では最悪の出来でした。
ですが、その最悪の中でも、自分を見失わない精神的強さが備わっていたことは、その日のテニスノートからよくわかります。

2年 保科葵のテニスノートから
県総体 3日目、闘いの日!
結果、優勝!
岡山での挑戦権の切符、勝ち取った。ありがとう、みんな。
朝、練習中、全部のプレーがうまくいかなくて不安がたまっていた。試合形式をやっても本当に何もできない。こうプレーしたいけど、その通りにできない。
緊張と不安が混ざって涙が出てきた。
自分が、またこのチームの夢を終わらせるのか…。
この不安がペアの愛(前山)に伝染していった。表情が曇る。元気がなくなる。
その時、我に返った。
愛は1年生で、初めての高校県総体。中学とは全く違う雰囲気。その団体戦だ。こいつにだって不安はあるはず。自分よりもずっと大きい不安と戦っているに違いない。
自分が泣いててどうする!!
去年の悔い、岡山でリベンジするんだろ!
自分に強く言い聞かせた。
不安はある。でも私だけじゃない。
自分には、不安はあるけど、やらなければならないことがある。
みんながついてる。
ここにきたら、もうやるしかないんだ!
自分が先輩! 愛のベストを引き出すのも私だ。

県総体04県総体03県総体06

一方、隣で行われていた第2対戦、2年鈴木と田辺が組んで戦った試合は、序盤リードされ苦しい戦いを強いられました。理由として挙げられるのは、鈴木の責任感が自らの動きを固くさせてしまい、プレーの選択も少し無難になってしまったこと、これまでゲームの入りで熱く戦えずに失敗してきた田辺が強い気持ちをもって戦ったのは良かったのですが、逆に闘争心が前に出すぎてしまい(生理的には交感神経過剰優位の状態)、最適の自律神経の状態でなかったこと、そして準決勝で大逆転をくらって3番勝負へもつれさせてしまった巻の二人が気持ちを入れ替えて戦いに臨んできたこと、等があげられると思います。
実際、厳しい場面でした。G0-2、P1-2までリードされました。ポイントすべき絶好の場面で田辺のミスが重なり、負けられない戦いであることを一番よくわかっている鈴木はゲームを落ち着かせようと大事に配球しますが、それが敵のポイントになる。一方、隣で始まった第3対戦、大原・岡崎の3年生ペアは、岡崎にサーブレシーブで緊張に耐えきれない弱さからくるミスが出始め、そうなると大原も精神的に落ち着かなくなり中盤でリードされていきます。このまま第2対戦で鈴木・田辺が敗れていたら、個人戦金銀校が団体を落とすという最悪ストーリーに陥っていたでしょう。
しかし、この苦境をターンオーバーできたのは、2年生たちの大きな進化があったからでした。

DREAM FACTORY、今年の県総体はいわば「2年生3人のフォースの覚醒」がキーだったと思います。

今年は秋からなかなか3年生がチームを作れない中、春の選抜からこの日まで、2年生は誠実に自分と向き合ってきました。春以降、鈴木と保科はエースの自覚とともに、チームの核としてチームつくりの主体として動くようになっていました。
毎日のノートを見ると、まず鈴木が去年のリーダー吉藤との心の絆、そして強い信頼関係をつくっていたのだとわかります。何より、昨年の奈良インターハイ、あと1勝で吉藤をコートに立たせるという約束で戦った2回戦、鈴木はファイナルのP5-6から自分のミスで約束を果たせなかった。彼女はその悔しさを1年間心に刻んで生きてきたような気がします。
決勝の前日夜のミーティング、今は大学でテニスを続けている吉藤からのメッセージを伝えました。その中には、こんな言葉がありました。
「ねえ、みんなもうわかるよね。なぜ北越が苦しい時こそ強いのか。それは心を鍛えているからだよ。」

キャプテン鈴木愛香のテニスノートから
個人戦、まず優勝旗を1本手にした。でもまだだ。「本当の優勝旗」はまだ返還したままだ。私は去年のインターハイのリベンジをしなきゃいけない。
個人戦で結果を残した学校が団体も強い、それは全く違う。2,3年生はわかる。どれだけチームが心を一つにして戦えるかだ。1年たった今ならよくわかる。
去年は皇子先輩
(吉藤:今年の卒業生)がハートを作ってくれた。今年は逆の立場だ。
どのチームも打倒北越で向かってくる。
でも、うちらも向かっていく。岡山インターハイへ向かっていくんだ。だから気持ちで負けない。
私は、皇子先輩の気持ちも背負って必ずリベンジしますから。
誰よりも誠実にやってきました。
だから、仲間を信じ、先生を信じ、そして自分を信じて戦います。
「本物の優勝旗」とってきますね。
先輩方からのメッセージ、ありがとうございました。恵理先輩、葵先輩、エースのバトン、しっかり受け取りました。エースとしてチーム引っ張ります!
さあ、こっからだ!
(5月28日)
県総体02県総体12

県総体 最終日。
皇子先輩とリベンジ!
団体優勝。5連覇で岡山IHに行くことが決まった。
決勝戦、やっぱり相手は巻高校だった。
私は去年、この手で奈良インターハイでの戦いを途中終了させた。その借りがある。「あと1勝」をベンチで待っていた皇子先輩のためにも、絶対に団体切符を渡すわけにはいかない。
決勝の前、田んぼに向かってみんなで叫んだ。
私は、「エースとしてチャンピオンシップ貫きます!」と宣言した。
そして、個人戦で決勝を戦った4人で、「うちらが絶対に勝とう」って誓った。
個人戦の決勝で力を出せずに負けた、なつきと愛に「個人の試合みたいではダメだ」って伝えた。
葵とペアは分かれるけど、私たち二人が引っ張らなけらば、って思っていた。
皇子先輩が送ってくれたウサギのぬいぐるみを抱いてコートに入った。
いよいよ始まる。
整列すると、相手は古澤・藤田。地区大会の個人戦で負けた相手だ。だから「よっしゃ」って思った。
プレーボール。
なんかおかしい。気持ちを作ってラケット振っているのに、ボールが短い。
ミスはそんなになくても、自分の少しの「守り」の気持ちから、先手を取られる。
なつきも焦りからか、練習では考えられないミスの連発。
冷静になって、「守っちゃダメだ!」って強く思った。
少しずつ、攻めのリズムが戻ってきた。
攻めてポイントした時の、先生や仲間、応援席がグワアーって喜んでくれる光景を見て、負けていたけどなぜか負ける気は全然しなかった。
G1-2 レシーブゲーム。P2-2、ここで流れが変わる。
古澤のファーストサーブに対して、私はこれまで全て高さをつけて返球していた。それでミスもあった。P2-2、しっかり打ち切った。正直、自分の打ったナイスボールに驚いた。
G2-2 サーブゲーム。長く続いたデュースアゲイン、セカンドサーブの後の3球目、サイドパス。前衛は反応できなかった。
この2本で、流れはこっちにきた。
今思うと不思議だが、私はこの時の心情を覚えていない。なんでそこに打ったのかも覚えていない。体が勝手にというか、気づいたらポイントしていた。自分じゃないみたいだった。
皇子先輩が言った「ギリギリの場面でなぜ北越は強いのか。それは心を鍛えているから。」という言葉の意味が分かった気がした。
こういう時にちゃんと自信を持って打ち切れる、ってことなのか。
県総体の前、レシーブに自信が持てなくて、ずっとレシーブ練習していた。この1本のためにやってきたんだなって、今になってわかる。妥協しないで良かった。
勝ったけれど、試合序盤の変なプレーの選択、ボールが浅くなることも、選手としてはまだまだだ。なつきも戦っていたけど、このままじゃダメだ。私も、なつきも、チームを巻き込んで成長しよう。

私たちが勝ってIHが決まった時、3年生は泣いてお礼を言ってくれた。でも私の目標はここではないから、嬉し涙はまだ。でも、コート出る時に先生に「サンキュー、よくやった」って言われた時は、緊張が解けて涙があふれた。今回の試合は今までで一番重い「バーベル」を背負って戦った。そして苦しい試合を勝ち切れた。これを力に換えたい。

チームとしても、実際まだまだ。これからが「本当のスタート」。IHまでギア上げて、私がチーム作る。皇子先輩のバトンは私が受け取りました。
「自分の弱さ、甘さをそぎ落とし、強さと誠実さを作り上げる」栁先生が伝えてくれたこと。全国で勝つために、自分と向き合おう。Intensity 強さをつける!
(5月29日)

「誰よりも誠実にやってきた」戦いの場面で選手がこう思えること、それは毎日の積み重ね、毎日の自分との対話から生まれてくる思いでしょう。去年の夏からの1年間は、鈴木にとって重いけれども、その重さの先にある強さを手に入れるための道のりだったのだとわかります。

このゲームのターンオーバーのきっかけは、鈴木の迷いなく振り抜いた2本のストロークに加えて、田辺のG0-2ゲームポイントでの目の覚めるようなディフェンスボレーだったと思います。まさに吉藤の言う「苦しい時の強さ」を表現できたプレーでした。
序盤に田辺のミスが続いたといっても、攻めてのミス、ポイントを取りにいってのミスでしたし、ゲームの主導権を握られていたわけではありませんでした。ただ、逆クロスからもってこられた正面アタックをノータッチスルーしてしまったこと、こういうことがあるとこれまでの田辺はミスを怖がって戦いから降りてしまうことが多々ありましたので、そこだけ見ていましたが、この日の田辺はもう以前の田辺ではありませんでした。冬の北信越選抜から何度も繰り返してきた失敗を経て、もってこられてポイントされたプレーでさえその心理を利用できる強さを身につけていました。この日のテニスノートを見ると、この2本のアタックの間に田辺の心の中で何が起こっていたかよくわかります。こうして交感神経過剰優位の状態から冷静さを取り戻し、その後も攻める姿勢を全く緩めずポイントに絡み続けました。序盤でミスがあっても勝利まで攻め続けるフォワードの姿がそこにありました。
「今までとは違う自分が確かにそこにいた」
戦いが終わった夜、田辺が自分のノートに記した言葉です。
なんと深く、そしてなんと清々しい言葉でしょう。
県総体09県総体11県総体08

田辺なつきのテニスノートから
団体決勝。
今までにないくらいの緊張。
「ぜってぇ、勝つ」っていうメラメラを作って入った。
いい緊張とメラメラで戦いたかったけど、序盤ハカハカした。
3年生のために勝つ!っていう思いが自分の中で焦りになってしまった。
ゲームの序盤、自分の周辺に集まってくるボール。取りに行くけどチップ。もってこられた正面アタックをスルー。チャンスボールを決めにいくけど勢い余っての大アウト。そういうポイントが何本もあった。
相手は打倒北越。向かってくる。そういう怖さももちろん想定済だったけど、G0-2。
取られたらG0-3と追い込まれる厳しい状況、ポイントを取り合って、なんとかゲームポイントまでたどり着く。逆クロス、愛香がつないだボールを相手は踏み込んでアタック。序盤でスルーした時と同じシーンだ。あの時はタイミングはバッチリだったはずなのにスカした。相手が高い打点で打ってくるのに低く入っていたからだ。だから、しっかり上から目線で。そして「来いや!」と心でつぶやいた。やっぱり来た。バッチリ跳ね返した。これでG1-2になって、チェンジサイズだ。
私は、このプレーをきっかけにして攻めに転じた。相手のミスが多くなる。こっちのポイントが増えてくる。
愛香には強気な言葉をかけ続けた。
「しっかり振り切れ!」「攻めるぞ!」
愛香はこたえてくれて、「おりゃー!」って何度も相手コートに力強いボールを打ち込んだ。
完全に流れは変わっていた。

中盤から自己修正して、逆転できたことは成果だと思う。
もし、今までの自分みたいに、小さな気のゆるみや弱気が出ていたら、全国切符は巻がもっていったと思う。
精神的にとても苦しい試合だったけど、確かに今までと違う自分がそこにいた。
自分の大きな財産にして、次につなげたい。

今日で、激しい3日間の戦いが終わった。
IHの切符は手にしたけれど、自分では全然納得していない。
目指すのは日本一だ。
もう一段ギアアップして「自分の中の弱さと甘さをそぎ落として、強さと誠実さを作り上げる」
自分は3年生にたくさん借りがある。
だから、3年生のために戦った。
今年が1,2年生主体のチームだとしても、全国の3年生エースに負けないくらいの気迫あるチームを自分たちで作るよ。
もう、代替わりなんだ。
私には、ラスト1年しかないんだ。
この北越に来て、ラスト1年。自分がチームの「気」を磨き上げて、日本一のチームにします。
さあ、ここからがスタート!


DREAM FACTORY 2015 冬

2年ぶりに全国選抜へ
富山、石川には完全敗北
チームとしてもアスリートとしても甘さからの脱却を
H28.1.15~1.17  石川県小松市 こまつドーム

北信越選抜
<団体戦>
北越 0-③ 高岡西(富山)
北越 ②-1 北陸(福井)
北越 0-③ 金沢学院東(石川)
北越 ③-0 東海大三(長野)
2勝2敗で1位校リーグ3位

<全国選抜 第3代表決定戦>
北越 ②-0 七尾(石川):2位校リーグ1位

あれから1年が経ちました。
あれから、というのは、ちょうど1年前、この大会で全国選抜を逃してから丸1年ということです。
あの時、(もう時効だからいいでしょう)大会出発の朝に1年生のレギュラーがインフルエンザにかかって離脱。その危機に及んでも2年生がバラバラでチームが結束できず、なんとか踏ん張って1位校リーグで3位にはなったものの、第3代表決定戦、同県対決で県予選のリベンジを食らい選抜出場を逃しました。上級生がチームを作れていないと勝負のかかった大事な場面で団体として強さを発揮できない、その命題を実証するような敗北でした。
あれから1年、新チームになりましたが、2年生の意識が中途半端な位置で停滞したままです。頑張ってはいるのですが、高校生レベルで頑張っているだけで、アスリートレベルまで高まってきません。
言われればわかる、指摘されれば妥協している自分に気付く、反省する。そして反省した部分だけは改善する。でも別な部分で向上心がない、また言われてわかる、指摘されてから妥協している自分を反省する。さらにまた別な部分で……そのエンドレスです。
コーチとしては、常に雨漏りを段ボールか何かで応急処置をしている感じです。少なくとも、もっと当事者意識があれば、自分たちの最後の年なわけですから、仲間同士で指摘しあったり、自主的な話し合いをしたりして向上していけるのですが、基本的にまだ自立していないので、なかなか次の次元へ移行できない。小さな妥協、小さな不徹底、小さな見逃しを(意識的なのか無意識なのか)繰り返して、同じ平面上を周回している。一周廻ってもただ同じ地点に戻ってきているだけなのに、根本的な自己改革の意欲が高まらないために、自分が同じところをひたすら巡っているのに気付かない。自分としては前を見て一生懸命走っているつもりなのです。実際、平均的な部活生よりはずっと頑張っているし、高いレベルの練習もメニューとしてはやっているので、傍から見れば、集中した意識の高い練習を積み重ねているように見えるはずです。そして自分でもそう思っている。でも違うのです。目標がどこか、という話になりますが、全国入賞レベルが目標であるならば、そろそろ、その辺りを自覚してほしいと思います。
そして今、一部の1年生が競技に一途になれずにいます。現代の高校生を取り巻く環境は少し前と劇的に変化しています。インターネットやSNSの普及とそれに伴う私生活の変化は、私のような昭和の人間にはついていけないほどです。自立心が育っていない思春期の高校生が、ふとしたことから、あらゆる思惑の絡む情報が四方八方飛び交う空間に取り込まれる危険性は想像以上に大きなものです。だからでしょうか、全国優勝を目指すクラブの中には携帯電話やスマートフォン等の所持を禁止しているところもあります。ただ、私は禁止ではなく、自覚によって一途になってほしいと願うのです。高校生は人間として未熟であり発展途上の存在です。当然迷いも出る、失敗もする、逃げたくもなる、それが自然だと思います。そして、情報空間においてではなく、生身の実空間において、仲間とぶつかり合い、理解し合い、反発し合い、励まし合う中で、夢を目指しひたむきに生きる道のかけがえのない価値に気付いてほしいと願っています。理想屋でしょうか。
実際のところ、迷いの出た者を取り巻く仲間の存在がとても重要です。弱くなった魂は弱い魂を探します。類は友を呼ぶですね。最悪の場合は弱くなった魂同士が結託してしまう。こうなるとチームは土台から崩れていきます。逆に、取り巻く仲間が夢を持ち目標を高く維持していて、迷いの出た仲間をサポートし励ますことで、この仲間とともに大きな夢を叶えたいという思いを共有することができたら、逆にチームは結束します。今、我々はその境目にいます。問題のないチームなど存在しません。あったとしたら巧妙に隠しているだけです。大事なのは、その問題とチームがどう向き合い、そこから何を得て成長につなげられるかだと考えます。

北信越選抜、今のチームそのままが結果に出たと思います。
全国選抜への切符は手にしました。毎日頑張っている証です。しかし、昨年全国選抜2位で奈良IHベスト8の高岡西には団体・個人すべて敗退。ソフトテニス王国石川県の優勝校:金沢学院東にも全敗。ここが全国上位への壁です。この壁は、今のチームのままで頑張っていても永久に超えることのできない壁です。
今、リーダーに変革の自覚は出てきています。先日公開されたスターウォーズの新作ではないですが「フォースの覚醒」が必要だと思います。自らをプラスの方向へ向かわせる強い力を感じながら、夢の方向へ自覚的に自分を向かわせること、「チームの覚醒」を信じています。

2018年冬季オリンピックでメダル獲得を目指す、スノーボード競技の岩垂かれん選手のインタビュー記事に、こんなメッセージが載っていました。

まず、迷ったり、自信をなくしたりした人へのメッセージ。

続けられない人の多くは、その日の練習のことだけしか考えていない気がします。でもそのキツイ練習の先にある目標がしっかりあれば、おのずと覚悟は決まると思います。だから私の周りにいる人たちはみんな勝ちたいという強い気持ちと覚悟を持って活動していますし、私もフィジカルトレーニングをしている時、なんでこんなに重いウエイトを上げているんだろうとか思うのですが、試合のシーンをイメージすると、絶対に負けたくないと思ってがんばれるんです。
私は練習がキツイとかは考えないです。それよりも世界で活躍するトップレベルの選手たちと一緒に練習をしているので、その選手と自分のどこが違うのだろうとかばかりを考えています。そして絶対に負けたくない! って気持ちが強くなるので、勝てる方法だけをずっと考えながら練習をしています。

次に、部活を頑張っている中高生へのメッセージ。

大学4年になった今、自分の過去を振り返ると、中学生の頃は勉強やスポーツも含めて色々な事にチャレンジして可能性を広げると良いと思います。そして高校生になったら、目標や夢を一つに絞って、毎日積み重ねて取り組むと良いと思います。夢があるなら一日もムダにしないで過ごしてください。
岩垂かれん

県選抜 連覇
個人は1年 鈴木・保科が制す
H27.12.19(団体)、12.27(個人) 於:五泉市総合会館

県選抜
<団体戦>
<準決勝>
北越 ②-0 小千谷
<決勝>
北越 ②-0 巻

<個人戦>
1位 鈴木愛香・保科葵
3位 大原未来・田辺なつき
3位 松浦明彩加・和田栞璃
県インドア01県インドア02県インドア03


DREAM FACTORY 2015 秋

今までの「器」を超える 
そこには「痛み」と「違和感」がある

チーム北越の「超器プロジェクト」

新チームとして挑む、秋の諸大会が終わりました。

県新人選抜大会 10月17日~18日 長岡市希望が丘テニスコート
ダブルス
優 勝  鈴木愛香・保科葵
3 位  和田栞璃・松浦明彩香
3 位  大原未来・田辺なつき
ベスト16 阿部玖瑠実・冨樫美咲

シングルス
優 勝  鈴木愛香
2 位  大原未来
ベスト8 和田栞璃、松浦明彩香、保科葵

秋季新潟地区大会 9月3日~4日 新潟市庭球場
ダブルス
優 勝  松浦明彩加・阿部玖瑠実
2 位  和田栞璃・田辺なつき
3 位  鈴木愛香・保科葵

シングルス
優 勝  鈴木愛香
2 位  松浦明彩加
3 位  大原未来
3 位  保科葵
27県新人07
27県新人0527県新人0427県新人01
27県新人0227県新人0327県新人06

個人戦としてのシングルス及びダブルスの県優勝杯は奪還しましたが、まだまだ全国で勝っていくためには力が足りません。
技術力や戦術力とかいう個別領域の未熟さというよりも、選手としてチームとして総体的な「力」がない。
では、どうすれば力をつけてやれるのか。

「地方の学校が、全国区の学校と互角に戦うためには、選手をどう育てていくべきなのか」この追究が僕のライフワークです。
個人の選手として全国大会で入賞するレベルまでは何人もの選手が育っていきました。昨年は日本一のカップも手にしました。けれど、チームとして、つまり団体で決勝を戦うレベルまで進化できていない。
「預かった選手の自己ベストを可能な限り高いレベルで実現させる」これは指導者としての必達任務でしょう。
「高校という未熟かつ潜在的なアスリートたちの集うフィールドで、毎年自立達成度でかなりの凸凹があるチームを率いながら、選手として人間として自己ベストを更新させ続けること」これはもう少し具体的な僕自身のミッション内容だと考えています。

先日、全国選抜に向けた第一歩、地区大会が行われました。
とても全国で戦うことを目標にしたチームとは思えない不甲斐ない戦いでした。
試合が終わって、1時間のミーティングを持ち、それからチームとしていくつかの改革を進めています。
まずは自分のコーチとしての自己改革を進めながら、選手にも変革を求めています。
何かを変革すると、自分にも周囲にも「違和感」が生まれます。逆に言うと、周囲にも自分にも波風が立たない取り組みは変革とは言わない。
今までの自分の器の中だけで精一杯にならない、限界をつくらない、そこを超えていく、既存の自分を自分で壊す。それには「痛み」が伴います。「違和感」が生まれます。その「痛み」や「違和感」を大切なこととして受け入れ、強い意志を持って自分の器をぐぐっと大きくしてほしい。
小さいレベルでの完成などいったん投げ捨てて、自分の目標も自分自身も新たに作り直す覚悟で、自己変革を自分に迫ってほしい。
そう願います。

参考にした基準は、かつてデビスカップ日本代表チームスーパーバイザーを務めたボブ・ブレッドの「世界に近づくための指標」です。
1 Ability to learn(教えられたことを学び、自分のものにする力)
2 Ability to push yourself(引かずに、自分自身を積極的に押し出す力)
3 To overcome difficulty(困難な状況において、そこを乗り越えていくこと)
4 Loyalty,Belief,Trust(誠実さ、信念、信じる力)
5 Ability to play your best when counts the most(最も重要な場面で、自分のベストのプレーをする力)

いくつか、選手の取り組みを選手自身のテニスノートから載せてみます。

今日は朝にクラスのみんなに大きな声であいさつしてみた。
「おはよう!」と男子にもあいさつしたら、「朝からテンション高いな」とか「元気だな」とか言われた。
周囲に変化あり! やった!
愛香(鈴木)が体育委員として号令で進化したと聞いた。自分は明日体育がある。そして同じ体育委員。号令変える。体育館でも変化してみせる。
テキストノートの作成も休み時間にやってみたら、友達に「テニス好きだなー」とか、「何それ?」とか言われたりした。
チームで始めた「違和感」を感じる行動変化、明日も!
(1年 阿部玖瑠実)

今日は授業中に4回質問した。
でも、やっぱり引いてる部分ある。何回もチャンスなんてある。もっとできた。でも引いた。1限は特にそうだった。
そして2限の数学。すっごく静か。先生は教卓の所に立っていた。「よしっ」って思った。「先生!」って声出して呼んだ。
今までで一番ドキドキした。だから、やれてなんかうれしかった。
今までで一番大胆だったから、周りもザワついた。
自分を変えたい、って思えば、周りの目は気にならない、と思う。
けれど、静かな時とか、勇気が必要ってことは、やっぱり気にしてるってことか。
話は変わるけど、うちのクラスのみんなって、さすがだなって思う。
自分のこの取り組みに対して、みんな共感してくれてるというか、「部活の場だけ一生懸命やってもダメなんだ」ってことについても話が合う。
後ろの席は野球部のキャプテンだ。クラスで一番発言する。指名されてもすぐに答える。
普段は話したことなかったけど、私の取り組みに共感してくれてたくさん話ができた。
「何度もやれば慣れるよ」って言う。
1限で、自分が「引いた」時も、ちゃんとわかっていて、「明彩加、いまチャンスだったじゃん」って。本当にわかっているんだなって思う。
自分を変えたいってこと、いろいろ話ができた。クラスでこういうことをこんなに普通にまじめに話せる相手がいたなんて、すごくうれしかった。
他の人も私のチャレンジをわかってきたみたいで、「よくあの場面でできたね」とか「松浦、いいね」ってハイタッチしてくれたりする。
先生も、「いいね!」って応援してくれる。
うちのクラスって本当にすごい。これが「スポーツ脳」?
ただ、成績がいいというのではない。なんかわかりあえる、うまく言葉にできなくてもどかしいけど、より高いものを共に目指せる感じ。
ここで取り組めば力になる。北越はこういうことに思いきりチャレンジしていいんだ。
質問をすることで、授業にも受け身じゃなく、積極的に参加している感じがある。「なるほど」って思うことが多くなってきた。
(2年 松浦明彩加)

今日は男子テニス部3年の波塚さんにお願いして、初めてストロークの相手をしてもらった。スピードあるボールだけど、打ちやすいところに来れば、どんな速いボールでもタイミングを合わせれば打ち返せる。でも、スタートが遅れてしまうと返球のボールが死ぬ。特に深いボールはラケットが暴れる。自分はここを課題に練習する。また波塚さんにお願いして、男子のボールでもフットワークを磨いて打ち合えるようになりたい。
「違和感」ということでは、クラスや部活のテスト勉強時間に、自分から教えることが前より断然増えた。
今までは、私は自分のやることを集中してやりたいって気持ちが強くて、正直、頼まれても嫌々やっていた。でも、今キャプテンになって思うのは、いつも自分を優先していたらチームは崩れるということ。高校のチームはハートを作れなかったら強さは築けない、そのことにつながるのかなって思って、今日は聞いてきた人、全員にわかってもらうまで教えた。今日は5人。明日はもっと増やすぞ!
多少、自分の勉強時間は減ってしまうけど、それは家で取り戻す。自分のわからないところは先生に聞いてちゃんと全て理解する。
今回のテスト、絶対トップとります。
(1年 新キャプテン 鈴木愛香)

「時間を見つけて教室でも骨盤の使い方をイメージトレーニングする」
これは常にやっていた。そしたら隣の子に「変なの!」と言われた。「よし!」違和感get!
「練習前、走って必ず1番に行く」
これも実行。やり切って達成感を感じる。すると、他の人たちがいつも通りタラタラ歩いて来ることに、マイナスの「違和感」を感じてしまった。
愛香はそれに気づいて途中から走ってくれた。
部長としての私の提案、伝えたんだから、みんなちゃんとやろうよ!
話は変わって、なつき(田辺)の誠実さって、本当に尊敬する。
新たにフィジカルリーダーになって、その仕事を本当に誠実にやっている。今まで私がやっていた時より、ずっとフィジカルが充実すると思う。
自分にもその誠実さがほしい。見習いたい。
(1年 新部長 保科葵)

全日本選手権 皇后杯 2ペアが参加
3年吉藤、大地のパワーで全中3位をねじ伏せる!

第70回天皇賜杯・皇后賜杯 全日本ソフトテニス選手権大会  10月23日~25日 於:滋賀県長浜市市民テニスコート

27皇后杯0127皇后杯0227皇后杯03

新潟県代表として、本校から、鈴木愛香・保科葵ペア、吉藤皇子・松浦明彩加ペアが参加しました。
吉藤は、初の全日本参加。初戦の相手は、この夏の全国中学校大会で3位に入賞した淀ノ水昇陽中学校の実力ペアでした。
経験も才能も技術も相手が上ですが、吉藤はなりふり構わぬ返球で粘った結果、逆転で全国初勝利を得ました。大地の雑草パワーがジュニアの才能に打ち勝ったとでもいうような勝利でした。
ペアの松浦は、昨年に続いて2回目の出場。先輩のリードでそれぞれ1勝を得ています。来年は最後の年、3年連続出場と、3年として自己ベストの全国2勝を目指してほしいです。皇后杯で2回勝つのは至難の業ですが、これまで先輩に育ててもらい、力をもらって戦えた経験を、次は自分が後輩へ引き継ぐことで恩返ししてほしいと思います。
1年生の鈴木・保科は、初戦が実業団トヨタ自動車のペア。スタートからぐいっと引き離されG0-3とされますが、戦術の学習を生かして互角の展開に持ち込みG3-3に追いつきます。そこで単純なミスを犯してしまい、勝利への流れを手放してしまいました。高校生同士の県内大会であれば、少々のミスは挽回できるのですが、このレベルでの戦いは、大事な局面での1本のミスが致命的になります。負けたとはいえ、1年生からこのレベルの舞台を経験できたことは大きな財産になります。自己改革を進めて、来年はもっと高いレベルで戦えるよう、日々自分を高めていってほしいです。

かわいいお客さんとの「合同練習」
今年の秋より、近所の幼稚園から、とてもかわいい「体験入部希望者」がたくさん来てくれて、時々「合同練習」(笑)をしています。
毎日の集中した練習の中の、微笑ましい一コマです。
エンジェル02エンジェル03エンジェル04



ウェブサイト内を検索します