女子ソフトテニス部


DREAM FACTORY 2016 冬

1年生が真冬のドームに蒔いた種
全国選抜連続出場ならず
H29.1.13〜15 石川県小松市こまつドーム

<団体戦>
北越 ②-1 武生(福井)
北越 1ー② 七尾 (石川)
北越 ③ー0 高岡商業(富山)
北越 ②-1 上伊那農業(長野)
3勝1敗で2位校リーグ2位

H29 北信越選抜04

負けた夜、2年生が口々に「この負けから何を学ぶか」「失敗からまた強くなるしかない」と話している自主ミーティングを遮ったのは、1年生の前山でした。
「負けから学ぶ、負けから学ぶ、って、もう十分負けてきたじゃないですか。今回の大会はこのチームで戦う最後の北信越だったんですよ。今回は負けられない戦いじゃなかったんですか。もう失敗はいらないです。私はもう、負けから学ぶチームじゃなくて、勝利を積み上げていくチームを作りたい。」
上級生たちの顔色が変わりました。そこからミーティングは大きく流れを変えました。
清々しい勇気ある発言だったと思います。

前山はこのチームが好きなのです。誰よりもこのチームで最後まで戦いたいと思っている。
実際、彼女は団体戦に強い。この1年間、前山がこの一年間団体戦で負けたのは、暮れの県選抜の決勝ただ1試合だけなのです。ベスト8に入賞した岡山インターハイでも全勝。和歌山信愛にゲームカウント2-2と互角に競り合いながら、途中で先輩たちが敗退して途中打ち切り。負けた県選抜も終盤は高い集中力を維持して戦いながら、ペアの保科の方が耐えきれずにゲームセット。
前山は鈴木を尊敬しています。アスリートとして、人間として、ライバルとして、自分が追いつくべき目標の人です。だからこそ、エース鈴木・保科が勝負所で、敵に、夢に、向かっていけない姿が口惜しくて仕方なかったのだと思います。
隣でエースが敗れてチームの七尾戦敗退(全国選抜出場の自力出場が消滅)が決まった後、彼女は涙を振りしっぼって戦いました。敵チームが自分にぶつけてきたエースに怯むことなく、逆転で1勝をもぎ取りました。
「私たちだけでも意地で絶対に勝とうね。」
そうペアの田辺と誓って戦ったのだそうです。

H29 北信越選抜01H29 北信越選抜02

歴史を作った去年の夏。それゆえマークされてもはね除ける強さが求められる今年の戦い。
チーム北越が初めて経験する道です。
「失敗から人は一番多くのことを学べる。」
「一度も失敗したことのない者は、一度も成功することはない。」
多くの格言は失敗の重要性を強調しますが、それを弱い自分のエクスキューズ(言い訳)にしているのではないか。1年生の前山は直感的に今のチームのヌルさに気づいたのかもしれません。
昨年の全日本皇后杯で3位になった成田さんが、暮れに挨拶に来て伝えてくれたこと、もう一度かみ締めてごらんよ。
「夢を叶えたいのなら、それが周りから見たらあり得ないと思うような夢だとしても、絶対に叶えたいって誰よりも強く思うこと。そしてすぐに結果が出なくても諦めないで努力しつづけること。」

1年生が意地で勝ち取った1勝、そしてその夜に勇気を出してチームに伝えたこと。
それが、凍てついたドームに蒔かれた、夏花の種だと信じたい。
チーム北越、チーム鈴木、針路を東へ! 真っ直ぐに夏へ!

北信越個人は鈴木・保科で2年ぶりの優勝杯奪還
前山・田辺が3位入賞
H29 北信越選抜05H29 北信越選抜06H29 北信越選抜07

県選抜団体 逃げの心で優勝逃す

<団体戦>
準決勝 北越 ②-0 中越
決 勝 北越 1-② 長岡商業
    
<個人戦>
優 勝 鈴木愛香・保科葵
2 位  前山愛・田辺なつき
ベスト8 阿部瑞希・木村美月 

団体では恥ずかしい決勝を演じてしまいました。第1対戦の前山・保科が長岡商業のエースと長い試合になりました。第2対戦と第3対戦が先に終わり1勝1敗の三番勝負の形になりました。雁行陣でうまくいかず、平行陣に下げて挽回していきましたが、最後は持久戦になりました。ただ相手のコートにボールを返球し続けるミス待ちテニス。
たとえそれが100球続こうが200球続こうが、同じことです。
あれは戦いではない。チーム北越が培い、目指している方向とは真逆のテニスになってしまいました。
心が奪われていました。もうああなってしまうと、攻めることが自滅になります。
最後は1年生の前山ではなく、保科が狙われました。
ストレスが強くかかる場面で、いかに冷静にファイトできるか、自己ベストを発揮できるか、アスリートの強さとはそこに尽きると思います。
地道に、誠実に、戦う心を毎日養いなさい。
最後の1年、妥協することなく自分を高めること、コツなどありません。近道もありません。真っ当に着実に歩みなさい。
3年の強さは、決して自らに妥協しない責任感の強さですから。それが重荷を背負った時に発揮できる強さですから。
それを最高の笑顔でやりきること、それが北越らしさだったよね。

1月3日 初打ちと恒例のお雑煮会
1月3日に新年お雑煮会を初打ちの後、北越高校ランチルームで保護者会の皆さんが開いてくださいました。
今年も県内各地域のお雑煮の食べ比べを楽しむことができました。味噌仕立てのお雑煮、初めてごちそうになりました。
保護者会の皆さん、ありがとうございました。
今年も自家製のお餅を提供してくださった小林さん(卒業生小林すみれさんのご実家)、ごちそうさまでした。
在校生のお笑い芸で初笑い。即興にしては中々だったよ。
卒業生からの言葉は、毎年深いですね。心が洗われます。
風邪による発熱で参加できなかったどんぐり北広島の田辺恵理さんも、夕方、練習ラストがかかってから「気迫で熱を下げて」駆けつけてくれて、鈴木や前山と全力乱打してくれました。
さすがです…
H29 初打ち02H29 初打ち01H29 初打ち03

今年も、DREAM FACTORY 北越高校女子ソフトテニス部、精一杯のドラマを創りますので、よろしくお願いします。

年末のGREAT TOPICS
鈴木愛香 全日本U-17選手に、そして卒業生 田辺恵理さん ナショナルチームのメンバーに、それぞれ選出!

さて、昨年の暮れに北越高校全体のトピックとしてニュースにしていただいたものをここに再掲します。
田辺恵理さんに続く北越からの全日本選手です。同じ巻出身で恵理さんに憧れて北越に来た鈴木ですが、先輩と同じ高みに鈴木も登ることが出来ました。その同じ時に、目標の恵理さんはナショナルチーム入りを果たしました。先輩の切り拓いてくれる道、それが後輩の目指す道になる。確かに登っていってほしいと思います。

本校二年 鈴木愛香さんがソフトテニス競技の全日本U-17選手に選ばれました。
 鈴木さんは、11月末に宮崎市で行われた最終選考合宿に於いて高い技術と優れたフィジカル能力を認められ、日本代表の一員として選出されました。
同合宿は4日間の日程で行われ、基本パフォーマンスの精度、フィジカルの強さ、そして実際のミニ大会(ジュニアJAPANカップ)を通じて、シングルス及びダブルスのゲーム展開能力を精査されました。
 今後一年間、鈴木さんはアンダーJAPANの代表として年に数回の強化合宿に参加し、国際大会への出場も見込まれます。頑張ってください!!
皆様、応援をよろしくお願い申し上げます。
鈴木愛香 01

また、本校を2年前に卒業した田辺恵理さんが、同じくソフトテニスの最終選考合宿を経て、ソフトテニス ナショナルチームのメンバーに選出されました。
 田辺さんは現在広島県在住。「どんぐり北広島」チームに在籍し、全日本社会人大会2位全国クラブ選手権優勝と社会人2年目にして輝かしい活躍を収め、今回の最終選考合宿での高いパフォーマンスを評価されて、ナショナルチーム入りを果たしました。
 来年のアジア大会で大活躍して欲しいですね!
 田辺さん、北越魂で夢の金メダルを!! 応援しています!
田辺恵理 シングル1位


DREAM FACTORY 2016 秋

二つの秋のGREAT NEWS!
その1 日本代表最終選考合宿に北信越ブロックより
U-17女子 北越から3人独占選出!

・・U-20代表として、松浦明彩加も参加決定!

ステップ3入賞
石川県で行われた「ソフトテニス競技 競技者育成プログラムSTEP3 北信越ブロック代表選考会」において、U-17女子のカテゴリー(中学三年生~高校二年生)で、北越高校から、3名(鈴木愛香、保科葵、田辺なつき)が選出されました。11月末に宮崎で行われる日本代表最終選考合宿及びジュニアジャパンカップに参加することになります。
北信越ブロックからは、日本代表最終選考合宿(STEP4)へ3名の枠があるのですが、ソフトテニス王国石川県や強豪選手を有する富山県の代表を退けて、枠のすべてを北越高校の選手が独占することになりました。これは、この制度が始まってから新潟県として初の快挙です。
参加者の中には、中学時代に全中に出場したり、全国大会で入賞したりした選手が何人もいる中で、保科は高校に入ってから前衛に転向した選手、田辺も中学時代は県内でもほとんど無名の地区大会レベルの選手で、このように中学時代に全国で活躍できなかった選手が、チーム北越で力をつけて日本代表になるチャンスを得ることができた、ということを何よりも嬉しく思います。(鈴木は全中ベスト8)
この日本代表選手を全国から発掘する競技者育成プログラムにおいては、単に大会で結果を残すだけではなく、ソフトテニスの基本プレーの的確さ、身体の正しい使い方、フィジカル(体力、敏捷性)の強さ、組んだペアとのコミュニケーション力、そして敵の特徴を読みゲームに生かす力が試されます。
チーム北越から、田辺恵理(H27卒業)に続く日本代表が生まれることを楽しみにしています。
また、U-20のカテゴリーに3年の松浦明彩加も参加できることになり、卒業後もテニスを地元で続ける意志を持っている松浦には自分のテニスの幅を広げることができるチャンスになりますね。臆することなく精一杯自分を表現してきてほしいと思います。

その2 DREAM FACTORY(TEAM TSUNO)の卒業生、
成田悠・小林優美ペアが全日本選手権で銅メダル獲得!

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感動しました。素晴らしい戦いぶりでした。「タクティクスで勝つ」その典型のような勝利の連続でした。実績も実際の打球力や運動能力も敵の方が上、という相手との対戦が続きましたが、成田さん小林さんは、緩急をつけ、弱点や隙を見抜いて攻め続け、日本リーグ上位の実業団選手を次々と倒していきました。
成田さん小林さんは、僕が北越に来る前に勤めていた時の巻高校の卒業生です。二人は高校時代(成田さん3年時、小林さん2年時)、青森で行われた全日本皇后杯でベスト8に入りました。大きなニュースになりました。実際に全日本を戦った人ならわかるのですが、全日本ベスト8に高校生が入るというのは、ある意味インターハイ個人優勝より難しいかもしれません。8年前のあの時も、無名の公立高校生が大学生や実業団ヨネックスのレギュラー選手を破る番狂わせを演じ、2日目最後の試合は実業団東芝姫路のキャプテンペアを倒しての堂々たるベスト8入りでした。戦術力を駆使して戦う二人には9ゲームの方が合っており、格上の選手たちとの戦いを楽しんでいるかのようでした。二人はその後、関東の大学に進み、社会人になってからペアを再結成して、今年から愛知のアドマテックスさんにお世話になっています。
「チーム北越」にも毎年顔を出して選手達を応援、指導してくれています。
長く新潟の国体チームの中心選手としても活躍し県にも多大な貢献をしてくれた新潟県の宝です。
二人に送った「おめでとうメール」の返信に、「準決勝で負けて二人で悔しくて涙を流しました」とありました。「もっともっと努力してテニスの幅を広げないと頂点には届かないのですね」ともありました。
素晴らしいアスリートだと思います。
こういうアスリート魂を持った選手が県外へ出ずに育ち、全国のトップを目指して努力を続けているという事実は、我々にとても大きな勇気と希望を与えてくれます。
成田さん、小林さん、改めて、おめでとう!
そして、これからの活躍を楽しみにしています。
また、北越のコートにも是非遊びにくてくださいね。

北越高校の卒業生、どんぐり北広島の田辺恵理さん(田辺さんは今年の西日本選手権で2位、全日本社会人でも2位という素晴らしい成績を残し、来年1月の全日本インドアに出場が決まったそうです。おめでとう!)、ダンロップの岡村葵さん、太平洋工業の小林すみれさん、そして現北越高校のコーチ山本さんも頑張っていました。納得のいかない部分も多かったと思うけれど、まだまだこれからだよ。応援しています。
現役高校生として出場した、3年:松浦明彩加・大原未来、2年:鈴木愛香・保科葵の2ペアは初戦敗退でした。こっちも、まだまだこれから。全日本に出場することでしかわからないこの競技の最高峰のスピリットを君たちは感じ取ってきたのだから、それも自分の目指すテニスをバージョンアップさせる力にして、これからまた、ここDREAM FACTORYで磨いていこうな。
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さて、全日本にほぼ毎年参加させてもらって思うことがあります。
この競技には「ノーブレスオブリージュ」という意識は全くないのか、と毎年がっかりします。ノーブレスオブリージュ=地位や実績が上の者はその高さに応じた責任がある、と言えばそれほどズレないでしょう。
まずベンチワーク禁止の件です。天皇賜杯・皇后賜杯 全日本選手権大会、本物の日本一を決める大会と競技団体は位置づけています。社会人、大学生、高校生、中学生のトップ選手が集まる最高峰の大会で、ベンチワークは禁止されていますが、どれだけの監督・指導者、選手が守っているのでしょう。コート主任は完全に見て見ぬふりですし、実業団と高校生が試合をしていて実業団選手が堂々とベンチワークを受けてうなづいています。一方で高校生が選手二人だけでコートで先に待っているケースさえある。僕はこの件に関しては、競技団体がルールとしてそれほど重視しないのであれば、ベンチワーク可とすればいいじゃないか、と思います。バドミントンや卓球のオリンピックをみてもセットの合間のベンチワークは認められています。ソフトテニスもダブルスを中心に指導者と三位一体で戦うというスタイルで発達してきたわけですから、国内大会については「可」としたらいい。どうしても国際大会の個人戦に準ずるというのであれば、「最高峰の大会」ですから、マナーではなくルールとしてきちんと守らせるべきです。ルールを守っている方が馬鹿を見る、そういう競技はスポーツとして駄目でしょう。
次に前日の会場練習について。毎年、前日にすべてのコートをフリー開放していますが、地方の高校生が1ペアか2ペア参加して、なかなか練習できないのが実情です。「譲り合って」と主管は言うのですが、譲らない譲らない(笑)。去年はうちの選手は「交代お願いできますか」と丁寧に申し上げたのですが、その社会人の女性から「ダメ」と言われたそうです。また、JAPANの選手や実業団選手が固まって練習しておれば、そこに勇気を出して「交代お願いします」とは普通は言えないでしょう。連盟は中学生や高校生にマナーブックを配ってマナー向上を呼びかけていますが、「実績が上の選手」のふるまいはとても「お手本」にできるものではない。どの選手も会場で可能な限り練習したい。だとすれば平等性について主催者が配慮し工夫できることはいくらでもある。ただ「前年踏襲」でやっているから、選手のためによりよい環境整備ができないのではないでしょうか。
「最高峰の大会」ならば、技術やだけでなくルールやマナーも最高峰、そう言える大会にするために、競技団体はもっと創意工夫が必要ですし、競技者も特に「大人」がノーブレスオブリージュの精神でこれからこの競技の未来を背負う「若者」に確かな姿を示すべきでしょう。
しっかりしようぜ、ソフトテニス!

さて、秋も深まってきました。
来年の会津インターハイに向けた新チームの、秋の諸大会の結果を報告します。

第3回AIZUカップ 10月8日~9日 会津若松市総合運動公園テニスコート
団体 優勝
この大会は、来年の南東北インターハイのソフトテニス競技において開催県や近隣県の代表選手の活躍を期して3年前から行われているものです。北越高校は毎年招かれていましたが、今回が初優勝となりました。秋の未完成なチーム状況がくっきりと出る大会で、とても有意義な団体戦の大会です。近隣の県上位の学校が集まる中で、鈴木・保科、前山・田辺の安定と3番手の強化を目的として戦いました。3年生が抜けた後、チームの柱としての2ペアは力強く全勝で戦い抜きました。これは決勝の緊張感漂う対戦を3番手に経験させたいというチームの願いを4人がはっきりわかっていたからだと思います。3番手には1年生の阿倍瑞希と木村美月のペアを試しましたが、阿倍の戦術力不足と木村の基本プレーの精度の低さから、まだまだ各県の上位と戦うレベルまではいきませんでした。チームとしても大きな課題をもらって来ました。

県新人選抜大会 10月15日~16日 上越市総合運動公園テニスコート
シングルス
優 勝  鈴木愛香
2 位  保科葵
3 位  前山愛
28 県新人
今年の県新人は、1日目のダブルスで力を出せず、2日目のシングルスは心を引き締めて上位独占でした。
ダブルスは上位2ペアが下位シードに敗れ去りました。
鈴木・保科、前山・田辺には「今回はベンチコーチに入らないので、自分たちで状況を読み、ピンチには適切な対応を考えて対処して戦ってごらん」という課題を与えました。次の週に参加する全日本選手権ではベンチアドバイスが禁止されています。実業団や大学の一部リーグの選手たちと戦う以上、ベンチコーチが当たり前の高校の試合から自立していないとピンチにおけるリスクマネージメントができないのです。最終的には力のある選手は全国で勝てる力をつけてやる、特に全日本で勝てる選手を高校生の時から意識して育成していきたいと考えています。チーム北越が大事にしていることの一つに「自主性」があります。これまでも、この大会においては力のあるペアをあえてバラして下級生と組ませて負荷を与えるというようなトライを試みていましたが、今回は「ピンチにおいてベンチワークをしない」という負荷をかけてみました。
2ペアとも前週のAIZUカップでの戦いぶりもあり、また9月の秋の地区大会で前山・田辺ペアが県内大会1年以上無敗の鈴木・保科に土をつけるというドラマがあって、両ペアとも決勝での再戦に燃えていました。そこが落とし穴です。県内だからこそ、打倒北越で皆向かってくるのです。
いい学びをさせてもらいました。
勝って学び、負けて学び、喜びの中から学び、悔し涙の中から学ぶ。
人生、学びの旅です。
「学ばせていただいた」この気持ちを大切に、また1年、さらなる「本物の強さ」を築いてほしいと思います。

秋季新潟地区大会 9月8日~9日 新潟市庭球場
ダブルス
優 勝  前山愛・田辺なつき
2 位  鈴木愛香・保科葵
3 位  庭野真李・木村美月
※ 1年生庭野・木村 高体連の公式戦、初賞状! おめでとう!
28 秋地区0228 秋地区01

シングルス
優 勝  鈴木愛香
2 位  前山愛
3 位  保科葵


DREAM FACTORY 2016 盛夏(岡山インターハイ)

岡山IH 団体5位入賞!
ようやく見えた団体の頂上
「次は 絶対…」

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平成28年度 岡山インターハイ (7月28日~31日 岡山県備前テニスセンター)
団体戦
1回戦 ③-0 大村(長崎)

 松浦・大原 ④-3
 鈴木・保科 ④-3
 前山・田辺 ④-1
2回戦 ②-1 白鴎大足利(栃木)
 鈴木・保科 ④-2
 松浦・大原 2-④
 前山・田辺 ④-2
3回戦 ②-1 須磨学園(兵庫)
 鈴木・保科 ④-2
 松浦・大原 2-④
 前山・田辺 ④-3
準々決勝 0-② 和歌山信愛(和歌山)
 前山・田辺 (途中打ち切り)
 鈴木・保科 1―④
 和田・猪俣 1―④

困難で急峻な上り坂が目の前に続いています。
真夏の太陽が容赦なく照り付け、息も上がって心拍数も限界を超えて、それでも急な坂は果てしなく続いています。
3回戦、インターハイ団体ベスト8まであと一つ。1-1で3番勝負。相手は運動能力の高いベースライン平行陣。こちらは2年の田辺なつきと1年の前山愛のペア。前山はフィジカル面でまだ強化しきれておらず、動かされ続けるとミスが目立ちます。頑張ってラリーを続けるのですが、G1-3、追い詰められました。その時、不思議なことに、僕の脳裏には砂漠の中の白くてまっすぐな上り坂のイメージが現れて消えません。戦っている二人、ベンチ、応援団、その中の誰か一人でも、「苦しすぎるから、この辺でもういいんじゃない」って思ってしまったら、負けていたんだと思います。
春の選抜や秋の国体では上位入賞を果たせても、夏のインターハイで勝てませんでした。夏に勝つことを目標にしてチームを作ってきました。
ようやく、その壁を乗り越えることができました。
諦めずに1球1球戦い尽くしてくれた選手たち、このチームの夢に力を貸してくださっている全ての方々に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
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終わってしまった。
でも、去年と違って悔いはない。
やり切った。やり切ったけどかなわなかった。
私は1年ぶりに皇子先輩(去年の卒業生)と一緒に戦った。
1年前の悔し涙(2015盛夏 参照)を忘れずに、この1年間を生きてきた。目標は決勝で文大と戦って勝って日本一、だったけど、その前に和歌山信愛に負けた。
団体戦、苦しい戦いが続いた。本当に今日の戦いは苦しかった。1回戦、2回戦共にエース対決だった。相手にも意地がある。意地と意地のぶつかり合い、それがエース対決だ。
「苦しかったら、今までやってきたことを思い出して!」それは私がチームに言ったことだ。だから、苦しい時、思い出した。今まで弱い自分と向き合い続けてきた日々を。
この1年間の日々が私を強くしてくれていた。去年は1勝もできなかったIH団体で、何度も苦境を乗り越えて勝利できた。
信愛戦、3面展開で行われた。エース対決、よっしゃ!って思った。
1G目、P3-1。でも取り切れない。アゲインでWF。中盤、高速中ロブでバックを攻められた。返すのがやっとだった。あっという間にG0-3。チェンジサイズのベンチで先生から「エースが一番先に負けんな、コラ!」って言われて、ハッとした。左右はG1-2。粘っている。戦っている。このまま終わるもんか!って気合を入れなおした。P4-0で1G返してG1-3。でもそれまでだった。
前山・田辺はG2-2。互角に戦っている最中だった。最後まで試合をさせてあげられなかった。それが一番悔しい。
来年は、4人が核になって、今度こそ日本一取りに行こうね。
戦いが終わって、気が付くともう夕暮れだった。
丸1日、このチームで全国を戦えたんだ。
嬉しかった。
みんなついてきてくれてありがとう。3年生、1回戦のファイナル勝ち、今までとは違いましたね。姿見せてくれてありがとうございました。
今はっきりと言える。私たちチーム北越が今までやってきたことは苦しい道のりだったけど、確実に日本一へ近づいている正しい道だ。
絶対に何事からも逃げないぞ。先生、チーム、先輩を信じて、この「誠実な道」を貫いていこう。
さっき、皇子先輩に報告しました。
私たち、これからです。
さあ、1年後、福島インターハイで、今度こそ日本一!
(2年 鈴木愛香)

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愛(前山)は、個人戦とは別人のようだった。(前々日の個人戦ではリードしながらも二人の単純なミスで戦いを降りて敗退)
今までと違って愛が自分からたくさん声をかけてくれた。「ここ取りきろうね」「力抜いて。大丈夫。」「よっしゃ、挽回ね!」
でも、ミスが続くと全然目を合わせなくなる。また子供が出る。だから、「こっち見て」って言って、愛の目の奥を見る。
ミスへのイラ立ち、でも負けたくないという気持ち、複雑な感情がそこにある。
まっすぐに目の奥を見続けて、そこへ言葉をかける。
「みんなついてるから。二人で一本とりにいこ! 気持ち一つにして攻めよ!」
強気な言葉をかけ続けた。
苦しい場面でも、今日の愛はALL攻めを貫いてくれた。
愛、一緒に戦ってくれてありがとう。
準々決勝の信愛戦は3面展開。
鈴木・保科との試合前のハイタッチはあえて最後にした。目標の「決勝で文大と勝負する」までに、ここが一番厳しい戦いになると思っていたから。
二人とはハイタッチして、手を強く握り合った。
「信愛に勝ちに行くよ」そう誓い合って、それぞれの戦場に向かった。
信愛戦でも愛は互角に戦い、二人で一本の得点が多かった。
G2-2になった所で、他の2面がほぼ同時にゲームセットになり、私たちの試合は打ち切りとなった。
去年とはまた違う悔しさを残して、戦いは終わった。
信愛、負けたけど、そんなに差はない。
チーム力、チームとしての誠実さは、負けた信愛よりも優勝した文大よりもある。
私は誓える。私たちのチームは、どこのチームよりも誠実だ。本当に誇りに思う。
苦しい場面では、何度もベンチ見た。みんなうなずいてくれる。大丈夫、みんなついてるって思う。心一つにして戦うってこういうことも言うんだな。
試合が終わって、「なつき、愛、ごめん…」そう言われた。
私も悔しくて悔しくてたまらない。
最後の挨拶に並んだ時、先生が近寄ってきてくれて、ギュッと強い握手をした。
言葉は何もなかったが、先生の「次は絶対…」って思いが伝わってきた。
私は今まで、3年生と組んで、3年生の最後の大会という大会をすべて私のせいでつぶしてきた。本当に、今までごめんなさい。
今回の団体戦で、少しはその恩返しができたかなと思う。
今年の日本一を目指した戦いは5位で終わった。
とうとう、私たちのラスト1年が始まるんだ。
今日の悔しさもエネルギーに換えて、次こそ絶対…
(2年 田辺なつき)

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1,2年生で県大会を勝ち切り、岡山インターハイに臨みましたが、2ペアだけで勝ち切れるほど、インターハイは甘くありません。どうしても3年生の奮起が必要でした。監督としてできることは全てやりつくして後は選手を信じて一緒に戦うだけ、となった夜のこと、宿舎の床についてまどろみかけた時に携帯が光りました。こんな深夜に誰からだろうと開けてみると、3年の松浦からです。
「先生、外に出てイメトレ(イメージトレーニング)してたら、玄関の鍵閉められちゃったんです。すみません。何とかなりますか…」
消灯時間を過ぎても、自分で納得いくまで外の暗闇でラケットを振っていたのです。
配宿は播州赤穂でした。去年の自分、県大会やブロック大会の自分へのリベンジ、そして恩師や親への思い。ここにも赤穂浪士がいたか…、と胸が熱くなりました。

2回戦、シード校の白鴎大足利。
去年はこの段階で負けて終わった。
去年のリベンジということもあり、みんな燃えていた。
だけど、自分たちはまた勝利に貢献できなかった。
1回戦で1勝できたことで、また少し安心した。
だから、クソ試合をした。
応援席はどんな雰囲気だったんだろう。みんなががっかりするようなミスの連発。心が引けて腰が引けてゲームセット。
本来ならここで自分の3年間は終わりだった。こんなクソ試合で終わりだった。
実際、もう交代だろうって思っていた。
だけど先生は、またチャンスをくれる。
ベスト8をかけた須磨学園との試合前、岡崎に喝を入れられた。
また、人から言われてなのか…
でも、実際ぐっとくる。目覚める。
もうやり切るしかない。本当のラストチャンス。
覚悟決めてコートに立った。
相手は敵のエース。
勝てた試合だった。
G2-2でアドバンテージ。そこで自分がWF。勝ち急いだ。自分はここだったと思う。それから未来(ペアの大原)の固執。「そのコースは敵が張ってる」そう伝えたけどストップかからなかった。かけられなかった。
チームとして自分たちがここを勝ち切れていたら、どれだけチームは盛り上がり、一つになれただろうか。そう思うと本当に悔しい。
ただ、自分としてはあのWF以外はベスト出せたと思う。
負けた後、隣のコートで勝利して応援してくれていた愛香(鈴木)がハイタッチしてくれた。何を思ってしてくれたのだろうか。そして3番勝負、なつきと愛はG1-3からの大逆転でチームをベスト8に導いてくれた。
朋恵先生には、自分たちが敵のエースと互角に戦ってくれたから、敵の2番3番を倒せた、チーム全体の勝利につながっているんだよって言ってもらえて、少し自信持てた。
準々決勝、最後の信愛戦は栞璃(和田)にバトンタッチ。私がベスト出すまで声をからして応援してくれてありがとう。今度は自分が全力で応援する番だ。
5位の表彰式。立派な表彰式だった。やっぱりこのチーム最高だった。
そして何より、最後まで信じつづけてくださった先生。もうさすがにないよなって、自分が諦めかけているのに先生は私の復活を信じてくださった。今回も自己ベスト出すまで出させていただいた。本当に、今まで、何度も何度も、自分のために、自分を見捨てずに、何とかしようとしてくださった。クソ試合をしても、がっかりさせるような行動やプレーをしても、先生は最後まで…。本当に感謝しています。
きっと、他の強豪校とかだったら、絶対に途中で替えられて終わっていたんだろうな。
朋恵先生にも本当に感謝しています。
団体戦の前日、夜行で岡山に来てくださって、鈴木・保科の個人戦の応援ではなく、別コートの私たちの練習にエネルギーを注いでくださった。たくさんの言葉をかけていただいた。
こんな弱い自分に、いろんな人が力を貸してくれた。家族だって、自分が出るかどうかもわからないのに岡山まで応援に来てくれた。厳しい場面で自分に負けずにポイントして、ベンチやお父さんお母さんに向かってガッツポーズをする、そうやって戦うイメージを前の日の夜から何度もつくった。お父さん、お母さん、家でも厳しかった。でもだからこそ力になった。そしてIHの最後の舞台で一緒にガッツポーズを何度もできたこと、幸せでした。
今、振り返ってみると、本当にたくさんの人に支えられ励まされ続けた3年間だった。最後は、そうか、こんな気持ちなんだ。ここまで自分の夢を支えてもらっていたんだ。本当に感謝しかありません。
3年間が夢の舞台そのものでした。
ありがとうございました。
(3年 松浦明彩加)

IH16IH15IH02

今日一日、日本一目指して、一つになって戦った。
1~3試合目は、ベンチだった。
私たちの戦いはただの勝ち負けじゃない。
大事なのは、皇子先輩のようなガッツある元気・気迫、常に攻め続ける一歩も引かない姿勢、そういう北越らしさを貫くということだ。
ベンチから見ていて、みんなそういう姿で日本一を取りにいっていたと思った。
そして和歌山信愛戦。先生に「和田、行くぞ」と言われた。
私たち、貝瀬たちとやっと戦えるところまで来た。
3年かかって、地道に力つけて、大会でしっかり勝ち上がっていって、貝瀬と勝負する所まで来たんだ。
県外から選手を集めるエリート集団。私の相手は、全中チャンピオンの2年生の下江、3年生エース前衛の古田。
絶対に負けるもんか、そういう気持ちでコートに入った。
序盤はお互いの小さなミスもあり、G1-1。中盤も長いラリーが続く。決してかなわないというわけではないが、自分の何でもない一つのミスが大きかった。そして後半は猪俣がスマッシュを狙いに行くがそれを逆にフォローポイントされたり、中間ポジションの甘い所を突かれたりして、少しずつリードを広げられていく。
本気で勝ちに行って自己ベストで戦ったけど、結果はG1-4で敗退。とても悔しいけれど、信愛相手に自分はすべてを出し切った。
猪俣は得意のスマッシュをどんどん狙いに行った。アプローチのミスはなし。サーブも100%。自己ベストだろう。ありがとう。
私はIH直前でストロークがおかしくなった。当日朝の練習でも決して本調子ではなかった。でも本番の試合では先生やボール出しをひたすらしてくれた柳先生、昨日駆けつけてくれて練習に付き合ってくださった朋恵先生を信じてラケットを振り切った。面が薄いとか、フラットじゃないとか、1本もない試合、3年になって初めてかもしれない。だからといって勝ったわけじゃないけど、面厚く、ボールに魂を込めて打ち切れたこと、最後の最後で、私人間的に成長できたかなと思う。そして北越らしさ。信じる心、誠実に一球一球に魂込める。これが全国の舞台でもこうして立派に通用するんだ。
Child、チームを作れない3年…いろいろあったけど、北越に来て後悔したことは一度もない。
そして今日も思う。
一人ひとりのことをちゃんと考えて最後まで成長させてくれる。それがチーム北越だ。
こんなチームで3年間過ごすことができて、本当に幸せだった。
お父さん、お母さんにたくさん心配もかけた。
たくさんの人からもらった「恩」、それをこれから一つひとつ返していきます。
今までありがとうございました。
(3年 和田栞璃)

IH20IH21IH22

選手たちは今回の5位に満足していません。
3面同時展開で、一番競って戦っていた前山・田辺の試合を途中打ち切りにさせてしまったこと、キャプテンの鈴木はそこを一番悔やんでいます。
来年の夏へ向けた歩み、この和歌山信愛戦の負けがスタートです。
「雪国から地元選手で団体日本一」長年のチームの夢、また頑張ります。これからもよろしくお願いします。
IH23IH24IH25

※番外編

今年のサプライズTRIPは、瀬戸内海に浮かぶ小豆島へ行ってきました。
「二十四の瞳」って言っても、誰もわかりませんでした(笑)。テニスも人格も、そして教養も深めような。
IH28IH29IH30IH31IH32IH35


DREAM FACTORY 2016 初夏

3年生 深い絆で戦った北信越
北信越総体 団体・個人ともに銅メダル

H28.6.17~6.19  富山県 高岡市スポーツコア

北信越02

<団体戦>
1回戦  北越 ③-0 七尾(石川)
2回戦  北越 ②-1 高岡商業(富山)
準決勝 北越 0-② 金沢学院(石川)

個人戦は 2年鈴木・保科が3位!
新潟県として3年ぶりのベスト4

北信越01
<個人戦>
【大原・岡崎】
 1回戦 シード
 2回戦 ④-1 高岡西(富山)
 3回戦 2-④ 金沢学院(石川)
【前山・田辺】
 1回戦 シード
 2回戦 ④‐2 岩村田(長野)
 3回戦 ④-3 七尾(石川)
 4回戦 1-④ 能登(石川)
【鈴木・保科】
 1回戦 シード
 2回戦 ④-2 松本蟻ケ崎(長野)
 3回戦 ④-0 高岡西(富山)
 4回戦 ④-2 金沢学院(石川)
 5回戦 ④-1 高岡西(富山)
 準決勝 3-④ 金沢学院(石川)

うちの部にはマネが一人います。いや、正確には、かつていました。
そのマネは選手としてインターハイを経験したマネです。

岡崎楓は、新津第五中出身の選手です。
同期の和田、松浦、大原はジュニア時代から活躍していた選手(トップは全中優勝の見附の子たちでしたが)で、一人だけ無名の中学選手として北越に来ました。きっかけは、冬に北越高校で実施している新潟市内の中学生強化練習に参加したことだそうです。こういう明るく一生懸命な雰囲気の部活で自分を高めたい、そんな素朴な憧れで入部した子です。その無名選手が入学してから2か月後にはインターハイ出場を決めるのです。これがそもそもの「ボタンの掛け違え」でした。ペアとして組んだのが、去年リーダーとして炎のチームを作り上げた吉藤でした。でもあの頃は吉藤もまだ未熟な2年生、岡崎は入学したてでチーム北越が大事にしていることも、自分と向き合う厳しさもその価値も何もわからないうちにインターハイ出場を果たしてしまったのです。全国の高校生テニスプレーヤーが憧れてやまないインターハイ出場という栄誉をさしたる苦も無く手に入れてしまった。これではこの世界をなめてしまいます。こういうことは人生でもよくある話です。そしてこのような棚ボタ大ラッキーはその後の道のりを狂わせることが多い。悪い予感はやはりその通りで、その1年後の県総体で、吉藤・岡崎ペアはまさかの3回戦敗退。それでも出場を決めたインターハイ団体で花を咲かせてもらいたくて、岡崎には多くの宿題を課しましたが、岡崎はその試練に応えることなく、逃げ出してしまいました。ひと夏ぐるぐると彷徨いましたが、お家の人の我慢と温かい見守りで、なんとかドロップアウトだけは踏みとどまって、2学期からマネとして復帰しました。当初はマネとしても自己中心的な部分が多くありましたが、後輩たちとかかわりながら、岡崎は人間として少しずつ成長していったと思います。
今年の3年生は1年次から、多くの全国大会へ代表選手として出場してきました。ただ、1,2年の時はイノセントでいられるので思い切って挑んでいけばいいのですが、2年の夏以降は、最上級生としてチームをまとめあげていく責任が生じます。この1年間、責任あるリーダーシップがとれる人間となるよう、3年生にあらゆる場面で指導してきたのですが、なかなか思うように育てきれませんでした。このDREAM FACTORYでも紹介したように、今年の県総体は1,2年生で団体優勝旗をもってきました。
ですが、3年生がこれで終わっていいわけはありません。奮起を促し、あるべき自分と現実の自分とを向き合わせ、さらに一歩上の自分を追究させたい。3年生という期間はとても短いですが、僕は3年生が3年生の間に成長することは、彼女らのためにもチームのためにもとても大切なことだと考えています。
今回の北信越は、県総体で実力を発揮できなかった3年生をあえてメインに据えて戦いました。
ほぼ自己ベストで戦えた3年生、その核になったのが岡崎でした。

春季地区大会の直前まで、マネをやっていた岡崎が、急遽選手として出場し、インターハイをかけた県総体個人戦、ギリギリの勝負に競り負けはしたものの、大原の自己ベストを引き出し、そしてこの北信越大会で松浦・大原の力を発揮させるまでの軌跡を彼女のテニスノートを中心にたどってみます。

遡ること数ヶ月、3年生になる春休みの岡崎のノートから。

今日は、朋恵先生が来られた。それぞれの課題をメニューにしたような応用練習がたくさんできた。先生がセンバツでいない中、マネの私がもっと発想力と提案力をつけられたらいいのに。
練習後、竹内先生と話す機会があった。最近思っていることを話してみた。「自分、マネージャーになってよかった。」ってこと。自分が物事を客観的に見れるようになったキッカケは、マネージャーになったことだと思う。選手として、自分の課題に追われていた時は自分のことで精一杯だった。今はもっと全体を見る余裕が生まれた。
先生が言うことすべてが本当にその人のため、その人の幸せのためなんだって気づいて、私の中に深い尊敬の思いが生まれた。そういう風に見方が変わったら、ほんの些細な一言でも、すごく幸せになれる時がある。以前の私には何も見えなかった。目の前の幸せを逃してきたのが、すごくもったいない。大原、松浦にも気づいてほしい。インターハイの前に気づいてほしい。
自分は2年生の夏に逃げて、選手をやめ、今はマネージャーやってるけど、もううしろめたさはなくなった。今までは1年生とBチームを見てきたが、これからは同じ学年の3年生とどう関わっていくかが自分の大事な仕事なんだな。(3月26日)

なぜ3年生が本番で力を出せないか。先生が考えるキッカケになる話をしてくださった。北越が代々受け継いできたもの、それは自主自立の精神だ。いも虫の話…。いも虫はいも虫でいる方が絶対に楽だ。目の前にある葉っぱをむしゃむしゃ食べて寝て、起きてまた食べてまた寝て…。でも似ても似つかない蝶になぜ成ろうとするのか。あえて自分をグチャグチャにぶっ壊して、全く違う形に変態して、危険な空に残り少ない自分の「人生」をかける。蝶はそれが本能だ。けど、人間だって「変態」する必要があるはずだ。今までの居心地の良い自分を捨てて自分を変える。先生は絶対に変われると言う。でもすごく勇気のいること。変われたら、きっと「あの時の自分は…」って人に話せる。
私は入学したての頃は、人間性がコートで出る、なんて言われても、正直、よくわからなかったし、実際のところ、信じてもいなかったかもしれない。でも2年目にして良くわかる。大原、松浦なんか見ていると本当に良くわかる。全部コートに出る。先生はよく言う。3年はチームを作れ。3年生の試合は必ず責任感が強さになる。逆に言うと、責任感の伴わない3年生は1,2年の勢いに負ける。
今日だって、大原、松浦はチームに何をした? もう忘れたのか。この前の遠征帰りにバスで伝えたこと。田辺、岡村の代の先輩たちから教えてもらったこと。皇子先輩から伝えられたこと。もうチームに興味ないのか。もう仲間に興味ないのか。後輩はどうでもいいのか。3年生の力は技術だけじゃないんだって。チーム作り、後輩に任せっきりでいいのか? 私は嫌だよ。だって私たち4人って、1年生の時Aチームで伸び伸びとやらせてもらってきたじゃないか。何の責任も考えず、そういう部分は全部先輩がかぶってくれてたんだよ。少なくとも、1年生にはインハイまで伸び伸びやらせてあげようよ。それ、うちらの責任だよ。(3月30日)

これからハイジャパ予選、地区大会と続いていく。先輩方のドリームファクトリー読んだ。まずは石井・依田先輩、命先輩の「普通の子3人で叶えたインターハイ」の所。
私はもう選手ではないけれど、こういうペア力に憧れていたなと思い出した。先輩たちは最後の県大会直前でも、ペアのこと、チームのこと、そして自分がチームやペアのためにするべきことを書いている。常にペアとチームとぶつかっている。本気でぶつかり合って、本音で言い合って、最後はペアと自分を信じて戦う、という感じだ。
私も大原、松浦ばかりに力を注いでいてはだめなんだな。チームが最後に底力を発揮できるようにチーム作っていかなくちゃだな。先生はいつも誰かのために戦え、という。だから苦しい時に頑張れるんだよ、と。
私が本気でチームに力を注いだら、いつかコートの外にいる私から選手が力をもらえる時がくるだろうか。(4月18日)

この4月の予感めいた岡崎の想いが今回の北信越大会で現実になろうとは本人も全く予測できなかったと思います。その上、まさか自分が北信越のコートに立つなどとは夢にも思っていなかったはずです。運命は面白い。
大原未来という3年生がいます。小学生からテニスをしていて、とても恵まれたセンスをもっています。ところが感情コントロールがきかず単純ミスから自己崩壊していくタイプの選手で、メンタル面を中心に改善を図ってきたのですが、なかなか指導が身につきません。ただ、この大原がなぜか岡崎と組むとメンタルがいい状態でいられるということに気がつきました。長くペアを組んできた和田や松浦ではコントロールが効きません。僕が指導しても納得いかない顔をしているのに、岡崎と話すと素直な表情になって戻ってくるのです。不思議な関係です。この二人、普段から特別に仲がいいというわけではないのです。ですがテニスコート上で一緒になると、お互いのいい所が出てくる。1,2年生がぐんぐん伸びてきた結果、3年生4人で2ペアを組むこととし、思い切って大原・岡崎で最後の県総体にかけてみようと決心しました。ペアというのは本当に不可思議です。エース前衛とエース後衛を組ませても必ずうまく機能するというわけではありません。このあたりが二人で戦うことを基本とするソフトテニスの面白い部分でもあります。もちろん、岡崎は春までマネでしたから、ペアとして考えた時に技術的なマイナスは生ずるでしょう。ですが、岡崎にしかできないこともあります。特に大原と組む場合は、大原が自己コントロールを失わないで戦い抜けるかどうかが最大のポイントです。力のある選手です。しかし敵と戦う前に自分の中にいる敵に食われてしまう、そこが大原の最大の問題でした。岡崎と組むことによる技術的な減ポイントが-3だと仮定して、岡崎と組むことによる心理的な加点ポイントが+5だとすれば、技術的減ポイントがないペアと組んでも心理的に崩れる可能性が-5なら、岡崎と組む方がチャンスはあるでしょう。そして、僕にその勝算もあったのです。
県総体、ベスト8決めで長岡商業のエースペアとあたることになりました。大原が崩れないのなら、互角で戦うと踏みました。

H28県総体開幕。
大原・岡崎ペアは、順当に4回戦まで失ゲームゼロで勝ち進みました。序盤~中盤に必ず雑なミスが重なる大原が勝負となる決戦まで失ゲームゼロというのは、それだけ心技体が充実しきっていたことを意味します。そして勝負の5回戦、長岡商業のエース平行陣との対決です。
序盤、岡崎のミスが入り苦しい場面もありましたが、大原は自己ベストで戦い抜きました。最後まで自分のストロークを笑顔で貫き、岡崎とコミュニケーションをとって、何本もエースを取りました。
G3-2リード、第6ゲームでは陣形が崩れた時のフットワークが乱れ、ファイナルに突入しました。ファイナルも一進一退の攻防でしたが、あと一歩及ばず、二人のトライはベスト16=北信越大会出場で終わりました。

県総体14県総体13県総体15

大原は自己ベストで戦った。負けて泣いてから、「大原、自己ベストだったよ」って声かけた。私と組んで、自己コントロールを失わなかったのは、3試合目。そして今回が自己ベストだ。先生に「(相手が)もってくるボールだけ止めろ」と言われた時、正直、そんなに全部任せて大丈夫なのかと思った。でも、そんな心配は不要だった。あれほどナイスボールを何十本も打ち切れるものなのか。練習では絶対にない姿だった。それから、いつかの遠征の帰りにバスで「試合中にも大原からのコミュニケーションがほしいんだ」って伝えたことがある。大原、今日はたくさん声をかけてくれた。私の単純なミスは相変わらずあったが、それでも戦いは最後まで互角だった。私はファイナルの4ー6からなんとかしなくちゃと思って動いた。でも4ー6からじゃ遅いんだ。リスクを負うプレー、先生の指示がなくても勇気出して勝負したらわからなかった。もしかしたら、それで負けていたかもしれない。もしかしたら、それで勝ってインターハイへ行けていたかもしれない。それは誰にもわからない。でも私はリスクを負わなかった。そして負けた。
この悔しさは、ここで終わらせてはいけない。まずは明日の団体戦だ。
敗者は心で泣いて、潔くチームのために笑顔で力を注ぐ。団体スタート!(5月27日)

このDREAM FACTORY「2016 春」でお伝えしたように、今回の県総体は1,2年生の成長と強い自覚で勝ち抜きました。結果として、3年生が自己ベストを出せなかった。特に、和田・松浦は3回戦敗退というまさかの番狂わせで敗退しました。
北信越を前にして、3年生には、自分を見つめ、弱さと向き合い、本気でぶつかりあうことで、自分の限界をぶっ壊し、それを強い意志で超えていってほしいと願っていました。

昨日、松浦といろいろ話せた。松浦の思いも聞いた。悩みも聞いた。大原がどう言おうと、松浦には「私」を目の前の「私」として見てほしい。ありのままで見てほしいって伝えた。
そして今日の練習後、3年生4人で本気でぶつかった。いろんな本音が出た。最初は私の言うことに反発していた大原も最後にこう言ってくれた。「岡崎、今まで誤解してた。岡崎が私にしてくれていたこと、それが何のためなのか、先生に言われてやっとわかった。今までヒドイこと言ってごめんね。私、岡崎と頑張りたい。」大原が誰に言われたわけでもなく、自分の意志で私を呼んで涙で顔くしゃくしゃになりながら話してくれた。嬉しかった。わかってくれたんだ。「よろしくお願いします。頑張ろう。」って、二人とも涙の笑顔で握手した。(6月5日)

3年生は絆を深めながら、北信越大会を迎えます。
北信越、個人戦前夜のミーティング。

ミーティングで先生が前山(1年)に本気で心から伝えているのを見ながら、「自分、気付くのが遅かったんだな。」って悔しい思いで聞いていた。先生は夢を叶えるためにはどうしても今のままじゃダメなんだって、必死に伝えようとしている。先生は前山に成長してほしいって強く願っているんだ。
本当は、自分も1,2年生の時、こうして何度も伝えてもらっていたんだよな。あの頃はまだガキで考え方も幼くて、先生の伝えようとしている真意がわからなかった。目の前の壁をつらいこととしかとらえられなかった。
自分、3年になってもう一度選手やることになって、練習中の1本のミスを流せなくなった。1,2年の時はわからなかった。口じゃ色々言ってても、正直ミスを深く気にかけてなんていなかった。ありえない…。なんで今更わかるんだよ…。
悔しいけれど、自分が選手として日本一を目指すには、もう遅い。
でも、日本一のためにできることがある。
明日の個人戦が私と大原の最終戦だ。この大会にすら参加できなかった和田と松浦の分まで戦い抜く。(6月17日)

大原・岡崎の最終戦。
1回戦 シード
2回戦 ④-1 高岡西(富山)
3回戦 2-④ 金沢学院(石川)
団体優勝することになる石川1位の高校のレギュラーでした。
ゲームカウント2-2と互角にわたり合いましたが、フットワークの甘さから失点につながり突き放されました。
岡崎は、自己ベストでしょう。1年生でインターハイを決めた時でさえ、ほとんどはペアの吉藤がゲームを作り、おいしい所だけいただいた勝利でした。3年の県総体、大原のベストを引き出したメンターの役割はすばらしいものでしたが、自分で勝負して戦ったわけではありません。今回は勝負しました。県総体の悔いをこの戦いに活かし、何度も勝負しました。その時、岡崎がどこから力を得ていたのか、彼女のノートを見て初めて知りました。
そして、次の日の団体戦、3年が4人で心を一つにして戦っていたことも。

北信越03北信越06北信越05

北信越、個人戦。
3回戦、金沢学院の秋本・山森に2-④負け。
序盤、相手はセンターから入ってきた。それを私は読んで2本きれいに止めた。G1-0リード。でも簡単にゲームをとれたことで少し安心した部分があった。その小さな緩みが大原にも伝染したような気がする。相手は二つのコーナーを有効に使って攻めてきた。中ロブにも苦しめられた。G1-2で逆転される。そこでのベンチワークで、朋恵先生に「座布団!」って言われて、自分に喝を入れた。相手の最大の武器であるクロスボールを狙いにいったがフォローされて得点にならない。P1-3だが勝負に出た。県大会で、リードされていながら勝負できずに負けた、そんな試合だけはしたくなかった。クロスシュート、ポーチ! 相手は気にしてネットした。そこから流れがきて、G2-2に追いついた。だが、そこからこっちの攻めが甘い。前衛に仕事され、大原もアタックにいくが、その2次攻撃に足がついていかず失点。それが3本あった。そしてゲームセット。
ただ、大原は前にバスで私と約束したこと、ちゃんとやりきってくれた。私がミスしても「大丈夫、私が全部取る!」すごいことを毎回言ってくる。でも嬉しかった。
そして、3年全員で戦えたのが何より嬉しい。苦しい時、自然とベンチの後ろに目が行った。そこには和田と松浦がいる。二人ともすごい声で応援し続けてくれている。敵の応援団が30人くらい、うちは二人。それでも二人の声はしっかりと届いた。リスクを負って勝負に行こうと思う時、二人を見る。そして勝負してポイント取った時も二人を見る。二人とも両手を突き上げてガッツポーズしてくれている。松浦、和田、ありがとう。
もちろん、悔いがないわけじゃないが、私は最後、自分のすべてを出して、3年4人で戦えた。
明日は、私の番。
先生が、もう一度3年生にチャンスをあげたい、とおっしゃってくれた。
それなら、明日は私たち、この会場のどの3年生よりも濃く充実した1日を生きなければならない。
3年間の想い、どこよりも強く!
(6月18日)

北信越09北信越10北信越11北信越12
北信越、団体戦3位。
準決勝で、優勝した金沢学院に負けた。
チャンスをもらった3年 松浦・大原は、準々決勝の高岡商業戦で、ひどい試合をした。
応援しながら本当に悔しかった。普段言われていることをやっていないミスの連続。それがどれだけ応援する者をがっかりさせてしまうのか。
2番3番が勝って、準決勝に進むことになった。選手交代はなし。先生は3年を最後まで信じてくれてる。
試合に行く前、松浦と大原を呼んで伝えた。
「ねえ、やることやろうよ。私の分までリベンジして! 私はフェンスの外だけど、一緒に戦ってるんだよ。自分らだけが戦っているわけじゃないんだって!」
そしたら、大原が泣きながら「ごめん、岡崎。背中たたいて!」って。
背中に想いを込めて、握手もして、「よし!」って心一つにしてコートに送り出した。
松浦・大原の相手は、敵のエースペア。3年同士の戦いだ。
あいつら、やってくれた。本気で敵のエースを倒しにいってくれた。
数え切れないくらい、大原は私の方を見て目を合わせてくれた。そして強くうなずき合えた。ガッツポーズもどれくらい一緒にやっただろうか。欲を言えば勝ちたかった。勝って1,2年生につなぎたかった。
心を熱くさせてくれる試合だった。でも負けた。
先生も言う。
確かに戦った。そして競った。
でも負けだ。
勝ちきるには不足している部分がいくつもある。
できないのではなく、やることを怠っている部分が必ずある。
やっぱり、私は3年には自己ベストで戦ってほしい。
大原は私と組んだ時と松浦と組んだ時の心の違い、もうわかるはずだ。それを自分の言葉で明彩加(松浦)に伝えてほしい。そして明彩加はそれを受け入れること。そしてペアを作っていくこと。
3年、岡山インターハイまで残り40日、「苦しい充実」精一杯明るく生きよう!
(6月19日)

先日、国体2次選考会があり、岡崎は和田と組んで、北越選手としての最終試合に臨みました。
運命ですかね。同じリーグに、また長岡商業のエースペアがいます。
戦いは選手に任せました。自ら考え、判断し、苦境においても状況を読んで作戦変更し、なんとか勝利につなげていく力を信じて戦ってほしかったからです。
結果は負けですが、岡崎は県総体とは全く違う選手として戦いました。
相手の心を読み、自分の判断でどんどん勝負しました。リスクも負ってスマッシュを狙いに行きました。
当然ミスも多くありましたが、フォワードがフォワードとしてポイントを取りに行く姿勢をゲームセットのコールまで貫きました。立派な戦いでした。
みなさんのチームには、途中でドロップアウトしていく仲間はいますか?
北越でもあります。
岡崎もその道へ行く可能性がありました。
でも、「その道」ではなく、「この道」に帰ってきて、こんな素晴らしいエンディングを迎えることができました。
温かく見守ってくれたお家の方に感謝しましょう。
未熟な人間がより確かな人間になるために、この場で自分を磨いていく。挫折はあって当然です。むしろあった方が良い。でも、その挫折した時に、「その道」に行ってしまうのではなく、「この道」で泣いて、苦しんで、もがいて、仲間とともにまた「この道」を歩み始める。その意志が動くこと、それが一番価値のあることではないかと思います。
どこで目にしたのかは忘れました(本だったか、曲だったか…)が、印象に残っている一節があります。

乗り越えられない時には、乗り越えなくていいんだよ。
乗り越えられないなら、ただそこにいればいいんだ。
その場から逃げ出さなければ、それでいいんだ。
いつか、乗り越えられる日が来るかもしれないじゃないか。

選手、引退しました。
最後、泣いたのは、選手じゃなくなることが悔しかったのではなくて、先生とギュッと心のこもった握手ができたことが嬉しくてなんです。
大原と組んで県総体で負けた相手にリベンジしたかったな。
でも、あれが自分なんだ。
今回は、どんどん得点を取りに行った。でもミスになる。
ただ、北信越から自分、リスクを負って思い切り勝負するようになった。遅かったけど、勝負する前衛として最後戦えてよかった。
津野先生、朋恵先生、竹内先生、柳先生、セルシーの村上先生、医科学センターの皆さん、西野さん、整骨院の先生、鍼灸院の先生、そしてお母さん、たくさんの人に支えてもらった選手生活でした。
ものすごく濃い充実した月日でした。
ありがとうございました。
先生、これからもよろしくお願いします。
私は他の3年生、このままで終わらせません。
(7月9日)


DREAM FACTORY 2016 春(県総体)

県総体 団体5連覇!
2年生 フォースの覚醒
「今までとは違う自分が確かにそこにいた」

県総体01

平成28年度 新潟県総合体育大会 (5月27日~29日 新潟市庭球場)
個人戦

1 位  鈴木愛香・保科葵
2 位  前山愛・田辺なつき(以上、IH出場)
ベスト16 大原未来・岡崎楓(以上、北信越大会出場)
4回戦 阿部玖瑠実・冨樫美咲
     阿部瑞希・猪俣佳矢乃
     庭野真李・木村美月
3回戦 和田栞璃・松浦明彩加

団体戦
準々決勝  ②-0 中越
準 決 勝   ②-0 新潟産業大学付属
決  勝    ②-0 巻
 前山・保科 ④-0 蓮沼・石山
 鈴木・田辺 ④-2 古澤・藤田
 大原・岡崎 1-2  宮下・田中(途中打ち切り)

1~2日目の個人戦で、金銀メダルを手にしました。決勝の同校対決は何年ぶりでしょうか。
しかし、個人戦で決勝同校対決を果たした学校は、僕の記憶では団体で優勝できなかったケースの方が多いように思います。
それほど、県総体本番中の個人⇒団体の調整は難しい。
結果から見れば、個人戦金銀。団体戦も全勝で優勝と危なげなく見えるでしょうが、実際は全く違います。

3日目最終日の団体戦、2面に開かれた決勝戦は流れとして非常に危ない方向へ向かっていきました。

2年生保科と1年生前山が組んだ第1対戦は、保科が力強く前山をリードし、前山も自己ベストの戦いでまっしぐらに勝利しました。
完勝でしたが、責任感の芽生えた保科は、その重さゆえ、朝の練習では最悪の出来でした。
ですが、その最悪の中でも、自分を見失わない精神的強さが備わっていたことは、その日のテニスノートからよくわかります。

2年 保科葵のテニスノートから
県総体 3日目、闘いの日!
結果、優勝!
岡山での挑戦権の切符、勝ち取った。ありがとう、みんな。
朝、練習中、全部のプレーがうまくいかなくて不安がたまっていた。試合形式をやっても本当に何もできない。こうプレーしたいけど、その通りにできない。
緊張と不安が混ざって涙が出てきた。
自分が、またこのチームの夢を終わらせるのか…。
この不安がペアの愛(前山)に伝染していった。表情が曇る。元気がなくなる。
その時、我に返った。
愛は1年生で、初めての高校県総体。中学とは全く違う雰囲気。その団体戦だ。こいつにだって不安はあるはず。自分よりもずっと大きい不安と戦っているに違いない。
自分が泣いててどうする!!
去年の悔い、岡山でリベンジするんだろ!
自分に強く言い聞かせた。
不安はある。でも私だけじゃない。
自分には、不安はあるけど、やらなければならないことがある。
みんながついてる。
ここにきたら、もうやるしかないんだ!
自分が先輩! 愛のベストを引き出すのも私だ。

県総体04県総体03県総体06

一方、隣で行われていた第2対戦、2年鈴木と田辺が組んで戦った試合は、序盤リードされ苦しい戦いを強いられました。理由として挙げられるのは、鈴木の責任感が自らの動きを固くさせてしまい、プレーの選択も少し無難になってしまったこと、これまでゲームの入りで熱く戦えずに失敗してきた田辺が強い気持ちをもって戦ったのは良かったのですが、逆に闘争心が前に出すぎてしまい(生理的には交感神経過剰優位の状態)、最適の自律神経の状態でなかったこと、そして準決勝で大逆転をくらって3番勝負へもつれさせてしまった巻の二人が気持ちを入れ替えて戦いに臨んできたこと、等があげられると思います。
実際、厳しい場面でした。G0-2、P1-2までリードされました。ポイントすべき絶好の場面で田辺のミスが重なり、負けられない戦いであることを一番よくわかっている鈴木はゲームを落ち着かせようと大事に配球しますが、それが敵のポイントになる。一方、隣で始まった第3対戦、大原・岡崎の3年生ペアは、岡崎にサーブレシーブで緊張に耐えきれない弱さからくるミスが出始め、そうなると大原も精神的に落ち着かなくなり中盤でリードされていきます。このまま第2対戦で鈴木・田辺が敗れていたら、個人戦金銀校が団体を落とすという最悪ストーリーに陥っていたでしょう。
しかし、この苦境をターンオーバーできたのは、2年生たちの大きな進化があったからでした。

DREAM FACTORY、今年の県総体はいわば「2年生3人のフォースの覚醒」がキーだったと思います。

今年は秋からなかなか3年生がチームを作れない中、春の選抜からこの日まで、2年生は誠実に自分と向き合ってきました。春以降、鈴木と保科はエースの自覚とともに、チームの核としてチームつくりの主体として動くようになっていました。
毎日のノートを見ると、まず鈴木が去年のリーダー吉藤との心の絆、そして強い信頼関係をつくっていたのだとわかります。何より、昨年の奈良インターハイ、あと1勝で吉藤をコートに立たせるという約束で戦った2回戦、鈴木はファイナルのP5-6から自分のミスで約束を果たせなかった。彼女はその悔しさを1年間心に刻んで生きてきたような気がします。
決勝の前日夜のミーティング、今は大学でテニスを続けている吉藤からのメッセージを伝えました。その中には、こんな言葉がありました。
「ねえ、みんなもうわかるよね。なぜ北越が苦しい時こそ強いのか。それは心を鍛えているからだよ。」

キャプテン鈴木愛香のテニスノートから
個人戦、まず優勝旗を1本手にした。でもまだだ。「本当の優勝旗」はまだ返還したままだ。私は去年のインターハイのリベンジをしなきゃいけない。
個人戦で結果を残した学校が団体も強い、それは全く違う。2,3年生はわかる。どれだけチームが心を一つにして戦えるかだ。1年たった今ならよくわかる。
去年は皇子先輩
(吉藤:今年の卒業生)がハートを作ってくれた。今年は逆の立場だ。
どのチームも打倒北越で向かってくる。
でも、うちらも向かっていく。岡山インターハイへ向かっていくんだ。だから気持ちで負けない。
私は、皇子先輩の気持ちも背負って必ずリベンジしますから。
誰よりも誠実にやってきました。
だから、仲間を信じ、先生を信じ、そして自分を信じて戦います。
「本物の優勝旗」とってきますね。
先輩方からのメッセージ、ありがとうございました。恵理先輩、葵先輩、エースのバトン、しっかり受け取りました。エースとしてチーム引っ張ります!
さあ、こっからだ!
(5月28日)
県総体02県総体12

県総体 最終日。
皇子先輩とリベンジ!
団体優勝。5連覇で岡山IHに行くことが決まった。
決勝戦、やっぱり相手は巻高校だった。
私は去年、この手で奈良インターハイでの戦いを途中終了させた。その借りがある。「あと1勝」をベンチで待っていた皇子先輩のためにも、絶対に団体切符を渡すわけにはいかない。
決勝の前、田んぼに向かってみんなで叫んだ。
私は、「エースとしてチャンピオンシップ貫きます!」と宣言した。
そして、個人戦で決勝を戦った4人で、「うちらが絶対に勝とう」って誓った。
個人戦の決勝で力を出せずに負けた、なつきと愛に「個人の試合みたいではダメだ」って伝えた。
葵とペアは分かれるけど、私たち二人が引っ張らなけらば、って思っていた。
皇子先輩が送ってくれたウサギのぬいぐるみを抱いてコートに入った。
いよいよ始まる。
整列すると、相手は古澤・藤田。地区大会の個人戦で負けた相手だ。だから「よっしゃ」って思った。
プレーボール。
なんかおかしい。気持ちを作ってラケット振っているのに、ボールが短い。
ミスはそんなになくても、自分の少しの「守り」の気持ちから、先手を取られる。
なつきも焦りからか、練習では考えられないミスの連発。
冷静になって、「守っちゃダメだ!」って強く思った。
少しずつ、攻めのリズムが戻ってきた。
攻めてポイントした時の、先生や仲間、応援席がグワアーって喜んでくれる光景を見て、負けていたけどなぜか負ける気は全然しなかった。
G1-2 レシーブゲーム。P2-2、ここで流れが変わる。
古澤のファーストサーブに対して、私はこれまで全て高さをつけて返球していた。それでミスもあった。P2-2、しっかり打ち切った。正直、自分の打ったナイスボールに驚いた。
G2-2 サーブゲーム。長く続いたデュースアゲイン、セカンドサーブの後の3球目、サイドパス。前衛は反応できなかった。
この2本で、流れはこっちにきた。
今思うと不思議だが、私はこの時の心情を覚えていない。なんでそこに打ったのかも覚えていない。体が勝手にというか、気づいたらポイントしていた。自分じゃないみたいだった。
皇子先輩が言った「ギリギリの場面でなぜ北越は強いのか。それは心を鍛えているから。」という言葉の意味が分かった気がした。
こういう時にちゃんと自信を持って打ち切れる、ってことなのか。
県総体の前、レシーブに自信が持てなくて、ずっとレシーブ練習していた。この1本のためにやってきたんだなって、今になってわかる。妥協しないで良かった。
勝ったけれど、試合序盤の変なプレーの選択、ボールが浅くなることも、選手としてはまだまだだ。なつきも戦っていたけど、このままじゃダメだ。私も、なつきも、チームを巻き込んで成長しよう。

私たちが勝ってIHが決まった時、3年生は泣いてお礼を言ってくれた。でも私の目標はここではないから、嬉し涙はまだ。でも、コート出る時に先生に「サンキュー、よくやった」って言われた時は、緊張が解けて涙があふれた。今回の試合は今までで一番重い「バーベル」を背負って戦った。そして苦しい試合を勝ち切れた。これを力に換えたい。

チームとしても、実際まだまだ。これからが「本当のスタート」。IHまでギア上げて、私がチーム作る。皇子先輩のバトンは私が受け取りました。
「自分の弱さ、甘さをそぎ落とし、強さと誠実さを作り上げる」栁先生が伝えてくれたこと。全国で勝つために、自分と向き合おう。Intensity 強さをつける!
(5月29日)

「誰よりも誠実にやってきた」戦いの場面で選手がこう思えること、それは毎日の積み重ね、毎日の自分との対話から生まれてくる思いでしょう。去年の夏からの1年間は、鈴木にとって重いけれども、その重さの先にある強さを手に入れるための道のりだったのだとわかります。

このゲームのターンオーバーのきっかけは、鈴木の迷いなく振り抜いた2本のストロークに加えて、田辺のG0-2ゲームポイントでの目の覚めるようなディフェンスボレーだったと思います。まさに吉藤の言う「苦しい時の強さ」を表現できたプレーでした。
序盤に田辺のミスが続いたといっても、攻めてのミス、ポイントを取りにいってのミスでしたし、ゲームの主導権を握られていたわけではありませんでした。ただ、逆クロスからもってこられた正面アタックをノータッチスルーしてしまったこと、こういうことがあるとこれまでの田辺はミスを怖がって戦いから降りてしまうことが多々ありましたので、そこだけ見ていましたが、この日の田辺はもう以前の田辺ではありませんでした。冬の北信越選抜から何度も繰り返してきた失敗を経て、もってこられてポイントされたプレーでさえその心理を利用できる強さを身につけていました。この日のテニスノートを見ると、この2本のアタックの間に田辺の心の中で何が起こっていたかよくわかります。こうして交感神経過剰優位の状態から冷静さを取り戻し、その後も攻める姿勢を全く緩めずポイントに絡み続けました。序盤でミスがあっても勝利まで攻め続けるフォワードの姿がそこにありました。
「今までとは違う自分が確かにそこにいた」
戦いが終わった夜、田辺が自分のノートに記した言葉です。
なんと深く、そしてなんと清々しい言葉でしょう。
県総体09県総体11県総体08

田辺なつきのテニスノートから
団体決勝。
今までにないくらいの緊張。
「ぜってぇ、勝つ」っていうメラメラを作って入った。
いい緊張とメラメラで戦いたかったけど、序盤ハカハカした。
3年生のために勝つ!っていう思いが自分の中で焦りになってしまった。
ゲームの序盤、自分の周辺に集まってくるボール。取りに行くけどチップ。もってこられた正面アタックをスルー。チャンスボールを決めにいくけど勢い余っての大アウト。そういうポイントが何本もあった。
相手は打倒北越。向かってくる。そういう怖さももちろん想定済だったけど、G0-2。
取られたらG0-3と追い込まれる厳しい状況、ポイントを取り合って、なんとかゲームポイントまでたどり着く。逆クロス、愛香がつないだボールを相手は踏み込んでアタック。序盤でスルーした時と同じシーンだ。あの時はタイミングはバッチリだったはずなのにスカした。相手が高い打点で打ってくるのに低く入っていたからだ。だから、しっかり上から目線で。そして「来いや!」と心でつぶやいた。やっぱり来た。バッチリ跳ね返した。これでG1-2になって、チェンジサイズだ。
私は、このプレーをきっかけにして攻めに転じた。相手のミスが多くなる。こっちのポイントが増えてくる。
愛香には強気な言葉をかけ続けた。
「しっかり振り切れ!」「攻めるぞ!」
愛香はこたえてくれて、「おりゃー!」って何度も相手コートに力強いボールを打ち込んだ。
完全に流れは変わっていた。

中盤から自己修正して、逆転できたことは成果だと思う。
もし、今までの自分みたいに、小さな気のゆるみや弱気が出ていたら、全国切符は巻がもっていったと思う。
精神的にとても苦しい試合だったけど、確かに今までと違う自分がそこにいた。
自分の大きな財産にして、次につなげたい。

今日で、激しい3日間の戦いが終わった。
IHの切符は手にしたけれど、自分では全然納得していない。
目指すのは日本一だ。
もう一段ギアアップして「自分の中の弱さと甘さをそぎ落として、強さと誠実さを作り上げる」
自分は3年生にたくさん借りがある。
だから、3年生のために戦った。
今年が1,2年生主体のチームだとしても、全国の3年生エースに負けないくらいの気迫あるチームを自分たちで作るよ。
もう、代替わりなんだ。
私には、ラスト1年しかないんだ。
この北越に来て、ラスト1年。自分がチームの「気」を磨き上げて、日本一のチームにします。
さあ、ここからがスタート!


DREAM FACTORY 2015 冬

2年ぶりに全国選抜へ
富山、石川には完全敗北
チームとしてもアスリートとしても甘さからの脱却を
H28.1.15~1.17  石川県小松市 こまつドーム

北信越選抜
<団体戦>
北越 0-③ 高岡西(富山)
北越 ②-1 北陸(福井)
北越 0-③ 金沢学院東(石川)
北越 ③-0 東海大三(長野)
2勝2敗で1位校リーグ3位

<全国選抜 第3代表決定戦>
北越 ②-0 七尾(石川):2位校リーグ1位

あれから1年が経ちました。
あれから、というのは、ちょうど1年前、この大会で全国選抜を逃してから丸1年ということです。
あの時、(もう時効だからいいでしょう)大会出発の朝に1年生のレギュラーがインフルエンザにかかって離脱。その危機に及んでも2年生がバラバラでチームが結束できず、なんとか踏ん張って1位校リーグで3位にはなったものの、第3代表決定戦、同県対決で県予選のリベンジを食らい選抜出場を逃しました。上級生がチームを作れていないと勝負のかかった大事な場面で団体として強さを発揮できない、その命題を実証するような敗北でした。
あれから1年、新チームになりましたが、2年生の意識が中途半端な位置で停滞したままです。頑張ってはいるのですが、高校生レベルで頑張っているだけで、アスリートレベルまで高まってきません。
言われればわかる、指摘されれば妥協している自分に気付く、反省する。そして反省した部分だけは改善する。でも別な部分で向上心がない、また言われてわかる、指摘されてから妥協している自分を反省する。さらにまた別な部分で……そのエンドレスです。
コーチとしては、常に雨漏りを段ボールか何かで応急処置をしている感じです。少なくとも、もっと当事者意識があれば、自分たちの最後の年なわけですから、仲間同士で指摘しあったり、自主的な話し合いをしたりして向上していけるのですが、基本的にまだ自立していないので、なかなか次の次元へ移行できない。小さな妥協、小さな不徹底、小さな見逃しを(意識的なのか無意識なのか)繰り返して、同じ平面上を周回している。一周廻ってもただ同じ地点に戻ってきているだけなのに、根本的な自己改革の意欲が高まらないために、自分が同じところをひたすら巡っているのに気付かない。自分としては前を見て一生懸命走っているつもりなのです。実際、平均的な部活生よりはずっと頑張っているし、高いレベルの練習もメニューとしてはやっているので、傍から見れば、集中した意識の高い練習を積み重ねているように見えるはずです。そして自分でもそう思っている。でも違うのです。目標がどこか、という話になりますが、全国入賞レベルが目標であるならば、そろそろ、その辺りを自覚してほしいと思います。
そして今、一部の1年生が競技に一途になれずにいます。現代の高校生を取り巻く環境は少し前と劇的に変化しています。インターネットやSNSの普及とそれに伴う私生活の変化は、私のような昭和の人間にはついていけないほどです。自立心が育っていない思春期の高校生が、ふとしたことから、あらゆる思惑の絡む情報が四方八方飛び交う空間に取り込まれる危険性は想像以上に大きなものです。だからでしょうか、全国優勝を目指すクラブの中には携帯電話やスマートフォン等の所持を禁止しているところもあります。ただ、私は禁止ではなく、自覚によって一途になってほしいと願うのです。高校生は人間として未熟であり発展途上の存在です。当然迷いも出る、失敗もする、逃げたくもなる、それが自然だと思います。そして、情報空間においてではなく、生身の実空間において、仲間とぶつかり合い、理解し合い、反発し合い、励まし合う中で、夢を目指しひたむきに生きる道のかけがえのない価値に気付いてほしいと願っています。理想屋でしょうか。
実際のところ、迷いの出た者を取り巻く仲間の存在がとても重要です。弱くなった魂は弱い魂を探します。類は友を呼ぶですね。最悪の場合は弱くなった魂同士が結託してしまう。こうなるとチームは土台から崩れていきます。逆に、取り巻く仲間が夢を持ち目標を高く維持していて、迷いの出た仲間をサポートし励ますことで、この仲間とともに大きな夢を叶えたいという思いを共有することができたら、逆にチームは結束します。今、我々はその境目にいます。問題のないチームなど存在しません。あったとしたら巧妙に隠しているだけです。大事なのは、その問題とチームがどう向き合い、そこから何を得て成長につなげられるかだと考えます。

北信越選抜、今のチームそのままが結果に出たと思います。
全国選抜への切符は手にしました。毎日頑張っている証です。しかし、昨年全国選抜2位で奈良IHベスト8の高岡西には団体・個人すべて敗退。ソフトテニス王国石川県の優勝校:金沢学院東にも全敗。ここが全国上位への壁です。この壁は、今のチームのままで頑張っていても永久に超えることのできない壁です。
今、リーダーに変革の自覚は出てきています。先日公開されたスターウォーズの新作ではないですが「フォースの覚醒」が必要だと思います。自らをプラスの方向へ向かわせる強い力を感じながら、夢の方向へ自覚的に自分を向かわせること、「チームの覚醒」を信じています。

2018年冬季オリンピックでメダル獲得を目指す、スノーボード競技の岩垂かれん選手のインタビュー記事に、こんなメッセージが載っていました。

まず、迷ったり、自信をなくしたりした人へのメッセージ。

続けられない人の多くは、その日の練習のことだけしか考えていない気がします。でもそのキツイ練習の先にある目標がしっかりあれば、おのずと覚悟は決まると思います。だから私の周りにいる人たちはみんな勝ちたいという強い気持ちと覚悟を持って活動していますし、私もフィジカルトレーニングをしている時、なんでこんなに重いウエイトを上げているんだろうとか思うのですが、試合のシーンをイメージすると、絶対に負けたくないと思ってがんばれるんです。
私は練習がキツイとかは考えないです。それよりも世界で活躍するトップレベルの選手たちと一緒に練習をしているので、その選手と自分のどこが違うのだろうとかばかりを考えています。そして絶対に負けたくない! って気持ちが強くなるので、勝てる方法だけをずっと考えながら練習をしています。

次に、部活を頑張っている中高生へのメッセージ。

大学4年になった今、自分の過去を振り返ると、中学生の頃は勉強やスポーツも含めて色々な事にチャレンジして可能性を広げると良いと思います。そして高校生になったら、目標や夢を一つに絞って、毎日積み重ねて取り組むと良いと思います。夢があるなら一日もムダにしないで過ごしてください。
岩垂かれん

県選抜 連覇
個人は1年 鈴木・保科が制す
H27.12.19(団体)、12.27(個人) 於:五泉市総合会館

県選抜
<団体戦>
<準決勝>
北越 ②-0 小千谷
<決勝>
北越 ②-0 巻

<個人戦>
1位 鈴木愛香・保科葵
3位 大原未来・田辺なつき
3位 松浦明彩加・和田栞璃
県インドア01県インドア02県インドア03


DREAM FACTORY 2015 秋

今までの「器」を超える 
そこには「痛み」と「違和感」がある

チーム北越の「超器プロジェクト」

新チームとして挑む、秋の諸大会が終わりました。

県新人選抜大会 10月17日~18日 長岡市希望が丘テニスコート
ダブルス
優 勝  鈴木愛香・保科葵
3 位  和田栞璃・松浦明彩香
3 位  大原未来・田辺なつき
ベスト16 阿部玖瑠実・冨樫美咲

シングルス
優 勝  鈴木愛香
2 位  大原未来
ベスト8 和田栞璃、松浦明彩香、保科葵

秋季新潟地区大会 9月3日~4日 新潟市庭球場
ダブルス
優 勝  松浦明彩加・阿部玖瑠実
2 位  和田栞璃・田辺なつき
3 位  鈴木愛香・保科葵

シングルス
優 勝  鈴木愛香
2 位  松浦明彩加
3 位  大原未来
3 位  保科葵
27県新人07
27県新人0527県新人0427県新人01
27県新人0227県新人0327県新人06

個人戦としてのシングルス及びダブルスの県優勝杯は奪還しましたが、まだまだ全国で勝っていくためには力が足りません。
技術力や戦術力とかいう個別領域の未熟さというよりも、選手としてチームとして総体的な「力」がない。
では、どうすれば力をつけてやれるのか。

「地方の学校が、全国区の学校と互角に戦うためには、選手をどう育てていくべきなのか」この追究が僕のライフワークです。
個人の選手として全国大会で入賞するレベルまでは何人もの選手が育っていきました。昨年は日本一のカップも手にしました。けれど、チームとして、つまり団体で決勝を戦うレベルまで進化できていない。
「預かった選手の自己ベストを可能な限り高いレベルで実現させる」これは指導者としての必達任務でしょう。
「高校という未熟かつ潜在的なアスリートたちの集うフィールドで、毎年自立達成度でかなりの凸凹があるチームを率いながら、選手として人間として自己ベストを更新させ続けること」これはもう少し具体的な僕自身のミッション内容だと考えています。

先日、全国選抜に向けた第一歩、地区大会が行われました。
とても全国で戦うことを目標にしたチームとは思えない不甲斐ない戦いでした。
試合が終わって、1時間のミーティングを持ち、それからチームとしていくつかの改革を進めています。
まずは自分のコーチとしての自己改革を進めながら、選手にも変革を求めています。
何かを変革すると、自分にも周囲にも「違和感」が生まれます。逆に言うと、周囲にも自分にも波風が立たない取り組みは変革とは言わない。
今までの自分の器の中だけで精一杯にならない、限界をつくらない、そこを超えていく、既存の自分を自分で壊す。それには「痛み」が伴います。「違和感」が生まれます。その「痛み」や「違和感」を大切なこととして受け入れ、強い意志を持って自分の器をぐぐっと大きくしてほしい。
小さいレベルでの完成などいったん投げ捨てて、自分の目標も自分自身も新たに作り直す覚悟で、自己変革を自分に迫ってほしい。
そう願います。

参考にした基準は、かつてデビスカップ日本代表チームスーパーバイザーを務めたボブ・ブレッドの「世界に近づくための指標」です。
1 Ability to learn(教えられたことを学び、自分のものにする力)
2 Ability to push yourself(引かずに、自分自身を積極的に押し出す力)
3 To overcome difficulty(困難な状況において、そこを乗り越えていくこと)
4 Loyalty,Belief,Trust(誠実さ、信念、信じる力)
5 Ability to play your best when counts the most(最も重要な場面で、自分のベストのプレーをする力)

いくつか、選手の取り組みを選手自身のテニスノートから載せてみます。

今日は朝にクラスのみんなに大きな声であいさつしてみた。
「おはよう!」と男子にもあいさつしたら、「朝からテンション高いな」とか「元気だな」とか言われた。
周囲に変化あり! やった!
愛香(鈴木)が体育委員として号令で進化したと聞いた。自分は明日体育がある。そして同じ体育委員。号令変える。体育館でも変化してみせる。
テキストノートの作成も休み時間にやってみたら、友達に「テニス好きだなー」とか、「何それ?」とか言われたりした。
チームで始めた「違和感」を感じる行動変化、明日も!
(1年 阿部玖瑠実)

今日は授業中に4回質問した。
でも、やっぱり引いてる部分ある。何回もチャンスなんてある。もっとできた。でも引いた。1限は特にそうだった。
そして2限の数学。すっごく静か。先生は教卓の所に立っていた。「よしっ」って思った。「先生!」って声出して呼んだ。
今までで一番ドキドキした。だから、やれてなんかうれしかった。
今までで一番大胆だったから、周りもザワついた。
自分を変えたい、って思えば、周りの目は気にならない、と思う。
けれど、静かな時とか、勇気が必要ってことは、やっぱり気にしてるってことか。
話は変わるけど、うちのクラスのみんなって、さすがだなって思う。
自分のこの取り組みに対して、みんな共感してくれてるというか、「部活の場だけ一生懸命やってもダメなんだ」ってことについても話が合う。
後ろの席は野球部のキャプテンだ。クラスで一番発言する。指名されてもすぐに答える。
普段は話したことなかったけど、私の取り組みに共感してくれてたくさん話ができた。
「何度もやれば慣れるよ」って言う。
1限で、自分が「引いた」時も、ちゃんとわかっていて、「明彩加、いまチャンスだったじゃん」って。本当にわかっているんだなって思う。
自分を変えたいってこと、いろいろ話ができた。クラスでこういうことをこんなに普通にまじめに話せる相手がいたなんて、すごくうれしかった。
他の人も私のチャレンジをわかってきたみたいで、「よくあの場面でできたね」とか「松浦、いいね」ってハイタッチしてくれたりする。
先生も、「いいね!」って応援してくれる。
うちのクラスって本当にすごい。これが「スポーツ脳」?
ただ、成績がいいというのではない。なんかわかりあえる、うまく言葉にできなくてもどかしいけど、より高いものを共に目指せる感じ。
ここで取り組めば力になる。北越はこういうことに思いきりチャレンジしていいんだ。
質問をすることで、授業にも受け身じゃなく、積極的に参加している感じがある。「なるほど」って思うことが多くなってきた。
(2年 松浦明彩加)

今日は男子テニス部3年の波塚さんにお願いして、初めてストロークの相手をしてもらった。スピードあるボールだけど、打ちやすいところに来れば、どんな速いボールでもタイミングを合わせれば打ち返せる。でも、スタートが遅れてしまうと返球のボールが死ぬ。特に深いボールはラケットが暴れる。自分はここを課題に練習する。また波塚さんにお願いして、男子のボールでもフットワークを磨いて打ち合えるようになりたい。
「違和感」ということでは、クラスや部活のテスト勉強時間に、自分から教えることが前より断然増えた。
今までは、私は自分のやることを集中してやりたいって気持ちが強くて、正直、頼まれても嫌々やっていた。でも、今キャプテンになって思うのは、いつも自分を優先していたらチームは崩れるということ。高校のチームはハートを作れなかったら強さは築けない、そのことにつながるのかなって思って、今日は聞いてきた人、全員にわかってもらうまで教えた。今日は5人。明日はもっと増やすぞ!
多少、自分の勉強時間は減ってしまうけど、それは家で取り戻す。自分のわからないところは先生に聞いてちゃんと全て理解する。
今回のテスト、絶対トップとります。
(1年 新キャプテン 鈴木愛香)

「時間を見つけて教室でも骨盤の使い方をイメージトレーニングする」
これは常にやっていた。そしたら隣の子に「変なの!」と言われた。「よし!」違和感get!
「練習前、走って必ず1番に行く」
これも実行。やり切って達成感を感じる。すると、他の人たちがいつも通りタラタラ歩いて来ることに、マイナスの「違和感」を感じてしまった。
愛香はそれに気づいて途中から走ってくれた。
部長としての私の提案、伝えたんだから、みんなちゃんとやろうよ!
話は変わって、なつき(田辺)の誠実さって、本当に尊敬する。
新たにフィジカルリーダーになって、その仕事を本当に誠実にやっている。今まで私がやっていた時より、ずっとフィジカルが充実すると思う。
自分にもその誠実さがほしい。見習いたい。
(1年 新部長 保科葵)

全日本選手権 皇后杯 2ペアが参加
3年吉藤、大地のパワーで全中3位をねじ伏せる!

第70回天皇賜杯・皇后賜杯 全日本ソフトテニス選手権大会  10月23日~25日 於:滋賀県長浜市市民テニスコート

27皇后杯0127皇后杯0227皇后杯03

新潟県代表として、本校から、鈴木愛香・保科葵ペア、吉藤皇子・松浦明彩加ペアが参加しました。
吉藤は、初の全日本参加。初戦の相手は、この夏の全国中学校大会で3位に入賞した淀ノ水昇陽中学校の実力ペアでした。
経験も才能も技術も相手が上ですが、吉藤はなりふり構わぬ返球で粘った結果、逆転で全国初勝利を得ました。大地の雑草パワーがジュニアの才能に打ち勝ったとでもいうような勝利でした。
ペアの松浦は、昨年に続いて2回目の出場。先輩のリードでそれぞれ1勝を得ています。来年は最後の年、3年連続出場と、3年として自己ベストの全国2勝を目指してほしいです。皇后杯で2回勝つのは至難の業ですが、これまで先輩に育ててもらい、力をもらって戦えた経験を、次は自分が後輩へ引き継ぐことで恩返ししてほしいと思います。
1年生の鈴木・保科は、初戦が実業団トヨタ自動車のペア。スタートからぐいっと引き離されG0-3とされますが、戦術の学習を生かして互角の展開に持ち込みG3-3に追いつきます。そこで単純なミスを犯してしまい、勝利への流れを手放してしまいました。高校生同士の県内大会であれば、少々のミスは挽回できるのですが、このレベルでの戦いは、大事な局面での1本のミスが致命的になります。負けたとはいえ、1年生からこのレベルの舞台を経験できたことは大きな財産になります。自己改革を進めて、来年はもっと高いレベルで戦えるよう、日々自分を高めていってほしいです。

かわいいお客さんとの「合同練習」
今年の秋より、近所の幼稚園から、とてもかわいい「体験入部希望者」がたくさん来てくれて、時々「合同練習」(笑)をしています。
毎日の集中した練習の中の、微笑ましい一コマです。
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DREAM FACTORY 2015 盛夏(奈良インターハイ)

チーム吉藤 目標まであと一歩…
2回戦 シード宮崎商業に惜敗

奈良19

平成27年度 近畿インターハイ (8月1日~4日 奈良県立橿原公苑明日香庭球場)
団体戦
1回戦 ②-1 花巻南(岩手)

 松浦・大原 ④-1
 鈴木・保科 2-④
 和田・田辺 ④-2
2回戦 1-② 宮崎商業(宮崎)
 松浦・大原 3-④
 鈴木・保科 3-④
 和田・田辺 ④-2

1,2年生だけで戦いました。
今年のチームは3年で部長の吉藤皇子がまとめあげたチームです。
何とかして、その吉藤をインターハイのコートに立たせたい。その思いは部員全員の思いでした。
ところが、肝心の吉藤の調子が上がってきません。7月の国体選手選考会では、1年生冨樫と組んで、その冨樫を鍛え、闘う心を育て、県総体個人2位の選手を倒して、あと1勝で国体選手、というところまで自分を高めてきていたのですが、インターハイ直前で調子を落としました。
反対に、サブで考えていた2年生の和田がぐんぐん伸びてきました。
吉藤と和田は、共に寮生です。信頼しあっている先輩後輩で、練習後によく二人並んでコンビニへ行く姿を見ます。なぜか生活のリズムも同じで、洗濯も一緒に、干すのも一緒になるのだそうです。信頼しあいながら、お互い「絶対に負けません!」と笑顔で言い合う関係です。
試合の前日のミーティング、選手全員を集めて言いました。
「今回の戦いのテーマは『つなぐ』。心をつなぐ、思いをつなぐ、駅伝の襷のように、自分の全力を出し切って仲間につなぐ。」
今年、吉藤が立てた目標は、インターハイ団体ベスト8でした。組み合わせを見ると、2回戦を勝って、東京代表の文大杉並高校とベスト8をかけて戦うことになります。全国から優秀な選手を集めてチームを作る文大杉並に、雪国チームが挑んでいく、ワクワクするようなドラマです。
「おまえたちの立てた年間目標=ベスト8を決める戦いには、必ず吉藤を出す。だから、1,2年生はこれまでのすべての思いを込めて、文大戦のスタート地点で待っている吉藤に襷をつなげ。そして、吉藤と一緒に文大戦を戦おう!」

奈良盆地全体が熱溜りになっているかのような真夏の大会2日目、人工芝コートに落ちる選手の影がようやく落ち着いてきた夕方に団体戦の1回戦が組まれました。
初戦の相手は、岩手県代表、花巻南高校でした。来年に岩手国体を控えて、2年生主体で選手強化を進めている充実したチームです。
実は、僕は岩手県で教員生活をスタートしました。6年間、岩手県の中学校の教員をやらせていただき、その6年間に岩手県の先生方、ソフトテニス指導者の方々に本当にお世話になりました。県外出身の生意気な跳ねっかえりでしたが、本当に本当によくしていただきました。花巻南の監督の及川先生にも、その時代から長くお世話になっています。深い敬意をもって戦わせていただきました。
第一対戦は、松浦・大原。初戦の緊張感漂う戦いですが、大原は個人戦の失敗を繰り返さず、配球を考えて先手を取り続けました。松浦も持ち味をよく出して戦い、初戦を取りました。
第二対戦は、1年生の鈴木・保科。大会直前の練習マッチでも安定して戦っており、個人戦でもベストの戦いを経験して力をつけて臨んだ団体戦でしたが、やはり1年生、ゲームの大事なところでミスが出たり、逆に思い切り攻めるべきを無難につなげたり、経験の浅さが出てしまいます。ゲームカウント2-1リードでのレシーブゲームに魔物が潜んでいました。サービスゲームをキープして調子よく進んでいる中での、なんてことのない小さなミス、そのミスをどう扱うかで「蚊」に刺された程度のものか、魔物にまで化けてしまうか、分かれるような気がします。1年生の最初の団体戦です。「あれ?」という戸惑いが、不安に、混乱につながっていきます。そしてそのまま流れを取り戻すことができずに敗退。まあ、それも経験。経験値をたくさん積んで強くなるしかないのです。
1-1の三番勝負は、2年生の和田栞璃と1年生の田辺なつきのペア。
和田のストロークに魂がありました。重圧は測りしれないものがあったと思いますが、和田には日頃からの吉藤との絆がありました。吉藤の思いをプレッシャーとして感じるのではなく、力強い闘志に換えて戦いました。1年生の田辺も緊張で頭が真っ白になる寸前でしたが、何とか覚醒させて、最後はのびのびと戦って勝利に貢献してくれました。

奈良10奈良09奈良08

明けて大会最終日、シードの宮崎商業との戦いです。
オーダーは昨日と同じ。
第一対戦、松浦・大原は、運動量豊富で、柔軟性の高いテニスをするペアに苦しめられ、ゲームカウント1-3まで追い込まれます。しかし、ここから集中して試合の流れを逆転させ、ファイナルゲームに入ります。
ファイナルゲームは、こちらの小さな怠りがすべて失点につながった感じで、最後は流れるようにして負けていきました。小さな迷い、フットワークの甘さ、スタート時の遅れ、中盤の戦術を踏まえない選択のミス…
まだまだ、アスリートになっていないのです。心技体それから戦術、すべての完成度が足りなく、研ぎ澄まされるような緊張感の中でベストを尽くすところまで選手としての自分を高めていない。1年後、完成度を高めてもう一度チャレンジしてもらいたいです。
第二対戦、鈴木・保科。昨日の負けから今日はリベンジを誓ったはずですが、なぜか最初からおかしい。鈴木がかわすような逃げのロブばかりを使って、向かっていかないのです。当然、保科にも攻めのリズムが生まれず、序盤は戦いになりません。ゲームカウント0-2。なんとか1ゲームを返して1-2でベンチワーク。戦術というより、攻めの気持ちを復活させて送り出します。1ゲームずつとってゲームカウント2-3。そしてカウント0-3でトリプルマッチポイントを握られてしまいました。しかし、尊敬する吉藤がボードに書かれた「つなぐ」というテーマを胸に持って声を枯らして応援しています。その思いに二人は応え、1本、1本、命をつないでいきます。そしてゲーム奪取! ファイナルゲームに突入です。ベンチで吉藤から元気を注入された二人は、ファイナルの一進一退の攻防にもよく耐え、カウント5-5まで競り合います。ここから鈴木のファーストサーブが2本とも入りません。そして敵マッチ、左ストレートから低い弾道で振り切った鈴木のボールがネット白帯に当たって、無情にも跳ね返りました。
敵の3本マッチからよく挽回した、とも言えますが、やはり序盤の気持ちの作り方に失敗したというべき敗戦だったと思います。第三対戦で、和田・田辺が勝っていただけに、あと1本、ファースト1本、紙一重の悔しい敗退でした。

奈良11奈良13奈良12

<1年 鈴木愛香のノートから>

1本目、松浦・大原がファイナルで負けた。自分達が勝つしかないと思った。
だけど、私は、逃げから入った。今年のインターハイを私が終わらせた。皇子先輩を、コートに立たせることができなかった。
あの試合、相手が振り切ったボールで攻めてきた。そして前衛がポーチで取りに来た。それに対して、私は様子見から入ったことで、相手に流れが行ってしまった。前衛が来ようが来まいが、強気でシュートを打ち合えばよかった。相手がナイスボールを打ってきても、「負けるもんか!」って、攻め切ればよかった。でも、自分は逃げた。
今日でこのチームは終わってしまった。最後に皇子先輩と一緒に戦うことはできなかった。申し訳ない気持ちでいっぱいです。
私は、この北越高校に入って、皇子先輩の人間性に憧れ、尊敬し、あんな先輩になりたいと思っていた。チームのことをいつも考えてくれて、そして何も知らない私にたくさんの大事なことを教えてくれた。
こんな形でチーム吉藤を終わらせてしまって、ごめんなさい。私は、この負けから成長してみせます。皇子先輩、玲稀先輩、友恵先輩、那菜先輩、1年後、見ていてください。
改めて、皇子先輩、皇子先輩と出会えたから、今の自分がいます。最後まで恩返しできずにすみませんでした。この負けは絶対に無駄にしません。

<1年 保科葵のノートから>

皇子先輩へタスキをつなぐことはできなかった。
昨日も今日も気持ちで負けた。ゲームの入りから愛香がいつもと違うのはわかっていた。シュートで攻めると口では言うけれど、かわしのロブばかり。「逃げてない?」って聞いても「大丈夫」って言う。中盤、絶対に大丈夫じゃないって思った。先生に言われて、そして二人で「皇子先輩につなぐんだ」って確認してから、少しずつ挽回していった。
ファイナルゲームまで追いつき、カウント5-6の敵のマッチポイント。私はわかった。絶対に後衛へシュートだ。でも行かなかった。勇気を出せなかった。わかっていたのに逃げた。愛香のミスじゃない。自分の戦わない心が敗因だ。
初めての高校の全国大会。話には聞いていたけど、中学とは全然違う「思い」がある。技術だけじゃ絶対に勝てない。そのことを教えてくれたのは、皇子先輩だ。人間的にも未熟な私たちをここまで導いてくれたのは皇子先輩だ。恩返ししたかった。
ここをターニングポイントにしなくちゃいけない。
もうこんな涙流したくない。
毎日をもっともっと誠実に生きよう。
今日の涙は絶対に忘れません。

奈良14奈良16奈良18

吉藤皇子はさわやかでした。悔し涙を流した後、戦った選手たちをねぎらい、励まし、元気づけて、明るくふるまっていました。
もちろん、思いは複雑だったでしょう。けれど、自分が出たかったという個人的な思いよりも、自分を出そうと全力で戦ってくれた後輩たちの思いに価値を置く人間です。
「チーム吉藤」結果はあと一歩つながらなかったけれど、心はしっかりとつながっていました。

<3年 吉藤皇子のノートから>

目標であった奈良インターハイベスト8には届かなかった。
今日の宮崎商業との試合はあと一歩だった。
その「あと一歩」が届かなかった。
チーム吉藤は今日で終わった。
ただ、後輩が自分を文大戦に出そうと、必死で戦ってくれた。
何本ものマッチポイントをしのいで「命」を私につなごうと、ファイナルゲームの最後まで必死で戦ってくれた。
このチームのハートを感じた。
何より、栞璃(和田)の全国の舞台でのガッツ…全国の初舞台での全勝。私に悔いはない。
このチームに私が伝えたいのは、「今日の試合を忘れないでほしい」ということ。
私をコートに立たせることができなかった、その悔しさは涙に流すのではなく、次のエネルギーにしてほしい。
ただ、「あと一歩」が届かなかった、その理由は何なのか、それを一人ひとりかみしめてほしい。
そして、来年こそは、目標を達成してほしい。
最後に、先生、先生のメッセージを読んで、やっと、本当に自分の2年半が終わったんだなあ、って実感しました。そして涙があふれ出てきました。
自分は1番の問題児で、入学して何もわからず何もできず、ただ泣いてばかりいたのを覚えています。
でも、先生や先輩のおかげで変わることができました。お礼を言うのは私の方です。何があっても、こんなガキの私を見捨てず、厳しく、優しく、ご指導していただきありがとうございました。
私は、高校のテニス人生で、やり残したことがあると感じています。だから大学でテニスを続けます。でも、その前に「恩送り」ですね。北越が大切にしていること。先輩からいただいたものは、しっかり後輩へ伝えます。
「チーム吉藤」は終わりましたが、私のすることはまだたくさんあります。頑張ります。

◇番外編
帰途、伊賀上野に行ってきました。伊賀忍者の里です。忍者に変身してきました。
奈良20奈良22奈良21
奈良24奈良25奈良23


DREAM FACTORY 2015 初夏

NEXT STAGEへシフトアップを!
北信越総体 ベスト8で敗退

H27.6.19~6.21  石川県 能都健民テニスコート

<団体戦>
1回戦 北越 ②-1 金沢商業(石川)
2回戦 北越 1-② 高岡商業(富山)
ベスト8

個人戦は 1年鈴木・保科が健闘!
<個人戦>
【松浦・大原】
 1回戦 シード
 2回戦 3-④ 高岡商業(富山)
【和田・田辺】
 1回戦 シード
 2回戦 ④‐2 野沢南(長野)
 3回戦 1-④ 武生(福井)
【鈴木・保科】
 1回戦 シード
 2回戦 ④-1 七尾(石川)
 3回戦 ④-2 松商学園(長野)
 4回戦 3-④ 高岡西(富山)

1,2年生主体のチームであり、今、全国レベルの北信越で「実り」としてあげられる成果は残念ながらないのですが、あえて言うなら、1年生の鈴木・保科が、3回戦で長野県の個人優勝ペアを堂々と破り、さらに4回戦でも全国選抜準優勝の高岡西高校のレギュラーに接戦を演じたことでしょう。試合を重ねるごとに、このペアは学んでいきます。強くなっていきます。今、第1期の「伸び期」だと思います。このペアは珍しく1年生の段階でかなり自立しており、その分、心技体知、様々な角度からの指導をよく吸収します。インターハイに向けて、貪欲に、最終目標をブレさせずに、アスリートへの道を歩み続けてほしいと思います。

一方で、この大会を通して、2年松浦明彩加・大原未来の「弱さ」を、これでもか、というくらい突きつけられました。「弱さ」とは戦う者としての弱点です。
このペアは、去年の冬から県内では敵なしでした。入学時は二人とも後衛でしたが致命的に足が遅く、1年の秋までは守備的平行陣で戦っていました。ですが、空中感覚が悪くないので、思い切ってダブルフォワードを基本とする攻撃的平行陣にして鍛えてみたところ、思ったよりもよく吸収して、県インドアを制し、春先のハイスクールジャパンカップの県予選も優勝しました。
ですが、徐々に研究され、県内においても弱点を突かれて思うように勝てなくなってきました。そして県総体の個人戦の準々決勝で自滅してからは自信も失い、その後も精彩を欠いた不甲斐ない試合を続けています。
二人とも、ソフトテニスが大好きで、一生懸命練習するいい選手です。中学生時は、都道府県対抗や全中で仲間が日本一になる瞬間をベンチや応援席で見ていた。その仲間たちが全員、地元を離れて全国へ散っていった中、地元新潟で頑張っています。こういう選手たちを何とかして全国でも勝ち抜いていける選手にしてあげたいと強く思います。
ただ、大原はなかなか精神的にも行動的にも自立できず、「自己修養」の確立に苦労しています。松浦は、頭の固さ、身体の固さ、そして真面目さと裏腹のハートの弱さを抱えています。

試行錯誤する中で、ハイスクールジャパンカップに行ってきました。

ハイスクールジャパンカップ2015
【ダブルス】
 予選リーグ
 松浦・大原 ④-3 相生(兵庫)
 松浦・大原 2-④ とわの森三愛(北海道)
 予選リーグ敗退

北海道でも、二人の「弱さ」は、ちゃんと現れました。
自己修養ができない大原。チャンスに攻めず、ガマンするところでガマンできない松浦。
またゼロからスタートします。
1年後、見ていてください。この二人の最終形を楽しみにしていてください。

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さて、県総体が終わって約1か月が過ぎました。
今年の県総体で、どうしても書き留めておきたいエピソードがあります。
遅ればせながら、「拾遺」として追加させてください。

H27 県総体 拾遺
Episode 3  初心者:斉藤の自己ベスト

北越女子ソフトテニス部に、一人だけ初心者の子がいます。
斎藤友恵という3年生です。
技術的にも性格的にも不器用な子ですが、とても誠実で、責任感があり、後輩の面倒見もよくて、チーム北越にはなくてはならない存在です。
僕が北越に来た1年目の部長が斎藤友恵の姉で斎藤叶恵と言います。
このDream Factoryの第1ページ目、「扉をこじあけた!」という見出しのノートが載せてあります。それが叶恵のノートです。
心が柔軟で、しかも本質をきちんと捕まえることのできるすばらしい生徒でした。彼女が部長をやっていたからこそ、たった2か月でチームはまとまり、奇跡的に優勝できたのだと思っています。
その妹です。
ただ、誠実な子にありがちな、本番に弱いというメンタルの弱さを抱えていて、それが3年生の地区大会ではっきり出てしまいます。
去年の秋に、県選抜に出場し県選抜でも勝利をあげた選手が、春の地区大会で初戦敗退するのです。敵に負けたのではありません。自分に負けたのです。
皮肉なもので、一生懸命に地道に努力してきた子が、3年生の最後の試合で、その誠実さにより自分にプレッシャーをかけてつぶれてしまうという例があります。
こういう子に、気楽にやれ、と言っても無意味です。
誠実な人間に、不誠実になれと言っているようなものだからです。
僕は、自分の弱さから逃げずに3年間この北越Dream Factoryで努力してきた子は、必ず最後に自己ベストを出すんだ、と全員に言い聞かせてきました。実際にその通りだからでもあります。
ところが、斉藤は全く逆の春地区の結果になってしまいました。
しかし、その運命を1年生ペアが救います。
僕は宗教を信じない人間ですが、こういう世界にいると、本当に時々「神様って本当はいるんじゃないか」と思う時があります。
「斎藤先輩のために」はっきりそう宣言して戦った二人の試合は神がかっていました。まるで、斎藤のストーリーがこんな結末で終わるなんて現実の方が誤っている、とでも言いたいかのように、二人は必死で戦い抜きます。
逆に言えば、それだけ斎藤の人柄が1年生との絆をつくりあげていたのでしょう。日頃からの斉藤に感謝の気持ちがなければ、1年生があのような思いで最初の公式戦を戦えるはずもないのですから。

この斎藤が、最悪の地区大会から、県総体で自己ベストを出すまでの心の軌跡をどうしても記しておきたいのです。
全国の初心者プレーヤーのために。全国で春季地区大会の1,2回戦にすべてをかける選手たちのために。

5月6日
春地区 個人戦
1回戦
斎藤・田中 3-④ 吉田高校
1回戦敗退

高校最後の試合で、ラケットが振れなくなった。自分に勝てなかった。
フォアが突然振れなくなって、先生からもいろいろアドバイスもらったけどダメだった。
「命(卒業生)みたいに、信じて戦ってみ!」と言われ、「よし! やってやる!」と思ったけど、身体がついてこない。自分の身体ではないみたいだった。
最後はWFでゲームセット。
これが3年間の集大成・・・
これで引退・・・
こんなはずない。こんなバカなことがあっていいわけない。
何が残ったか?
空しさと悔しさしかない。
そして、申し訳ない・・・。あんなにたくさんの人が応援してくれた。姉も東京から仕事を休んで応援に来てくれた。それなのに、エネルギーを与えるどころか、自分に負けて戦いにすらならない・・・
何やってるんだ・・・
本当ならこれで引退だ。
でも、1年生の琴音と佳矢乃が代表決定戦で、「先輩のために」って誓って戦ってくれた。そして本当に決めてくれた。
自分より、ずっと大人だ。
あの迷いのないラケットスイング。
眩しかった・・・
うらやましかった・・・
輝いていた・・・
自己ベスト出し切って攻めきる姿。あれは見ている人にエネルギーを与える姿。あれが北越の姿だ。
県大会、先生からは「ただ、県大会に出たい、というだけなら意味はない。思い出づくりのために出る大会ではない。」と言われた。
そして「県大会で初日にあんな試合をしてしまったら、最終日の団体戦まで響く。それなら、きっぱり『支える花』としてチームのためにサポートしてもいい」と言われた。
自分は、県大会で、あんな試合をしないと約束できるだろうか。
でも、琴音と佳矢乃は自分のために、必死で権利をとってくれた。
自分はどうすべきだ。
自分、チーム、どう考えたらいい?
答えが出ないから、学校に戻って玲稀に打ってもらった。
練習ではいつも通りに打てる。何の問題もない。
そのことに、もどかしさを感じた。
家に帰ってから、姉が真剣に話し合ってくれた。
「絶対に気持ちの持ちようだ」って言ってくれた。
確かにそうだ。練習と試合のモチベーションの違い。
試合で弱気になっている自分がいる。
特にセカンドレシーブ、こんな簡単なプレーで雑念が入る。
マイナス思考も関連しているね、姉はそう言う。
そして撮ってくれていたビデオを見た。
下半身が全く使えていない。変に手操作をして打っている。
姉といくつか約束をした。
自分を超えるために。
自分に自信を持つために。
だから、先生、私、県大会に出させてください。
必ずリベンジしてみせます。
そのために、この20日間を全力で生き抜きます。

5月11日
朝、緑は20周ギャラリーを走ってきた、と言って部室に来た。
緑は体力がないという自分の課題に取り組んでいる。
決めた。私も緑と一緒に毎朝走ろう。
その中で、あの自分の弱い部分、あの地区大会を思い出しながら、振り切れなくなったあの情けない自分を思い出しながら走ってやる。
もうあんな試合二度としない。自分を超えろ! そう言い聞かせながら毎日走る。
プロフェッショナル(NHKの番組)で白鵬も言っていた。
「最大の敵は自分」
あの無敵に見える白鵬だって、そうやって自分と闘っているんだ。
自分にとっては、完全にそうだ。
自分は、相手と戦う前に、自分と戦って、そしてその自分に負けた。
試合になると・・・
①コートが小さく見える
②フォアに来るな、と思ってしまう
この現象が起きる。
バックは無心でできる。サービスも問題ない。
そして、練習では何の問題もない。
だとすれば、雑念だ。
今日、試しに、練習の中で那菜と打ち合いながら、わざと「フォアに来るな」と言いながらやってみた。
そしたら、やっぱりフォアが少しおかしくなった。身体が弱気になる。あの時と同じだ。
やっぱりメンタルなんだ。
ということは、心を乗り越えれば自分に勝てるということだ。
そういう自分を日々作るしかない。
自分に打ち勝つ。そして本番で力が出せる自分を創る。
県総体まで、あと18日。

こうして、斎藤は1年の田中と二人で心をつくっていきます。
この選択はとても正しかったと思います。
ソフトテニスはダブルスが基本ですから、心を一つにできなければ苦境を乗り越えることができないからです。
毎朝、二人で走りながら、徐々にペア力がついていったに違いありません。
そして、県総体が目の前に近づいてきます。

5月26日
朝、緑と約束していた散歩に行ってきた。
学校の後ろ側の道をぐるっと歩き、公園のある所まで行ってきた。
朝の散歩は気持ちが落ち着いていい。緑も「心が落ち着きます」って言っていた。
二人で、落ちているゴミから逃げずに4パック分も拾った。
放課後は、医科学センターでトレーニング。
みんな、また進化してるなって思った。
30周ランニングの時、みんなより遅くスタートしたのもあるけど、みんな全力に近いくらいで走っていて、追い越すのが大変だった。
そのあと、緑と組んで県総体までの最後のペアトレーニング。筋トレでは楓(2年 岡崎)からの指摘に「はい!」って元気に答えて自分で改善していた。
おっ! 変わってきたな、って思って嬉しかった。この前の練習でもボールかごを1番に置きにいったりしていたし、緑、積極的に自分を変えようと努力している姿が見られるようになって嬉しい。
最後の追い込みダッシュ。苦しいときに葵(1年 保科)が「笑顔!」って声掛けしていた。1年生は積極的だ。
自分は2セット目に未来(大原)を、3セット目に那菜(渡部)を気力で追い越した。
朋恵先生の「負けんな!」「自分自分になるな!」「団体でどこ目指してるんだ!」って声掛けがすごく力になった。
自分も、人に力になるように生きたい。
県総体まで、あと3日。

5月28日
いよいよ明日だ。
今日の校内試合、1年生ペアに1-④負け。自分のクソミスだらけだ。
タイミングが合わなかった。不安でミーティングの時から涙があふれた。
不安で不安で、玲稀にも津野先生にもアドバイスをもらった。
津野先生には駐車場でアドバイスをもらった。
やるしかないんだって。
命先輩も、前日ダメダメでも「大丈夫! 明日は合わせるから!」こう言って自己ベストを出したんだ。
自分信じて。今までやってきたこと信じて。
試合直前は、技術チェックじゃないって。強気チェックだって。
先生は、最後のミーティングで言ってくれた。
「県総体の3年生は『重い』。重さを感じながら戦うものだ。」
「でも、その『重い』は『想い』だ。」
「3年生は『想い』こそが1,2年にはない最大の武器だ。」
最後だというプレッシャーはある。確かに「重さ」は感じる。
でもそれにつぶされてたまるものか。
井岡先輩の去年の今頃はこんな感じだったのか。
そして、3年生の最後のインターハイ前の気持ちもこんな風なんだな。
今になってわかる。先輩たちの思いが。先輩たちの勇気が。
自分の命は一度死んでる。地区大会で。
それを蘇らせてくれた、琴音と佳矢乃が。
私を信じてくれた人、私を応援してくれた人、私を支えてくださったすべての人のために、自己ベストを出して戦います。
家への帰り道、自転車でゴミを拾いながら来た。
見つけると、戻ってでも拾った。
「絶対とりきる」「このポイント、絶対とりきる」って。

H27 県総体個人戦 第1日目
1回戦 斉藤・田中 ④-3(P⑦-5) 三条
2回戦 斉藤・田中 ④-1 柏崎(上越地区大会の第4シードペア)
3回戦 斉藤・田中 1-④ 長岡商業

斎藤04

斎藤は自己ベストで戦い抜きました。
初戦は田中のミスが多く、リードから追いつかれ流れが敵に行きかけましたが、斉藤の集中力がすばらしく、接戦を勝ちきりました。
2回戦は、上越のシード選手。この試合は、斉藤にミスが目立ち、苦しい序盤でしたが、今度は逆に田中が斎藤を助け、苦境を乗り切って勝ちきりました。二人で朝走りながら築き上げてきたペア力が発揮された試合だったと思います。
3回戦は、長岡商業の団体メンバー。10回やって10回勝てない相手ではありましたが、斉藤はのびのびと何球もラリーを続け、厳しいボールにも声を張り上げて粘り、スコア以上に充実した試合でした。
本当にすばらしい戦いでした。
「3年間、自分の弱さから目をそむけず、ここで頑張りぬいた選手は、最後の試合で必ず自己ベストを出す。」斎藤もまたその歴史を刻むことになりました。
おめでとう、友恵。

斎藤03斎藤01

5月29日
「引退した実感がない。」
人はよく、3年最後の試合を終えた後、そう言う。そして私もそう思うのかと思っていたけれど、実際は違う。
「引退したんだ、という実感がしっかりとある。」
でも、これは、私が最後の県総体を悔いなく自己ベストで戦えたからだと思う。
もちろん、まだまだテニスがしたい。だから、IH終わってからでも、チームのためにコートに駆けつけます。私はこのチームが大好きなんです。
この北越高校女子ソフトテニス部に入って、いろんな人に巡り合えました。初心者の私に力を与え、知恵を授け、たくさんのヒントをくれた津野先生、朋恵先生、そしてかかわってくれたたくさんの人たち、感謝の気持ちでいっぱいです。本当に心の底から、ありがとうございました。
私の最後の試合をお父さんが見にきてくれた。お姉ちゃんも仕事を休んで東京から来てくれた。お母さん、お兄ちゃんも。そして津野先生、朋恵先生、竹内先生、チームのみんなに自己ベストの試合を見せられたこと、それが何より嬉しい。
でも、こんな幸せを経験できたのも、地区大会で琴音と佳矢乃が決定戦で勝利して、私に出場枠をプレゼントしてくれたおかげだ。この二人があの接戦を勝ちきってくれなかったら、今日の私はいない。地区大会のあの最悪の試合が私の最後の試合となっていた。本当に感謝しきれない。
そしてペアの緑(1年 田中緑)。本当にありがとう。シードとの戦いになった2回戦は本当に助けられた。1年生で、引退のかかった3年生と組むことになり、プレッシャーはすごかったと思う。それでも「先輩のために」って、精一杯戦ってくれた。
初戦のゲームカウント3-1から、私は少し守りに入ってしまった。またメンタルでつぶれるのか…。でもベンチワークで先生に「1年生はミスしてなんぼ。そんなことは想定内で、ペアとして強気でリードするのが3年生やろ。」そう伝えられて、「よっしゃ!」って気持ちにギアを入れられた。何球でも何球でもラリーしてやる!って。
「戦いなんだ。『ありがとう』だけじゃなくて、3年生としての姿見せろ」という言葉。「戦いの場は、技術じゃなくて、心だ」という言葉。どちらも、今日は「そうだ。よし!」と力になった。ゲームの後半、少し弱気が出始めたところだったので、その時に言ってもらい、エネルギーになった。
3回戦、長岡商業のレギュラーとの試合、何球も何球もラリーが続いた。その中で「フッ」と体幹で打ててる感覚があって、「ああ、これなんだ、こうやって体幹で打つこと…」ここでやっと実感できた。練習でなかなかできなかったことが、3年間の最後の試合でできた。わかった。
「テニスが楽しい!」 戦いながら心の底から実感した。
今まで、いつもチャンスをもらっていたのに、弱虫で力が出せなかった。でも、そういう苦しい日々があったからこそ、最後に自己ベストを出せて、テニスの本当の楽しさがわかったのだと思う。
お父さんが、私の試合を初めて見に来てくれてる、って気づいた時、本当に嬉しくて、絶対に自己ベストで戦うって誓った。いつも私の身体のことを気にかけてくれていたお父さん。今日もおいしいパンを買ってきてくれてた。お父さんに、「私は3年間、この北越でこんな風に頑張ってきたんだよ」そう見せたいって思って戦った。
そしてお姉ちゃん。地区大会であんな情けない試合見せちゃったのに、また駆けつけてくれた。忙しいのに。そんなに休みなんてとれるはずないのに。本当にありがとうございました。
最後に、津野先生、朋恵先生、先生たちの声掛けが私の背中を押してくれました。
本当にありがとうございました。
私は、幸せです。
(3年 斉藤友恵)

斎藤02

斎藤は、今、受験勉強に力を入れながらも、部活動にも毎日参加して、後輩を育ててくれています。
インターハイまでは、全力でサポートしたいと、本当に誠実に、献身的に、特に自分が育った畑=Bチームの選手を見てくれています。

6月9日
放課後、緑と佳矢乃(共に1年生)を連れて、セルシー(チームに体の使い方、有効なストレッチやトレーニングを教えてくれているフィットネスジム)に行ってきた。二人とも初めてだったので、村上先生に挨拶させた。自分は県大会で選手を引退したことを報告して、IHへ向けてサポートしていること、1年生を育てるためにセルシーにも来ることを話した。村上先生は「井岡先輩も引退してからもここへ来ていたぞ」と教えてもらった。
今日は最初でもあり、トレーニングというより、ストレッチで精一杯だった。私も含めて三人、それぞれ身体の特徴に合わせて違う種類のストレッチを効率よく教わった。緑と佳矢乃は身体が固くて苦戦していた。今年の1年生は全体的に身体が固いので、セルシーでのストレッチはすごく有効だと思った。緑も佳矢乃も「足が軽くなりました!」って驚いていた。次回は2時間くらいいれると思うので、それぞれの弱点を自分からコミュニケーションさせて、課題を明確にして取り組ませたい。
6月10日
【佳矢乃】
佳矢乃は自分のことをベラベラ話すのが大好きで、人に興味ないのかな、と思っていたけれど、今日は緑の前衛プレーを見てあげていて、玲稀(3年 鷲尾)がいない時には、積極的にアドバイスしていた。でも、この二人はまだまだ自分の世界に入りすぎる。もっと他者への興味・関心を持つこと。周りを見ることは継続課題だ。
技術課題のバックは、1回おかしくなって、回転がかかりすぎていた。身体の開きが早いので、逆手の使い方とキーワードを変えさせてみたら少し安定した。でもまだまだ、利き手だけで打ってしまう。体幹で打つこと、まだまだ感覚としてつかめていない。それをつかむことは、時間がかかる。だから、まず、今はポイント一つひとつを正しくやらせていきたい。
【くるみ、楓】
楓は久しぶりにコートに来た。
でも、周りをみないのは相変わらずだなと思う。遅れてきたのに、周りを見ずに、自分のことをまずやる。
ずっとレギュラーでいたから、チームのこと、周りのことを考えた上で、行動を選択する、ということ、大きな課題にするべきだ。
くるみにボール出ししてあげていたのはとてもよいことだと思う。ただ、もっと後輩に寄り添ってあげていい。厳しい練習の中での温かさ、それを北越は大事にしてきたし、私も先輩から受け継いできた。
課題に取り組み、うまくいかないことが多くても、たった1球だとしてもいいボールに対して「ナイスボール!!」という時の掛け声だったり、その時にコートの反対側にも届くとびっきりの笑顔だったり。
そして、必ず、練習に取り組ませながら、自ら学ぶ姿勢も身につけさせることだ。「Aチームの選手はどうやって打ってる?」「コミュニケーションとって、切り開いてる?」そうやって、取り組む姿勢を育てなくちゃ。
そういうところを、楓は大きく根本から改革しないとだ。
【緑】
緑は前衛のセンスやっぱりあるんだなあって感心する。
でも、やっぱり緑の1番の課題は周りを見ること、周りを見た上で自分が今すべきことを判断することだ。それは、前衛としてうまくなった時にとても大切なことだ。情報を集めて判断するのが前衛だから、今のままじゃ、たとえボレーやスマッシュがうまくなっても試合では全く勝てないだろう。玲稀から伝えられていたように、「誰が、今、何してる?」それを気づけない、考えられない。あの時は、皇子が一人でネットを片付けていたのに、自分の帰り支度だけを黙々とやっている。
「誰が、今、何してる?」「今、自分がまずすべきことは何?」 前衛に転向して、まず最初に取り組むのはここなんじゃないか。
【玲稀】
玲稀は変わった。3年になってから本当に変わった。北信越が近いのだから、Bチームとしてもまずそこを考えて行動すること、そう伝えてくれていた。その上で、ポンポン(ボレーボレー)の時には、ちゃんとAチームについてくれている。こういうところだな、玲稀が変わったところ。今、玲稀は本当にチームになくてはならない存在だ。いつも視野を広くして、全体を考えてくれる。そして優先順位のつけ方が的確だ。

斎藤は何度も言います。
「私は、このチームが心から好きなんです」
「勉強も、このチームと一緒にいてエネルギーをやりとりした方が、結局身が入ります」
僕も、斎藤から学びたいと思います。
誰に対しても偏ることなく誠実に接し、感謝の気持ちを忘れない。
そして、自分が信じたものを「大好き」でいることを。

県総体28

DREAM FACTORY 2015 春(県総体 2)

県総体 団体4連覇達成!

県総体01

Episode 2  選手として=人間としての成長

今回の団体4連覇達成は、無敵の長岡商業のエースに真正面から戦いを挑んで勝ちきった、和田栞璃・田辺なつきペアの金星が全てだったと言っても過言ではないと思います。
地区大会ベスト16、ぎりぎりで県総体出場を果たした1,2年生ペアが、なぜ県総体の団体決勝、つまりは県内大会で一番大事な試合で、この3日間負けなしの県内最強ペアに勝ちきれたのか。
もちろん、3年吉藤を中心としてチームが一つになったことは大きな力として、彼女たちのプラスアルファのエネルギーになったことでしょう。ですが、それ以上に、2年生 和田栞璃の人間的な成長がこの大金星につながったと断言していいと思っています。
あの試合、1年田辺のサービスが安定していれば、④-0もありえたほど、和田の逃げないで向かっていく強さは際立っていました。ゲームカウント2-0のカウント2-0から、田辺の2連続ダブルフォルト。それで相手は息を吹き返して2-1。それでも安定したレシーブから次のレシーブゲームをキープして3-1。流れはこちらにあり、和田のテンポの速い配球で圧しながらも田辺のサーブが入らず、3-2。今までの和田なら、このストレス状況に耐えられずに無謀な戦術を選択して自ら崩れていくか、一つのミスから自分を見失っていくか、サーブレシーブが乱れ始めるか、そのいずれかで敗退していったと思います。でも今回は、折れなかった。
第6ゲームは手に汗握る攻防でした。⑪-9というほぼ3ゲーム分を費やしたせめぎ合いで、敵のゲームポイントは5回、それを4回は必死でしのぐ中、こちらのマッチポイントは3回ありました。中でも3回目のマッチポイントは決定的で、センターからの相手のシュートを田辺がポーチ、ドンピシャのタイミングでしたが、焦ったのか田辺はチップしてしまい、会場全体がため息と歓声に包まれました。その直後、敵がここぞとばかりにギアを入れて長い第6ゲームを奪取。試合はファイナルゲームへと入りました。
最後の1分間のベンチワーク、和田は極度の気持ちの高ぶりと激しい闘志がないまぜになっていて、涙があふれていました。もう一度、自信を持って堂々と逃げずに打ち合うことを再確認し、背中をたたいて送り出しました。田辺には吉藤がエネルギーを与えてくれています。ただし、押し気味に試合を進めながら、決定的チャンスを逃しており、ギアを入れてファイナルへ持ち込んだ敵方に流れはあります。案の定、ファイナル序盤は敵の攻撃が冴え、カウント3-1。しかもその3ポイント目は、相手のきれいなクロスポーチボレーが突き刺さり、ゲームの勢いは決定的に長商へと移ったかに見えました。
しかし、ここからゲームセットまで6本連続で和田・田辺はポイントを取りきるのです。
今回の勝利、それは、何よりも、数多く与えられたストレスの強くかかる状況、正面からの戦いをかわしたくなるストレス状況下において、和田が決して逃げなかったこと。そして経験の浅い田辺が、ダブルフォルトを連発しながらも決して小さく縮こまることなく、和田と共に敵にひるまず挑み続けたこと。それに尽きます。

県総体10県総体27県総体09

チェコ出身の偉大なテニスコーチ、リチャード・ショーンボーンは、アスリートの自信について、アスリートの健全な自信は自己修養がその土台となると述べ、その自己修養として「つらい訓練の課題をこなすこと、ストレス状況を克服すること、戦術を守ること、スポーツに適した栄養をとること、毎日の日課を守ること、時間を守ること、自分自身に正直になること」を具体的な例として挙げています。
そして、この健全な自信が形成されていないと、「危険に対して臆病になったり、不安定な動きをしたり、試合中のストレス状況にも立ち向かえない」と強調しています。

和田は、これまでいつも、自分の技術の不安定さや敵前衛の動きやペアのミスや試合状況の変化等のストレスに対して、「臆病になったり、不安定な動きをしたり」、戦術を忘れたりして、自滅していました。
3週間前の地区大会で、ベスト16で敗退した試合後も、マッチポイントで自信を持って打ちきれなかった自分を棚に上げて、未熟な1年生ペアのミスの多さに言及したので、さすがに叱りました。

その考え方、その姿勢こそがおまえが勝ちきれない根本なのだ。
全国大会の決勝を戦ってもおかしくないくらいのストローク力とフィジカルの強さをおまえは持っている。
けれど、上手い選手と強い選手は違う。強い選手が必ず持っている、勝負所でその勝負を背負う、ある種の責任感が今のおまえには欠けている。
重圧のかかる場面において、敵のミスを期待したり、戦術を無視して手早く1点を欲しがったり、真正面からぶつかりあうのを避けたり… 
もしくは自分自身が耐えられなくてミスを連発したり…
そういう弱さは、まず、自分がそのような弱さを抱えていることを自覚して、それを乗り越えようと強く思わない限り、決して克服できないのだよ。
勇気をもって、その弱さと向き合いなさい。

和田自身の人生においても、ここは大事なところなので、魂を込めて伝えたつもりです。
ただ、正直、今年は間に合わないかもしれないなとも思いました。
もう1年、しっかりと人間を一緒につくって、来年が勝負かな、と。

しかし、地区大会終了後、和田は新たな取り組みを始めました。
和田は寮生です。北越高校はふかふかの気持ちいい人工芝をグランド全面に張ってあります。朝、誰もいない緑のグラウンドは、朝日を浴びてとても美しく輝きます。
「自分づくりノート」、テニスノートとは別のノートをつくり、朝走りながら自分を見つめた内容を記録し始めたのです。

5月11日
今日から、朝走ることにした。
私は自分に甘い。
自分の意志で、確かな人間性を創るために、毎日やる。
今日は走りながら、去年の夏を思い出していた。IH直前合宿でストロークが壊れた。そして千葉IHでは、皇子先輩と選手交代した。結局、千葉IHに出ていないのは同学年で私だけ。
大事な局面が近づくと崩れていく自分。今までずっとそうだった。
私は自分を変えたい。
必ず続ける。今まで自分に負け続けていることを忘れない。
弱い自分を乗り越えるために。
県総体まであと18日!

5月12日
今日は、北信越選抜大会にインフルエンザで出ることすらできなかった自分を振り返った。
あの日の朝のことはよく覚えている。これから戦いに出発だ、という日の朝に発熱した。
自分は頑張るべきところで、いつも踏ん張れない。それがここでも現れたということか。
自分の乗り越えるべき課題や弱さと毎日向き合ってそれを乗り越えていく、そんな毎日を過ごしていたら変わっていたのだろうか…。
結局、チームは県選抜では勝った村上に決定戦で敗れ、全国選抜を逃した。
だが、そのことを月日が経っても忘れずにリベンジを誓って過ごす、そういう責任が、あの日から今までの自分にはなかった。
恵理先輩(卒業生 田辺恵理)のように、1年生の新潟IHの時の負けをずっと忘れずに3年間取り組んできた、という強い思いがなかった。
思いが長続きしない。それが自分だ。
もうこんな失敗はしたくない。それをしないための日々だ。
全力で毎日を生きる。
県総体まであと17日!

5月14日
今日は、地区大会の個人戦の負けについて考えながら走った。
この負けは、今ならわかる。完全に自分の人間性の負けだ。私はまた自分に負けた。
自分の方がストローク力はあった。でも大事なところで振り切れずに負けた。
北越らしさ、和田栞璃らしさが発揮できなかった。
苦しみながらも迎えたゲームカウント3-2のカウント3-1で、私の連続ミス。
でも私は、試合後の反省でなつき(ペアの1年 田辺なつき)のミスの多さをまず先生に言ってしまった。
先生に、それが強くならない根本の原因なんだって強く伝えられて、やっとわかった。
私は、逃げているんだ。
まだ1年生だ、ミスが多いのは当たり前だ。それなのに、まずそのことを口に出す自分。
逃げる自分、自分の弱さと向き合わない自分…。
こうやって、走りながら、今度こそ、強い自分を作りたい。
地区大会の負け、この負けは忘れてはいけない。
県総体まで、あと15日!

5月15日
なつきと組んで、しばらく経つ。
最初、気を遣いすぎて、ちゃんと伝えることができず、どうしても優しくなっていた。
でも、今は違う。だんだん、なつきに本気になれるようになった。ペアとして本気、自分も本気。
だから、なつきのことなのに、何かができないと、何でだ?って、本気で悩む。そして、できると嬉しくて仕方ない。
やるべきことをやらないと、どうして行動しないのかって、悔しくなる。
最近はペアで話すことも多くなってきた。でも、なつきはまだ完全に私に心を開いているわけじゃない。
時々、伝えすぎて、なつき大丈夫かなって、心配にもなる。
今は、ほぼ一方的に私からなつきに言っているが、なつきからも言ってくれると嬉しいな。
二人でちゃんと話す時間をつくるのもいいなって思う。
なつきとの関係も本気でいたい。
ここからも逃げない!
県総体まで、あと14日!

こうして迎えたH27県総体。
個人戦では、圧倒的に敵に打ち勝ちながら、大事なところで1年生ペアの田辺のミスが続き、ベスト16で終わってしまいます。
どうしても今年こそはインターハイへ行きたいと強く願っていた和田は、唇をかみしめて大粒の悔し涙を流していました。
けれど、もう1年生のミスを口にすることはありませんでした。
気持ちを切り替えて、仲間や後輩に精一杯の声援を送り続けていました。
僕は、団体戦、和田・田辺を使おうと、ここで決心します。

県総体最終日の朝の和田の「自分づくりノート」から。

5月31日
朝、宿舎なので走ることはないけど、いつも通りに朝早く目が覚めてしまう。癖になっているんだな。
そして、朝、このノートを書くと落ち着く。
昨日のミーティングで、チームの心は一つになった。
皇子先輩を今日で引退させるわけにはいかない。
私は自信を持って戦う。
巻! 長商! 負けない。
苦しい場面は絶対にある。その時は、毎朝自分と向き合ってきたこの時間を思い出せ!
必ず優勝する!
行ってきます。

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もう一点。和田の成長は、未熟ですが才能豊かな1年生田辺なつきとペアを組んだことによってもたらされたようなものです。
人は、他者を成長させることによって、一番確かに成長を遂げると思います。

その1年田辺なつきのテニスノートから。

「誰かのために」プレーすることは、とても大きなエネルギーを生むんだって思った。
決勝戦、長岡商業。個人戦の結果から見ると圧倒的に長商有利。でも、絶対このチームでIH行きたいって強く思った。
入場前の整列で、私たちの相手は個人戦優勝ペアだとわかった。「絶対気持ちで向かっていく。大丈夫!」って自分に言い聞かせた。
一つひとつのポイントでのベンチやサポーターの応援、ムード、すごかった。すごくエネルギーになった。
でも、やっぱり大事なところでダブルフォルトを繰り返す自分…。
チェンジサイズでベンチに戻った時、皇子先輩がすぐに自分の所に来てくれた。
「お前ならできるぞ、自信持て!」って力強く言ってくれた。
よっしゃ、やってやる!
皇子先輩のために絶対に勝ってやる!
言葉には出さなかったけれど、強く思った。
ファイナルゲーム。
1-3で長商がリード。そして、自分のサーブ。
でも、なんだか負ける気がしなかった。
ギリギリの場面はたくさんあった。
その場面で思ったこと。
コートに立って見えるみんなの顔…
コートに立って聞こえるみんなの応援…
「チーム吉藤」やるしかない!
やっと迎えたファイナル6-3のマッチポイント。
ふとベンチの後ろのスタンドが目に入った。
他の高校の人たちが応援してくれていた。
手を握っていた…
そして、ポジションに立った時、ちょうど皇子先輩と目が合った。
ビッグスマイルを送ってくれた。
「チーム吉藤!」ここで終わらせるもんか…
心の底からそう思った。
(1年 田辺なつき)

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